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共栄タンカー/売上高は前年比4%増、経常利益は前年比94・2%減(2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
単位・百万円  

       売上高    営業利益 経常利益  当期純利益

2022年3月期 12,141 4.0   420 △46.3  17 △94.2   882 446.4
2021年3月期 11,670 △6.7  782 △49.7  303 △70.3  161 △92.3
(注)包括利益 2022年3月期 1,369百万円 (214.1%) 2021年3月期 435百万円 (△78.6%)

(略)

1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
①当期の経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナウィルスの流行によるまん延防止等重点措置の適用により個人向けサービス消費の回復は軟調であり、年後半にはウクライナ危機の緊迫化を背景とした資源価格の上昇が企業業績の重石となりました。海外経済は、米国では、堅調な雇用推移と設備投資により高水準での成長が継続しました
が、中国では脱炭素政策の影響による一部地域での停電やゼロコロナ政策による行動制限強化などにより景気は減速しました。
海運市況は、大型原油船(VLCC)の用船市況につきましては、ワクチン接種の増加により中国や米国、欧州などを中心に経済活動の正常化が進み、第1四半期に一時的に需要回復の兆しが見えましたが、その後もコロナ禍による原油需要の低迷は続いており、OPECプラスの協調減産も段階的に増産されているものの、原油供給量が絞られた状態が続きました。そのような状況下において既存隻数が800隻を超え、また解撤数が少ないため、引き続き船腹需給は緩んでおり、冬場の輸送需要も盛り上がることなく低迷を続けました。2月にロシアがウクライナに侵攻したことにより市場参加者に緊迫感が増し、心理的な要因でWS50台まで上昇しましたが、市場のファンダメンタルズは変わらないまま短期的な上昇に止まりました。
石油製品船(LR2やMR)も、一部で石油製品の需要が回復に向かいつつありましたが、既存隻数が多い中コロナ禍の影響でジェット燃料を始めとする石油製品需要の低下が続き、船腹過剰も深刻化しており、VLCCと同様、市況は低迷しました。第4四半期に入ってもしばらく市況に変化はありませんでしたが、ロシアのウクライナ侵攻によりVLCC同様に市況が高騰しました。その後徐々に下落したものの、ロシアに対する欧米諸国の制裁への抵触を懸念する多くの船主、トレーダーがロシア出しの貨物を避けてトレーディングパターンが変化したこと、一方でロシア出しの貨物輸送運賃にプレミアムが付くなど、ロシア・ウクライナ情勢の影響を大きく受けた市況展開となりました。
大型LPG船(VLGC)の用船市況は、春の不需要期による荷動きの減少や米国出しの輸送需要の減少などにより夏場まで下落しましたが、中国向けの化学品原料としての需要やインドも含めた民生需要が底堅く、また、パナマ運河の滞船による船腹需給引き締め効果もあり、第3四半期まで好調な市況展開となりました。第4四半期になり一時的に下落しましたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響を受けることもなく全般的に堅調に推移しました。
ばら積船につきましては、中国の経済活動の再開や、鉄鉱石価格の上昇、北米や南米からの穀物輸送が活発となったことに加え、コロナウィルスの影響により船員交代に時間が掛かるなど、滞船の長期化も市況上昇の追い風となり、好調な市況展開となりました。第3四半期に入りますと、中国が冬季北京五輪に向けて環境政策を優先させ、粗鋼生産を始めとした経済活動を縮小させたことや、長期化していた中国主要港での滞船も改善が見られた影響で市況は下落しました。第4四半期に入り、例年通り中国の旧正月及び今年度は冬季北京五輪にかけて市況は低迷、特にケープサイズバルカーでは主要航路平均が一時6千ドル台を記録するなど大きく下落しましたが、その後回復し、ロシアのウクライナ侵攻の影響も見られず、小幅の上昇と下落を繰り返しながら堅調に推移しました。
こうした経営環境の中、当社グループは大型タンカーを中心とする長期貸船契約を主体に安定した経営を目指しており、前期11月にVLCC”TENZAN”、当期9月にVLCC”TOKIWA”並びに2月にはLPG船”MARIE”が竣工致しました。その一方で、当期8月及び9月に石油製品船2隻を売却するなど、船隊構成の整備・拡充に取り組んでまいりました。
また、各船の運航効率の向上と諸経費の節減にも全社を挙げて努めた結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。
海運業収益は、石油製品船2隻の売却がありましたが、前期と当期でVLCCを1隻ずつ取得したことなどにより、121億4千1百万円(前期比4億7千1百万円増)となりました。営業利益は、海運業収益の増加はありましたが、船舶の取得により海運業費用が増加したことなどにより、4億2千万円(前期比3億6千2百万円減)、経常利益は1千7百万円(前期比2億8千6百万円減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別利益に石油製品船2隻の売却益12億4千3百万円、及び当該2隻の次回入渠に向けて引き当てていた特別修繕引当金を売却に伴って取り崩した利益1億2千7百万円を計上したことなどにより、8億8千2百万円(前期比7億2千1百万円増)となりました。

②今後の見通し
今後のわが国経済は急激な円安や資源価格の上昇により、個人消費の悪化や、設備投資の抑制が懸念されます。
海外経済も同様に資源価格の上昇などによりインフレが加速しており、春先以降の景気回復の勢いが削がれるリスクがあります。
海運業界においても、市況の不透明感が拭い切れておらず、且つインフレによるコストの増加も見込まれ、引き続き厳しい経営環境が続くものと思われます。
当社グループでは、社業全般の合理化・効率化をさらに進め、安全運航と環境保全に資する競争力のある船隊整備と拡充に向けた積極的な営業活動のもと、安定的な収益確保を目指してまいります。
次期の業績につきましては、昨年9月に竣工したVLCC及び今年2月に竣工した小型LPG船がフル稼働し、短期で貸船しているばら積み船2隻が好調な市況により海運業収益を押し上げると見込んでおりますが、円安、インフレ及び新型コロナウィルスなどの影響により修繕費や潤滑油費などの船費を保守的に見積もったことから、売上高138億円、営業利益11億円、経常利益6億円、親会社株主に帰属する当期純利益4億円を予想しております。

(略)

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