ヤマト運輸/ふるさと納税の運営課題解決に向け 大分県中津市と連携 物流全般 2023.06.17 ふるさと納税の運営課題解決に向け 大分県中津市とヤマト運輸が連携 - 地元中小事業者の積極的な参画を促し、地域産業活性化と地域の魅力を発信 - 大分県中津市(以下「中津市」)は、2022年4月1日から3年間、「ふるさとなかつ応援寄附金」の管理に関わる業務をヤマト運輸株式会社(本社:中央区銀座、代表取締役社長:長尾裕、以下「ヤマト運輸」)に委託することを決定しました。中津市とヤマト運輸は、地元中小事業者の本制度への積極的な参画を促すとともに、各自治体がふるさと納税指定制度を活用する中で発生している運営上の課題を解決し、地域産業全体の活性化を目的とした制度の運営を目指します。 記 1.背景および目的ふるさと納税は、「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた『ふるさと』に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか※1」という問題提起のもと、2008年に創設されて以来13年が経過しました。総務省の発表では、税制優遇が受けられることから、ふるさと納税の寄附者は毎年増加傾向にあり、2020年の全国受入額は約6,725億円※2と過去最高となっています。その一方で、返礼品競争が発生し、一部の地元事業者のみに返礼品の発注が集中してしまい地域産業全体の活性化に繋がらないなど、本来の主旨とは異なる事態が発生しています。また、寄附額に準じた返礼品の準備と在庫管理が難しく、返礼品の発注に対して在庫が足りなくなるなど、運営にあたりさまざまな問題も発生しています。今回、本来の主旨に立ち戻り、地域産業の活性化と地域の魅力発信に向け、ヤマトグループがこれまで培ってきた地域との繋がりや多様な経営資源を活用し、中津市および地元事業者と一体となった制度の運営を行います。具体的には、個人向けの荷物の発送経験が無い地元事業者でも、気軽に返礼品の提供に参画するための業務支援はもとより、政府が指定する返礼品の基準※3である、返礼割合を寄附額の3割以下に維持するために、返礼品提供事業者ごとのキャパシティの把握や返礼品の生産・出荷状況の確認など、自治体・地元事業者・ヤマトグループが一体となり、「ふるさとなかつ応援寄附金」の制度を通じて中津市の地域産業活性化に貢献します。 ※1 ふるさと納税研究会報告書※2 総務省令和3年ふるさと納税に関する現状状況結果よりhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/file/report20210730.pdf※3 ふるさと納税に係る指定制度についてhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/topics/20190401.html 2.ふるさと納税運用の全体フロー (1)ヤマト運輸が提供する主な業務 ①返礼品提供事業者の出荷キャパシティの把握 ②返礼品の生産・出荷準備状況の確認 ③新規参画企業への物流面での各種サポート ④新たな返礼品を提供していただける地元事業者の開拓のための情報提供 ⑤中津市ふるさと納税特設サイトの運営・管理・プロモーション ➅寄附納入に関わる受領・決済・とりまとめ業務 (2)本運用によるメリット ①返礼品申込状況・生産状況に応じたキャパシティを調整し、過剰な寄附の未然の防止が可能 ②返礼品提供事業者の開拓のための情報提供により、特定の返礼品提供事業者に寄附が偏らないよう調整 ③新規返礼品提供事業者に対し、制度説明から返礼率を加味した返礼品準備までサポート ④地元事業者が積極的に返礼品の提供に参画できる仕掛けづくりを行うことにより、地域産業全体の活性化が可能 ⑤従来のウェブプロモーションに加え、宅急便の荷物を活用した専用送り状や資材により、中津市の魅力を全国に発信することが可能 ➅ヤマト運輸が一括で運営することで寄附者の窓口が1本化され、返礼品に関するお問合せにスムーズに対応することが可能 (3)受託期間 令和4年4月1日から令和7年3月31日まで(契約締結日:令和4年3月31日) 3.今後の展開中津市とヤマト運輸が連携することで、ふるさと納税に係る指定制度の運営上のさまざまな課題を解決し、地元企業と一体となった地域産業の発展を目指します。また、ヤマト運輸は、ふるさと納税に限らず、各自治体が抱える固有の課題やニーズを把握し、ヤマトグループの経営資源を活用し最適な解決策を提案することで、地域産業のさらなる発展や魅力の発信を行います。 以上