日本通運/4~12月の経常利益は736億2700万円(2021年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)) 決算短信 2023.06.17 2021年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)単位・百万円 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 2021年12月期 1,763,282 - 68,754 - 73,627 - 54,049 -2021年 3月期 2,079,195 △0.1 78,100 31.9 81,276 41.5 56,102 222.3(注) 包括利益 2021年12月期 75,453 百万円 ( - %) 2021年3月期 69,369 百万円 ( 208.3%) (略) (1)当期の経営成績の概況当連結会計年度の世界経済は、主要先進国でのワクチン接種が進んだことによる経済活動の再開や財政支援等により、新型コロナウイルス感染症による経済的影響が縮小した結果、日本を含む主要国経済では景気回復傾向が持続しましたが、依然として、多くの新興国・途上国では感染拡大に伴う経済活動制限による影響が残っており、変異株による感染再拡大や世界的なインフレ率上昇、資源価格の高騰などによる景気後退リスクも加わって、先行き不透明な状況の中、総じて厳しい経営環境となりました。このような経済情勢の中、物流業界においても、昨年大きく落ち込んだ荷動きは、日本を含む世界各国における生産・販売活動の再開により回復傾向が持続しており、米国を中心に消費財などの需要拡大に伴うアジア各国からの輸送量が急拡大し、米国、中国が牽引する形で国際貿易も回復に転じました。日本国内においても、新たな生活様式等に伴うECとデジタル関連商材への需要拡大や、化学・非鉄金属、生産用機械、電気機械等の需要が年度を通じて堅調に推移いたしました。一方、自動車産業等において、世界的な半導体不足や感染拡大に伴うロックダウンによる海外などからの部品調達の停滞により、生産調整が行われたことや、個人消費全体が足踏み状態となったことから、全体としての荷動きは力強さに欠ける状況で推移いたしました。また国際輸送においては、世界的な荷動きの急回復に伴う海上コンテナ不足と、米国を中心とした海上コンテナとコンテナ船の滞留が重なったことで、世界的なスペース不足と海上運賃の高騰に更なる拍車をかけ、本船スペース、コンテナ不足による需給逼迫が続く状況となりました。航空貨物輸送においても、国際旅客便の運休や減便が継続していることで慢性的なスペース不足となっており、航空運賃も高騰する状況となりました。当社グループは、このような経営環境のもと、2019年4月にスタートいたしました5年間の経営計画「日通グループ経営計画2023~非連続な成長”Dynamic Growth”~」における3年目となり、足元の経営基盤を強化しながら、2021年度中間目標に定めた各種指標の達成と、2037年の創立100周年に向けたありたい姿として掲げる「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」という長期ビジョン実現に向け、グループ一丸となって取組んでまいりました。 [事業の成長戦略] 「コア事業の成長戦略」については、ワンストップ営業、アカウント営業を推進してきた結果、グローバルな営業体制が整いつつあり、営業戦略の中核に「グローバルアカウントマネジメント」を据え、営業体制、組織の更なる強化に取組んでおります。「お客様の考える価値」を見極め、お客様のニーズにあった商品やサービスを提供することで、顧客(産業)軸アプローチを強化し、併せて事業軸、エリア軸の強化に繋げていくことで、コア事業の成長に繋げてまいりました。高齢化する社会に対応する医薬品産業や、国家事業として基盤強化が図られる半導体産業など、今後の拡大が見込まれる産業のサプライチェーン領域に新たな成長を求め、継続的な事業強化を続けてまいりました。 世界的な荷動きの急回復による国際貿易の旺盛な需要により、特に国際フォワーディングと海外事業は好調に推移しましたが、日本国内においては、生産の停滞や、緊急事態宣言などの影響により低迷した貨物輸送需要は年度の途中より徐々に回復に向かうも、取扱数量は総じて低調に推移いたしました。 (略) 「日本事業の強靭化戦略」につきましては、当社グループ事業の核となる日本国内物流事業の収益性の更なる改善と経営基盤の強化に向け、国内組織の大括り化により間接部門人員の再配置を進め、先端技術導入による業務効率化や生産性の向上に努めるとともに、CSR経営の強化と営業戦力の増強も進めてまいりました。また、グループ内作業戦力の最大活用による外注費の抑制と、徹底したコストコントロールに努めてまいりました。 (略) [長期ビジョン実現のための取組み]「取組みを支える機能の強化」における「IT戦略のイノベーション」では、情報セキュリティ強化や事務生産性に貢献する更なるRPA普及を進めると共に、コロナ禍におけるニューノーマルへ対応するコミュニケーション基盤の整備を推進いたしました。「持続的成長と企業価値向上のためのESG経営」については、グループ全体として持続的に成長していくために、純粋持株会社(ホールディングス)体制移行への準備に取り組むとともに、ホールディングス体制移行に併せ、ブランド強化のためにブランドアイデンティティーを導入し、2022年1月4日より、NXグループとして、グローバルなブランディングを展開すべく準備を進めてまいりました。また、CO2排出量削減等の環境経営の更なる推進に加え、ダイバーシティの前提となる、長時間労働の撲滅、有給休暇取得の取組みとともに、柔軟な働き方の実現に向けた各種取組みの推進を通じてワークスタイルの変革への挑戦にも努めてまいりました。また、物流センターの流動化スキームによる資産の圧縮と拠点整備の両立や、リース事業の非連結化など、事業ポートフォリオの見直し等による資本効率向上への取組みに加え、グループ経営体制の強化に向けた各種検討も進めてまいりました。この結果、売上高は1兆7,632億円、営業利益は687億円、経常利益は736億円、親会社株主に帰属する当期純利益は540億円となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用により、売上高は596億円減少しておりますが、営業利益、経常利益、及び親会社株主に帰属する当期純利益に与える影響は軽微であります。 セグメント別の業績概況は、以下のとおりとなっております。① 日本(ロジスティクス)航空貨物、海運貨物の取扱が増加したこと等により、売上高は1兆82億円となりました。一方、航空・船舶利用費や燃油単価の上昇等により、営業利益は379億円となりました。 ② 米州(ロジスティクス)航空貨物の取扱が増加したこと等により、売上高は866億円となり、営業利益は52億円となりました。 ③ 欧州(ロジスティクス)航空貨物及び倉庫配送の取扱が増加したこと等により、売上高は1,328億円となり、営業利益は64億円となりました。 ④ 東アジア(ロジスティクス)航空貨物の取扱が増加したこと等により、売上高は1,780億円となりましたが、航空利用費が増加し、営業利益は50億円となりました。 ⑤ 南アジア・オセアニア(ロジスティクス)航空貨物、海運貨物の取扱が増加したこと等により、売上高は1,468億円となり、営業利益は130億円となりました。 ⑥ 警備輸送設定便、集配金業務の減少等により、売上高は513億円となり、各種コスト削減等の効果により、営業利益は1億円となりました。 ⑦ 重量品建設プラント関連工事の減少等により、売上高は358億円となり、営業利益は49億円となりました。 ⑧ 物流サポート石油販売単価が上昇したことに加え、物流機器販売が堅調に推移しましたが、リース事業の分社化や、当連結会計年度の期首より収益認識に関する会計基準等を適用したこと等により、売上高は2,671億円となり、営業利益は77億円となりました。 (略)