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日本郵船/サンミゲル社の「河川回復プロジェクト」に河川浄化作業用重機を寄贈

物流全般 2023.06.17

サンミゲル社の「河川回復プロジェクト」に河川浄化作業用重機を寄贈

当社グループが一貫して日本からフィリピンへ重機を輸送 現地式典を開催

当社は、フィリピンの大手複合企業サンミゲル・コーポレーション(注1、以下:サンミゲル社)が取り組んでいる「河川回復プロジェクト」(以下、本プロジェクト)で河川の浄化作業に使用される重機2台を寄贈し、6月6日に引き渡し式典が行われました。式典にはサンミゲル社社長のラモン・アン氏、フィリピン特命全権大使の越川和彦氏、フィリピン環境天然資源省のヨナス・レオネス次官、当社から代表取締役社長の長澤仁志が出席しました。

世界的に見ても汚染が激しいフィリピンの中でも首都マニラを通るパシッグ川とタラハン川(図1)では、沈殿した泥や廃棄物で川底が上がって洪水の原因にもなっています。このため、これらの河川の回復が環境問題の改善と海洋マイクロプラスチック(注2)の減少につながると考えられています。

サンミゲル社は現在、洪水の被害を軽減し廃棄物の海洋への流出を防ぐためパシッグ川及びタラハン川の浚渫、回復を進めています(図2)。当社は、昨年11月に本プロジェクトに賛同し、5年間で150万ドルの寄贈を決定しました。この寄付金で購入し、本日寄贈された重機は、これらの河川の浄化作業に使用されます。また、重機は、日本からフィリピンまでを当社の運航船で輸送、フィリピン国内は当社グループの郵船ロジスティクス株式会社が管理するトラクタで運ぶことで、 全体を通して当社グループで一貫して輸送しました。

本式典にてサンミゲル社社長のラモン・アン氏からは「台風や大雨によりマニラ首都圏の都市が深刻状況の中、河川回復プロジェクトにご後援頂き心より感謝申し上げます。サンミゲル社と日本郵船は水資源の保護活動をはじめとするサステイナブルな取り組みを行ってきました。本件は、両者が互いに同じ方向性を持っている事を再確認するものとなりました。今後、フィリピン国内の企業が協力し合い、積極的な取り組みを行うことによって、次世代の恩恵に繋がる事を願っています。」と感謝の言葉が述べられました。

当社社長の長澤は、ラモン・アン氏をはじめとするサンミゲル社に本プロジェクト参加への機会を提供してもらえたことや、式典のおもてなしに対して謝辞を述べました。また、当社とフィリピン人船員の歴史や、フィリピンにおける当社の取り組みを紹介すると共に「フィリピンをより豊かにする今回の活動を通じて、両社の親睦を更に深められると信じています。」と話しました。

当社グループは、ESGの経営戦略への統合を更に加速させることを掲げた、「NYKグループ ESGストーリー」(※)を2021年2月3日に発表し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動を進めています。2022年3月24日には、2021年度のESG経営の具体的な取り組みと施策、超長期視点での持続可能な成長戦略を紹介する「NYKグループESGストーリー 2022」(※※)を発表しました。フィリピンへの支援は、本件のみならず、昨年10月に行った教育支援を目的とするプリンターとコピー用紙の寄贈、その他、ストリートチルドレンへの支援等を行っています。長年のこれらの社会活動に関して、5月29日、フィリピン赤十字社から表彰を受け、その取り組みは高く評価されています。これらの活動は、世界最大の船員輩出国であり、当社グループの船員の採用や育成などを通じて関わりが深い”フィリピンへの恩返し”と考えています。また、海洋プラスチック汚染の解消は、当社グループが”海への恩返し”として取り組むべき社会課題と位置付けており、今回の取り組みもその一環となります。当社グループは今後も”より良い地球社会の実現に貢献する”というグループの企業理念を体現してまいります。

※NYKグループESGストーリー
当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。

※※NYKグループESGストーリー2022
「NYKグループESGストーリー」で掲げたESGの経営戦略への統合に向けた具体的な取り組みと、2021年度の施策を紹介した資料。

詳細は以下リンクよりご覧いただけます。

(図1)パシッグ川とタラハン川

(図2)河川回復プロセス

泥の除去作業の様子。掘削機で川の底にたまっている泥を取り出し、バージへ移動する。

(注1)サンミゲル・コーポレーション
フィリピンの大手複合企業で、1890年にビールメーカーとして設立され現在は飲料、食品に加え、包装、電力、石油、インフラ、電気通信、不動産、航空、金融等の事業を傘下に収め多角化を続けています。
ウェブサイト:https://www.sanmiguel.com.ph/

(注2)海洋マイクロプラスチック
海中のプラスチックが紫外線や波浪の影響などを受けて直径5ミリ以下の小さな粒子となったもの。それを摂取した生物の体内に取り込まれ、その後の食物連鎖を通じて海洋生態系全体に広がることで人体にも大きな脅威を及ぼすことが懸念されている。

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