minsora/ごみ分析・ナビゲーション精度の向上を実現したBIOISMの「廃棄物収集車両運行管理システム」が6月より日本各地で始動 物流システム 2023.06.17 minsoraが提供するセンチメータ級位置補正情報配信サービスCLARCSを使い、ごみ分析・ナビゲーション精度の向上を実現したBIOISMの「廃棄物収集車両運行管理システム」が6月より日本各地で始動! 準天頂衛星システム「みちびき」を利用したセンチメータ級の位置補正情報配信サービスCLARCS。CLARCSが社会実装されるのは、本件が初めてです。 株式会社minsora(大分県大分市/代表取締役 髙山久信)が提供するセンチメータ級の位置補正情報配信サービス「CLARCS」を使い、ごみ分析・ナビゲーション精度の向上を実現した株式会社BIOISM(大分県大分市/代表取締役 髙橋幸司)の「廃棄物収集車両運行管理システム」が、2022年6月より日本各地で始動します。 準天頂軌道衛星みちびき(提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局) CLARCS(CLAS-based RTK Correction System)は、準天頂衛星システム「みちびき」から配信される高精度な測位補強情報CLAS(Centimeter Level Augmentation Service)を元に、仮想基準点を設定し、RTK測位用補正データをインターネット網で配信するサービスです。「みちびき」から直接CLASを受け取る単独測位に比べ、比較的安価な従来のRTK受信機を利用してセンチメータ級精度で位置測位ができることが特徴で、運用コスト低減を実現します。 株式会社minsoraは、当該技術を開発した一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構との提携の下、CLARCSサービスを提供します。 株式会社BIOISMは、同社の展開するクラウド型サービス「廃棄物収集車両運行管理システム」に、このCLARCSを組み込むことで、車両の精緻な軌跡管理による収集ルートの最適化や収集業務の効率化を実現します。令和3年度の「大分県IoT推進ラボによるプロジェクト認定」を受け、「先端技術挑戦プロジェクト推進事業費補助金」に採択され、本システムを実証しました。今年6月より東京都や神奈川県の自治体など日本各地で社会実装されます。また既存ユーザー(85団体、約3000台)への展開も図って参ります。 株式会社BIOISMは、同社のごみ収集車の運行ルート管理システムにより、IoTを活用してごみ収集の実態をデータ化し、AI等により収集ルートを最適化するなど、収集業務の効率化を牽引する会社。2020年には「第18回おおいたビジネス オブ ザ・イヤー」や「第17回大分県ビジネスプラングランプリ 最優秀賞」を受賞、2021年には経済産業省中小企業庁の「2021 はばたく中小企業・小規模事業者300社」への選定など、その活躍に注目が集まっています。 株式会社minsoraは、民間に眠るシーズ(技術の種)とニーズ(必要性)をつなぎ、新たな宇宙関連ビジネスの構築に取り組む会社。CLARCS事業など、サービスを自ら提供しながら事業者と協働し、安心・安全サービスから物流や観光利用など幅広い分野で、新しい技術による人々の生活向上に貢献することを目指します。 株式会社BIOISMと株式会社minsoraは、今後更なる業務連携を行なって参ります。 株式会社BIOISM(バイオイズム)代 表: 代表取締役 髙橋幸司設 立: 2014年5月所在地: 〒870-0028 大分県大分市新町15-32 OTSビル201号室電話番号 : 097-576-8069ホームページ: https://www.bioism.co.jp/ 株式会社minsora(ミンソラ)代 表: 代表取締役 髙山久信設 立: 2019年4月所在地: 〒870-0021 大分県大分市府内町一丁目4番11号 つのビル2階電話番号: 097-534-4123ホームページ: https://minsora.jp *** 【準天頂衛星システム「みちびき」利用の仕組みとCLARCS】準天頂衛星システム「みちびき」は、準天頂軌道の衛星が主体となって構成される日本の衛星測位システムです。 これまでの日本の測位システムは、国内に山間部が多いため、米国GPS衛星などの可視数に課題がありましたが、より精度の高い測位能力を実現するため、日本の上空をカバーする「みちびき」が投入され、誤差が数センチメートルレベルという高精度の日本版GPSシステムが稼働開始しました。 「みちびき」は、2010年に初号機が打ち上げられ、2017年に2〜4号機が、2021年10月に初号機の代替機が稼働し、現在アジア・オセアニア地域の各地点を常時3機がカバーする全4機体制で運用を行っています。2023年にはさらに3機が打ち上げられ、7機体制で持続測位可能な運用が開始される予定です。 CLARCS(CLAS-based RTK Correction System)は、「みちびき」が配信する高精度な測位補強情報CLAS(Centimeter Level Augmentation Service)を元に、仮想基準点を設定し、RTK測位用補正データをインターネット網を通じて配信するサービスで、一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構により開発されました。 株式会社minsoraは、同機構と提携し、このCLARCSのプロバイダーサービスを2022年春より開始します。 <GNSS(GPS)の仕組み> 測位衛星は、正確な時刻情報と衛星の位置情報を、電波で発信しています。電波の速さは光の速さと同じ秒速30万kmで、観測点の受信の時刻との差異から、衛星との距離が求められます。 3つの衛星から受信した電波を基に求められたそれぞれの距離を半径に、衛星を中心点として描かれる3つの球面が観測地点で重なり、場所が特定されます(実際は時刻補正として4つ以上必要)。 理論的には上記の通りですが、実際には上空の電離層やビルの反射波などにより、この仕組みだけでは、数メートルもの誤差が発生します。 この誤差を克服し、GNSSの精度を上げようと様々な試みが行われてきましたが、その中で「移動しながらでも高精度の測位が可能」というキネマティック測量が実現してきました。 みちびきでは、座標が判明している地上固定局との差分データをリアルタイムに受け取り補正する、「RTK測位」という方法の測位補強サービスが搭載されています。 <「みちびき」が搭載する測位補強サービス>みちびきには以下の2つの測位補強サービスがあり、それらを直接みちびきから受信する単独測位も可能です。 サブメータ級測位補強サービス SLAS(Sub-meter Level Augmentation Service)日本全国に13箇所あるサブメータ基準局が、受信したデータによる測位結果と基準局の本来の位置との差分を計算して補強信号を生成し、みちびきから配信する仕組みで、誤差1m以下で測位を行うことが可能です。配信電波も従来信号のため、既存の受信機を利用することができます。 センチメータ級測位補強サービス CLAS(Centi-meter Level Augmentation Service)より高精度な衛星測位を行うため、国土交通省国土地理院が全国に整備している1,300箇所の電子基準点のデータを用いて補正情報を計算し、みちびきから配信する仕組みで、誤差を数センチメータに抑えた測位が可能となりました。ただし、送信されるL6信号は新方式電波のため、専用の受信機が必要です。 <CLARCSについて>CLARCSは、CLASの専用の受信機がまだ高額なため、みちびきが配信するCLASの測位補正情報を元に仮想基準点を設定し、RTK測位用補正データをインターネットを通じて提供するサービスです。 従来のRTK受信機を使いながら、センチメータ級の測位を可能にする点がCLARCSの大きな魅力ですが、仮想基準局単位でのサービス提供となるため、基準局の周囲10km圏内に集約されるような、地域利用型の高精度測位活用事業に最適です。 CLARCSの仕組み <測位補強方法比較> みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)公式サイト – 内閣府https://qzss.go.jp/