アルプス物流/経常利益は前年比25・2%増(2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)) 決算短信 2023.06.17 2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)単位・百万円 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 2022年3月期 113,814 13.2 6,021 27.4 6,166 25.2 3,598 24.12021年3月期 100,562 △0.2 4,725 14.7 4,926 26.8 2,900 21.4(注)包括利益 2022年3月期 5,832百万円(27.9%) 2021年3月期 4,561百万円(153.6%) (略) (1) 経営成績に関する分析当連結会計年度における世界経済は、依然として新型コロナウイルスの影響を大きく受けながらも、各国ともに感染状況を睨みながらの経済活動となりました。米国においては個人消費や投資に支えられて堅調さを維持し、欧州では経済活動の制限が段階的に緩和され、景気は回復へと向かいました。アセアンでも感染拡大による工場の操業制限などが発生しましたが徐々に回復に向かいました。中国では堅調な個人消費によって景気は上向き傾向となりましたが、一部地域でのロックダウンや企業の操業停止などの懸念材料が出ております。日本国内においては、秋以降コロナウイルスの感染が一時的に縮小したもののその影響は依然継続しておりサービス業が停滞しましたが、製造業は輸出を中心に堅調に推移しました。当社の主要顧客である電子部品、車載電装品業界におきましては、旺盛な需要がある一方、物流・サプライチェーンの混乱や半導体不足による生産調整を余儀なくされ、回復の制約要因となりました。当物流業界においては、コンテナ不足やスペース不足による海上・航空輸送の逼迫に伴い運賃高騰の状態が続きました。このような事業環境下、当社はコロナウイルス感染再拡大防止のために十分な対策を講じ、世界各国において異なる規制に対応しながら、顧客のサプライチェーンの変化に対応すべく、サービスの向上に取り組みました。3カ年の第4次中期経営計画最終年度の当期は、「成長軌道への回帰」を目標に、コロナウイルスの影響による遅れはありましたが、次の戦略・施策を着実に推進してきました。 ①GTB(Get The Business / 市場と商品の拡大):HUB拠点の機能拡充とネットワークの強化。車載・産機市場向け事業の拡充。市場・地域に適合した商品力強化。②GTP(Get The Profit / 間・直の生産性向上):IT・自働化・TIEの進化と導入拡大。資本効率重視の戦略投資。改善活動のレベルアップ。③GTC(Get The Confidence / 選ばれる会社):従業員のスキルと満足度向上。QCマインドの向上と品質保証体制の定着。ESGの取り組み強化。当連結会計年度の業績は、売上高113,814百万円(前期比 13.2%増)、営業利益6,021百万円(同 27.4%増)、経常利益6,166百万円(同 25.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,598百万円(同 24.1%増)となり、売上高、各段階利益いずれも過去最高を更新することができました。 <セグメントの概況>①電子部品物流事業当事業の主要顧客である電子部品業界においては、IoT、5G、DXといった潮流の中で、通信・情報機器向けの需要が増加しております。自動車関連でも電子化、EV化の流れの中で、電子部品の需要が増加しました。一方、足元の半導体不足などに伴うメーカーの生産調整もあり、十分な生産が困難な状況が断続的に発生しました。当社では、前期に引き続き、地域(エリア)と市場・顧客の2つの軸で業容の拡大を図りました。エリア戦略としては日本や中国などの既存展開エリアにおける衛星拠点の整備、更にインド・東欧などの拠点・ネットワークの整備に取り組んでおります。市場・顧客戦略については主力の電子部品メーカーや商社などの顧客に加え、自動車・産業機器関連の顧客の拡大を目指しました。当連結会計年度の業績は、国内、海外ともに保管、運送、輸出入の全事業において、売上高が増加しました。また、生産性向上の取り組みとしては、国内幹線便ネットワークの再編、保管事業におけるIT化の推進や入出庫業務の効率化などを図り、増収増益を確保することができました。当セグメントの業績は、売上高64,090百万円(前期比 21.5%増)、営業利益4,030百万円(同 30.9%増)となりました。 ②商品販売事業商品販売事業では、電子部品に関連する包装資材・成形材料・電子デバイスの販売を行っています。当社では、調達と物流を一元化した電子デバイスの調達代行の提案、物流改善を意識した包装資材の提案を特長としております。当連結会計年度におきましては、秋以降半導体不足などにより車載関連の生産停滞の影響を受けましたが、前年同期に需要が落ち込んだ反動もあり、通信・情報機器向けで成形材料が中国を中心に増加しました。また、包装資材も営業力を強化し、外販向けを中心に拡販を行い、増収増益となりました。当セグメントの業績は売上高22,489百万円(前期比 6.2%増)、営業利益743百万円(同 61.1%増)となりました。 ③消費物流事業消費物流分野では、小売企業の宅配サービスや通販ビジネスの成長に伴って需要が拡大している一方、ドライバーを始めとする人材確保・育成が、業界全体の課題となっています。このような事業環境下、当社グループで消費物流を担う㈱流通サービスは、消費物流の川上にあたる企業間物流の取り込み、メディカル・化粧品などの商品センター業務の拡大、生協宅配ビジネスの拡大に取り組んでおります。当連結会計年度においては、新規に稼働を開始したメディカル関連が寄与、また、コロナウイルス長期化に伴う在宅生活様式の定着により通販・宅配需要は高水準の状態にあります。減価償却費や修繕費、燃料費などのコスト増加要因がありましたが、自働化による効率化や労務費の削減などにも取り組んだ結果、増収増益となりました。当セグメントの業績は、売上高27,234百万円(前期比 2.2%増)、営業利益1,247百万円(同 5.3%増)となりました。 <次期の見通し>世界経済は、製造業を中心に回復傾向が続くものと予想されますが、新型コロナウイルスの影響、地政学リスク、世界的なインフレ懸念など不透明要因が存在しています。当社の主要顧客である電子部品業界においては、スマートフォンやEV化が進む自動車関連において電子部品需要が拡大するものと期待される一方、半導体不足などの制約要因も見込まれます。このような環境下、ビジネス領域の拡大、グローバルネットワークの充実を図っていきます。また、貨物の特性に合わせた自働化機器・システム開発、省人化などの生産性向上に取り組みます。現時点における2023年3月期の業績見通しについては、当期にスポット的に発生した輸出入関連の航空輸送の減少が見込まれることや、事業拡大のための活動費用増加を見込んでいることから、次のとおり微増収減益を予想しております。 (略)