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商船三井/経常利益は前年比440・2%増(2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
単位・百万円  

       売上高    営業利益   経常利益   当期純利益

2022年3月期 1,269,310 28.0  55,005 -   721,779 440.2  708,819 687.1
2021年3月期 991,426 △14.2  △5,303 -  133,604 142.5   90,052 176.0
(注)包括利益 2022年3月期 776,951百万円 (931.4%) 2021年3月期 75,332百万円 (-%)

(略)

①当期の経営成績(略)

当期の業績につきましては、売上高12,693億円、営業損益550億円、経常損益7,217億円、親会社株主に帰属する当期純損益は7,088億円となりました。なお、当社持分法適用会社OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(以下「ONE社」)の大幅な増益などにより、営業外収益で持分法による投資利益として6,573億円を計上いたしました。うち、同社からの持分法による投資利益計上額は6,357億円となります。

(略)

(A) ドライバルク事業
 ドライバルク船の市況は、堅調な鉄鋼原料、穀物、石炭などの輸送需要と中国における新型コロナウイルスの水際対策や台風の影響等による滞船で船腹需給が逼迫し、秋口まで高い水準で推移しました。その後、ケープサイズの市況は調整局面を迎え、年始以降、雨季に入ったブラジルからの出荷ペース減速によってやや低迷した一方、パナマックスの市況は年明けのインドネシアにおける石炭輸出規制の影響やロシア・ウクライナ情勢による混乱はあったものの、冬場の石炭需要や南米穀物等の輸送需要を背景に、通期では総じて堅調に推移しました。
 このような市況環境下において、ドライバルク事業全体では、2021年4月に発足した商船三井ドライバルク㈱における配船効率化による収益力向上等も寄与し、前期比で大幅な損益改善となりました。

(B) エネルギー・海洋事業
<油送船>
 原油船市況は、長引くOPECの協調減産による荷動きの伸び悩みや老齢船のスクラップの進展が見られなかったこと等を背景に、船腹需給が締まらなかったことから、年間を通じて低迷しました。石油製品船市況についても、原油船同様に需要回復が鈍く、輸出荷動きが減少し苦しい市況環境が続きました。
 このような市況環境下において、安定的な長期契約の履行やコスト削減に努めましたが、油送船部門全体では好況を呈した前期比で減益となりました。

<LNG船・海洋事業>
 LNG船部門においては、新たに竣工したLNG船1隻及びLNG燃料供給船1隻を含めて、既存の長期貸船契約を主体に安定的な利益を確保し、前期比で増益となりました。海洋事業部門においては、FPSO事業及びFSRU事業でそれぞれ1隻が新たに竣工したほか、既存プロジェクトが順調に稼働し、前期比でほぼ横ばいの損益となりました。

(C) 製品輸送事業
<コンテナ船>
 コンテナ船は、ONE社において、北米・欧州航路を中心に旺盛なコンテナ荷動き需要が通期に渡り継続したことに加え、特に北米における港湾・内陸輸送の混雑等、サプライチェーン全体の混乱が継続しており、結果スポット賃率は前期を大幅に上回るレベルで推移しました。また港湾・ロジスティクス事業における取扱量回復に伴う増益も寄与し、コンテナ船事業は前期比で大幅な増益となりました。

<自動車船>
 新型コロナウイルスの影響を受けた前期と比べて、世界的な自動車販売の回復を受け、完成車輸送台数は大幅に増加しました。半導体不足による完成車減産の影響はあったものの、船腹量や各運航船の投入先を柔軟かつ機敏に調整し、損益は前期比で大幅に改善しました。

<フェリー・内航RORO船>
 年間を通じて緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の発令期間が長く続き、旅客事業は新型コロナウイルス感染拡大以前の水準には回復せず低調な結果となりました。物流事業は、巣ごもり消費を追い風に回復基調を維持しました。一方で燃料油価格の高騰が響き、フェリー・内航RORO船事業全体としては、前期比で損益悪化となりました。

(D) 関連事業
 不動産事業は、当社グループの不動産事業の中核であるダイビル(株) が保有する一部オフィスビルの建替えに伴い若干の減収となりましたが概ね安定的に推移いたしました。客船事業は、新型コロナウイルス感染再拡大の影響を受け、長期に亘り運航休止を余儀なくされたことから前期同様に損益は低迷しました。曳船事業は各社各港おいて状況に差はあるものの、グループ全体では概ね前期並みの損益となりました。その他の商社等の業績は概ね堅調に推移しましたが、関連事業セグメント全体では前期比で減益となりました。

(E) その他
 主にコストセンターであるその他の事業には、船舶運航業、船舶管理業、貸船業、金融業などがありますが、前期比でほぼ横ばいの損益となりました。

②今後の見通し

(略)

 次期2023年3月期においては、世界的なインフレ進行に伴う景気後退リスク、ロシア・ウクライナ情勢に起因する輸送需要の変動などが、当社の各事業に影響を及ぼす可能性があります。ドライバルク船およびエネルギー輸送においては、当社は中長期契約を中心に事業を行っていることから、景気変動および輸送需要の変動に伴う業績への影響は相対的に小さい一方、一部の短期契約においては市況および荷動きの変動により当社業績に影響を及ぼすことを一定程度想定しています。コンテナ船を始めとする製品輸送事業においては、ロシア・ウクライナ情勢による直接的な荷動きへの影響は限定的であるものの、世界経済の減速あるいは部品調達・物流への影響を通じて荷動き需要が弱含む局面があることを想定しています。

(A)ドライバルク事業
 ドライバルク船の市況は、中国を中心とした堅調な鉄鋼原料需要や、穀物の輸送需要に下支えされ、全体としては底堅く推移すると想定しますが、新型コロナウイルスの感染拡大状況と、それに伴う中国をはじめとした各国の水際対策動向は、引き続きドライバルク船市況の大きな変動要因となることが予想されます。また、下期以降は季節性要因も踏まえ市況が軟化することを想定した見通しとしています。

(B)エネルギー・海洋事業
 原油船は、新型コロナウイルス感染拡大一服による原油需要の回復に伴い、足元のOPECの協調減産解消も見込まれることから、荷動き及び市況の回復を予想しています。また、石油製品船は、原油船同様に需要の回復が見込まれることから、市況回復を見込んでいます。
 LNG船部門は、引き続き安定利益を確保する見込みですが、既存の長期契約が完了したため、減益を見込んでいます。また、海洋事業部門においては、FPSO事業及びFSRU事業での新規プロジェクト稼働を予定しています。

(C)製品輸送事業
 コンテナ船は、足元の好調な荷動きや歴史的高値域で推移した運賃市況が、世界経済の減速やサプライチェーン混乱の一定程度の緩和に伴い、下期以降は積高と賃率が弱含む想定としています。
 自動車船は、半導体不足や各国ロックダウン、ロシア・ウクライナ情勢が完成車の販売・生産に及ぼす影響を注視する必要があるものの、荷動きに合わせた柔軟な取り組みを継続します。
 フェリー・内航RORO船は、全般的には回復基調が継続すると見込んでいます。旅客事業については、Go Toトラベル事業が再開され、旅行需要が回復することが期待されます。

(D)関連事業
 不動産事業は、保有物件の建て替えに伴う賃料収入の減少を見込んでいますが、海外物件の稼働率上昇等を背景に、引き続き堅調な損益を見込んでいます。
 客船事業及び旅行事業については、新型コロナウイルス感染状況の段階的な収束に伴う損益改善を見込んでいます。

(略)

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