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東海運/経常利益は前年比21・2%増(2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
単位・百万円  

      営業収益   営業利益 経常利益 当期純利益

2022年3月期 39,613 1.6   684 △2.3  889 21.2  635 61.4
2021年3月期 39,001 △7.2  700 58.3  734 50.6   393 44.5
(注) 包括利益 2022年3月期 856百万円( 37.5%) 2021年3月期 622百万円(901.4%)

(略)

1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)のわが国経済は、新型コロナウイルス変異株の出現により経済活動の回復が鈍化したほか、ウクライナ情勢の緊迫化、原材料やエネルギー資源の価格が高騰する等、依然として、厳しく不安定な状況で推移しました。
物流業界におきましては、生産関連貨物について、先送りにしていた設備投資の再開等により、持ち直しの動きがみられました。また、建設関連貨物については、公共投資が資材価格の上昇の影響等により減少傾向となり、住宅投資は弱含みとなり弱い荷動きが続きました。
国際貨物輸送につきましては、輸出は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和される中で、緩やかな増加が続きました。輸入は、個人消費が弱含みで推移した一方で、国内産業の緩やかな持ち直しにより総じて回復基調で推移しました。
このような経営環境の下、当社グループは、将来にわたって持続的な成長を遂げるため、『市場と顧客に選ばれる企業』を将来のありたい姿として掲げるとともに、その達成のための長期的な課題として(1)環境変化への適応、(2)最新技術の取込み、(3)事業領域の拡大を示し、事業を展開する市場だけではなく株式市場や労働市場においても、より多くの方々に魅力的であると認識され、選ばれる企業を目指しております。
また、『将来のありたい姿』に向けた第2ステップとして、ESG経営からSDGs達成に貢献するため、将来を見据えた拡大事業を中心に経営資源を集中することで、収益力と資本効率の向上を目指す基本方針に則り、2021年度から2023年度までの3ヵ年を対象期間とする中期経営計画『ステップアップ AZUMA2023』を策定しました。基本戦略として (1)企業基盤の強化、(2)グループ営業体制の推進、(3)事業ポートフォリオ別戦略の実行を掲げ、企業価値向上に向けた施策に取り組んでおります。
企業基盤の強化については、アフターコロナを見据え、在宅勤務など勤務制度を見直したほか、女性活躍のための社内研修や意見交換会を開催しました。また、ESG経営を強力に推進するため、2022年4月1日にサステナビリティ推進部を設置しました。
グループ営業体制の推進については、フレキシタンクを用いた液体輸送サービスを開始したほか、新規案件の獲得に努めました。
事業ポートフォリオ別戦略の実行については、拡大事業を中心とした投資計画の検討を進めました。基盤事業においては、安定したサービスの提供と生産性の向上に取り組みました。利益の安定化を目指している最適化事業においては、燃料費の高騰や荷動きの伸び悩みにより、小幅な改善にとどまりました。
これらの結果、当連結会計年度の営業収益は、396億1千3百万円と前連結会計年度に比べ6億1千2百万円(1.6%)の増収となり、営業利益は6億8千4百万円と前連結会計年度に比べ1千6百万円(2.3%)の減益、経常利益は8億8千9百万円と前連結会計年度に比べ1億5千5百万円(21.2%)の増益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、6億3千5百万円と前連結会計年度に比べ2億4千1百万円(61.4%)の増益となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、営業収益は22億5千9百万円減少しております。

セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
①物流事業
物流事業におきましては、国際貨物について、経済活動の制限と緩和が繰り返される中で、国内外の景気が緩やかに持ち直していることを背景に、輸出入貨物の取扱量は下支えされたものの、海外港湾混雑の影響でコンテナ船の寄港隻数減便により、取扱量は総じて減少しました。また、荷役作業においてはスケジュール遅延により作業費用が嵩んだ一方、コンテナターミナル蔵置量の適正化に努めたことで全体的な費用を抑えることができました。ロシア・中央アジア関連貨物については、新型コロナウイルス感染症等の影響でロシア向けの生産関連貨物の取扱量が減少したほか、中国の越境検疫強化等で物流が停滞したことやコンテナ不足を背景に、中央アジア向けの自動車関連貨物等の取扱量が減少しました。一方で、ロシア向け消費財関連貨物のコンテナ輸送量が堅調に推移したほか、同地域向け貨物輸送に伴う日本国内での付帯作業の取扱量が増加しました。また、液体輸送事業や欧州向けの設備輸送案件が開始したことにより、収益性が向上しました。なお、ロシア等への輸出については、経済産業省発表の輸出入禁止措置に基づき取扱いを行っております。国内貨物については、鋼材をはじめとする資材価格が上昇している影響等により、建材関連貨物の荷動きが低調に推移し、カーフェリー輸送や陸上輸送での取扱量は減少しました。
これらの結果、物流事業の営業収益は、304億2千9百万円と前連結会計年度に比べ22億4千5百万円(8.0%)の増収となり、セグメント利益は、16億1千2百万円と前連結会計年度に比べ1億7千6百万円(12.3%)の増益となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は2百万円増加しております。

②海運事業
海運事業におきましては、内航船について、建設現場における人手不足に伴う工期の長期化やコロナ禍での工期遅延、住宅投資の低迷等を背景に、セメント船の取扱量は減少しました。内航貨物船は、一般貨物船において、建設発生土や石膏、スラグ等の需要が堅調に推移し、取扱量は増加しました。一方、燃料価格の高騰により費用が増加しました。粉体船においては、石炭灰発生量増に伴い取扱量は増加しました。外航船については、粉体船が昨年度末に契約終了となり取扱量が減少しました。一般貨物船においては、航海数が減少したことにより取扱量が減少しました。
これらの結果、海運事業の営業収益は、82億9千5百万円と前連結会計年度に比べ16億2千4百万円(16.4%)の減収となり、セグメント利益は、3億4千9百万円と前連結会計年度に比べ1億7千7百万円(33.8%)の減益となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により営業収益は22億6千1百万円減少しております。

③不動産事業
不動産事業におきましては、保有資産の適正な維持管理を行いました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は、6億5千9百万円と前連結会計年度に比べ1百万円(0.2%)の減収となりましたが、セグメント利益は、5億6千5百万円と前連結会計年度に比べ1千9百万円(3.7%)の増益となりました。

④その他事業
その他事業におきましては、植物工場のある東海地方において、平年より早く梅雨入りしたことを背景とした天候の影響により、上期の収穫量は減少したものの、苗の植え替え作業を早めたことにより下期での収穫量は増加しました。一方で、人員体制強化により固定費が増加したほか、燃料費が増加しました。
これらの結果、その他事業の営業収益は、2億2千9百万円と前連結会計年度に比べ6百万円(2.7%)の減収となり、セグメント損失は、1千5百万円(前連結会計年度は9百万円のセグメント損失)となりました。
上記セグメント利益又は損失は、セグメント間取引消去前の金額で記載しており、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

(略)

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