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東海汽船/2億3400万円の経常黒字化(2021年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

2021年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
単位・百万円  

       売上高   営業利益 経常利益 当期純利益

2021年12月期 10,810 20.5   197 –   234 –   △78 –
2020年12月期 8,970 △19.3  △415 –  △322 –  △328 –
(注) 包括利益 2021年12月期 62 百万円 ( -%) 2020年12月期 △412 百万円 ( – %)

(略)

(1)経営成績に関する分析
①当期の経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、年初より新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、緊急事態宣言が断続的に発出されたこと等により、社会活動が制限され、景気は依然として厳しい状況が続きましたが、第4四半期は、ワクチン接種の進展や緊急事態宣言の解除等により、景気に持ち直しの動きが見られました。その後、新たな変異株による感染再拡大の懸念が強まり、先行きは不透明な状況が続くと見込まれます。
当社グループを取り巻く環境は引き続き厳しく、当連結会計年度は緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が繰り返され、観光や移動の自粛が要請されたことに加え、夏季の台風等の影響もあり、乗船客数が減少し、また関連する大島島内でのホテルやバスなどの利用実績も減少しました。一方で、貨物輸送量はコロナ禍の巣ごもり需要を反映し、生活関連品目の宅配の増加等によりほぼ堅調に推移しました。
このような状況の下、当社グループでは、流動性資金を確保し、利用客の需要に合わせた船の減便や役員報酬の一部自主返上、諸費用等のコスト削減に加えて、雇用調整助成金や各種補助金等の活用に努めました。また、消毒の徹底、マスクの着用、三密の回避、船内換気・抗菌コーティング、乗船時の検温実施、従業員のワクチン接種促進など感染拡大防止に取り組み、お客様と従業員の安全確保を図りました。
なお、当社は、持分法適用関連会社としていた小笠原海運株式会社について、営業面等での更なるシナジーを追求するため、5月に共同出資会社である日本郵船株式会社より出資持分を追加取得し、6月末より連結子会社化いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は、国及び東京都からの支援や小笠原海運株式会社の連結子会社化効果等により、売上高は108億1千万円(前期89億7千万円)、営業利益は1億9千7百万円(前期営業損失4億1千5百万円)、持分法による投資損失7千4百万円を営業外費用に計上し、経常利益は2億3千4百万円(前期経常損失3億2千2百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は7千8百万円(前期純損失3億2千8百万円)となりました。
また、個別業績につきましては、売上高は87億2千6百万円(前期83億7百万円)、費用面で船舶修繕費や船舶燃料費の大幅な増加があり、営業損失は8千1百万円(前期営業利益8百万円)、子会社に対する貸倒引当金繰入額を営業外費用に計上したことなどにより、経常損失は1億4百万円(前期経常損失6千万円)、これに特別損益と税金費用を計上した後の当期純損失は1億6千2百万円(前期純損失2億4千7百万円)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
《海運関連事業》
主力の海運関連事業の旅客部門は、さるびあ丸・セブンアイランド結の就航1周年記念ツアーや謎解きツアー、日本旅客船協会公認事業の「御船印(ごせんいん)プロジェクト」の企画商品販売、「横浜~東京」夜景クルーズのアニメキャラクター等とのコラボでの集客、高速ジェット船による臨時運航や貸切運航を行いました。しかしながら、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が繰り返されたことに加え、1~3月開催の大島の最大イベント「椿まつり」がオンライン開催となったことから旅客数は回復には至りませんでした。第4四半期につきましては感染の減少等により旅客数は回復しましたが、通年では減少し、旅客数は36万7千人(前期37万8千人)となりました。また、東京湾の夏の風物詩である東京湾納涼船は感染防止の観点から昨年に続き中止を余儀なくされました。この厳しい状況の下、国及び東京都からの支援により生活航路の維持を図ることができました。一方、貨物部門は、お客様の利便性と集荷効率の引き上げを引き続き図り、集荷に遺漏がないよう取り組み、またコロナ禍の巣ごもり需要を反映し、生活関連品目輸送量の伸びもあり、貨物取扱量は全島でほぼ前年並みの28万7千トン(前期29万1千トン)を確保しました。
なお、第3四半期連結会計期間より連結子会社化した小笠原海運株式会社の損益を当セグメントに加えたことに伴い売上高が15億5千万円、営業利益が4億8千6百万円増加しております。
この結果、当事業の売上高は、95億2千万円(前期75億3千7百万円)、営業利益は6億1千9百万円(前期2億1千3百万円)となりました。

《商事料飲事業》
商事部門は、貨物部門並びに島内外の取引先と連携を密にし工事情報を積極的に収集し販売強化に努めました。
しかしながら、公共工事が停滞したため島嶼向けセメント販売が減少しました。また料飲部門も、緊急事態宣言発出等による船内レストランの営業休止、東京湾納涼船の中止等により売上が減少しました。なお、新たにECサイトを構築し、島の生活通販「ショップ東海」、島産品の全国向け販売「島ぽち」の営業を開始し、配送の利便性向上と物流の活性化に取り組みました。この結果、当事業の売上高は10億7千7百万円(前期11億6百万円)となりましたが、費用削減に努め営業利益は8千9百万円(前期9千8百万円)となりました。なお、5月より竹芝客船ターミナル内のレストランをリニューアルオープンいたしました。

《ホテル事業》
大島温泉ホテル事業は、大島の豊富な海の幸の料理・高品質の源泉掛け流し温泉・露天風呂からの三原山の眺望など、「島の魅力」を前面に押し出した営業活動を行いましたが、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が繰り返されたことに加え、大島の最大イベント「椿まつり」がオンライン開催となったことから、宿泊客は大幅に減少しました。この結果、当事業の売上高は1億7千万円(前期2億4百万円)、営業損失は5千4百万円(前期営業損失4千5百万円)となりました。

《旅客自動車運送事業》
当事業の中心となる大島島内におけるバス部門は、お客様に安心してご乗車頂くため、感染予防対策ガイドラインを踏まえた感染防止に取り組み、また貸切バス安全性評価制度三ッ星認定の下、安全運行に努めてまいりました。緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が繰り返されたことに加え、大島の最大イベント「椿まつり」がオンライン開催となったことから、乗客数は大幅に減少しました。この結果、当事業の売上高は2億2千3百万円(前期2億4千5百万円)となりましたが、費用削減に努め、営業損失は2千7百万円(前期営業損失4千7百万円)となりました。なお、定期路線バスにおいては大島町から継続的な支援を受けております。

②次期の見通し
今後のわが国の経済は、オミクロン株による新型コロナウイルス感染症の再拡大により、先行きは不透明な状況が続くと見込まれます。加えて、当社グループにとりましては原油価格の動向や、為替相場の変動、気象海象状況など、引き続き厳しく予断を許さない環境が続くものと予想されます。
このような状況の下、当社グループは、連結子会社化した小笠原海運株式会社を含め、東京諸島での安全・安心な船旅を提供し、また一層のサービス向上に取り組んで参ります。なお、高速ジェット船就航20周年企画、運航再開を目指す東京湾納涼船の新企画、国内2番目となる神津島の星空保護区など「プラネタリウム・アイランド」としての東京諸島の星空の魅力の発信や「東京の宝島への旅行」の提案などで営業拡大を図ります。大島温泉ホテルは、より利用しやすくバリアフリー対応を含めたサービス向上を図ってまいります。ECサイト事業は、取扱商品の充実、知名度の向上を図り、利便性向上と東京諸島の物流の活性化に取り組んでまいります。
なお、次期の連結業績につきましては、売上高133億5千万円、営業利益1億円、経常利益9千万円、親会社株主に帰属する当期純利益7千万円を予想しております。また、個別の業績は、売上高97億5千万円、営業利益5千万円、経常利益8千万円、当期純利益8千万円を予想しております。

(略)

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