日本郵船/船舶の新見張り支援システムを試験搭載 物流全般 2023.06.17 船舶の新見張り支援システムを試験搭載 2021年09月08日 24時間自動で全ての物標を認識可能、更なる安全運航を目指して 日本郵船株式会社株式会社MTI 日本郵船株式会社(以下、日本郵船)及び株式会社MTI(以下MTI)は、イスラエルのORCA AI LTD.(オルカ エーアイ株式社、以下、ORCA AI社 注1)が開発した船舶の見張り業務をサポートする「船舶自動物標認識システム」(以下、同システム)の試作品1基を日本郵船グループ運航船に試験搭載し、本日9月8日から検証を開始いたしました。 船員の目視による見張り業務の現状 航行中、危険な物標や他の船舶との衝突を避けるために、航海士による双眼鏡を用いた目視や、レーダー等の航海計器を用いて危険物標を認識し、針路変更などの意思決定をしています。今回、新システムを用いて物標認識作業を自動化する事で、本船運航の安全性の向上可否を検証するため、試験搭載することとなりました。同システムでは特に夜間や輻輳海域(ふくそう海域、注2)において、人の目だけでは見落としてしまうような危険な物標や他の船舶を自動で認識する事が可能です。 船舶自動物標認識技術の現状 物標認識技術は、既に映像解析による自動識別の研究が進められており、これまでも映像の取得ができれば自動認識は可能でしたが、船舶の場合、動揺・振動し、風雨にさらされる特殊な環境の中、昼夜問わず撮影可能なカメラや、撮影した画像から物標までの距離計測を一定の精度で行えるシステムはありませんでした。 新システムの概要 同システムは昼夜を問わず撮影が可能なカメラユニットを利用して船舶や物標を自動で認識、物標までの距離を計測し、レーダーやAIS等の航海計器から取得した船名や他の船舶と最も近づく際の距離や時間等の情報を重ねて、付属のタブレット又はタッチパネル式のモニターディスプレイ上で統合表示する事が可能です。加えて、レーダーでは捕捉されず、AISも搭載していない小型漁船や小物標についても、同システムで独自に認識、距離計測して衝突の危険性を当直者に知らせる機能を持つ、画期的なシステムです。さらに、同システムでは船上で撮影された映像に対して、ORCA AI社のサーバー上で人工知能(AI)を用いて画像を解析、機械学習を実施後、遠隔で船上ソフトウェアを更新することで、利用しながら認識率等の性能が向上する仕組みになっています。また撮影した映像だけではなく、航海計器の情報もORCA AI社のサーバー上に送られ、映像データと併せて表示させることで、例えば本船の動静監視や状況確認のための陸上オフィスでの二次利用も可能となっています。 搭載するカメラユニット及びタブレット上のデモ画面 日中:可視カメラを用いた映像 夜間:赤外線カメラを用いた映像 夜間においても日中と同様に船舶及び物標の自動識別が可能になり、24時間を通して映像解析が可能になりました。 カメラユニットの概要 ・サイズ:高さ18cm、幅44cm、長さ35㎝・重量:12kg・画角:120度・可視光カメラ3個と赤外線カメラ3個を装備・夜間の撮影が可能・表示部にタブレットもしくはタッチパネル式ディスプレイの選択可能 今回の検証について 今回の検証では、NYKグループ運航船に同システムを搭載し、試験使用する事で、検知能力の確認、見張り業務への寄与度、データ収集及び機械学習による物標検知アルゴリズムの改善、認識率の向上を検証します。また、日本郵船およびMTIがORCA AI社と先行して実施している共同研究では、内航の船舶に同システムを搭載し、日本近海の情報収集、日本特有の形状をした漁船や漁具・ブイの認識率向上を図り、将来的な自律運航技術への活用についても研究を進めています。 日本郵船及びMTIは、「NYKグループ ESGストーリー」(注3)に基づき、事業を通じてSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献や社会課題の解決を図り、新たな価値を創造する取り組みを進めています。今回の船舶自動物標認識システムの検証のように最新のデジタル技術の導入し安全運航の成就を目指す活動もその一環となります。ESG経営を力強く推し進めるべく「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造を推進してまいります。 各社概要 【日本郵船株式会社】本社:東京都千代田区丸の内二丁目3番2号設立年:1885年9月代表者:代表取締役社長 長澤仁志HP:http://www.nyk.com 【株式会社MTI】本社:東京都千代田区丸の内二丁目3番2号設立年:2004年4月代表者:代表取締役社長 石塚一夫HP:https://www.monohakobi.com/ja/ (注1)ORCA AI LTD.本社:イスラエル テルアビブ設立年:2018年代表者:CHIEF EXECUTIVE OFFICER, Yarden Gross (最高経営責任者,ヤーデン グロス)HP:https://www.orca-ai.io/ (注2)輻輳海域(ふくそう海域)東京湾、伊勢湾、瀬戸内海のような船舶交通が非常に多い海域 (注3) NYKグループ ESGストーリー当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。詳細は以下プレスリリースよりご覧いただけます。 「NYKグループ ESGストーリー」を発表 関連リリース 2020年12月10日発表:AIを活用した避航操船研究の実船試験を実施 2020年12月4日発表:タグボートを使用した2度目の遠隔操船実船試験を実施 2020年5月20日発表:タグボートを使用した遠隔操船実船試験に成功 2020年5月14日発表:国内初、自律船フレームワークの船級認証を取得 2019年9月30日発表:世界初、有人自律運航船に向けた自動運航の実証実験に成功 2019年6月6日発表:自律運航船コンソーシアム「One Sea」に参画 2019年3月12日発表:着岸事故リスクを見える化
2021年09月08日 24時間自動で全ての物標を認識可能、更なる安全運航を目指して 日本郵船株式会社株式会社MTI 日本郵船株式会社(以下、日本郵船)及び株式会社MTI(以下MTI)は、イスラエルのORCA AI LTD.(オルカ エーアイ株式社、以下、ORCA AI社 注1)が開発した船舶の見張り業務をサポートする「船舶自動物標認識システム」(以下、同システム)の試作品1基を日本郵船グループ運航船に試験搭載し、本日9月8日から検証を開始いたしました。 船員の目視による見張り業務の現状 航行中、危険な物標や他の船舶との衝突を避けるために、航海士による双眼鏡を用いた目視や、レーダー等の航海計器を用いて危険物標を認識し、針路変更などの意思決定をしています。今回、新システムを用いて物標認識作業を自動化する事で、本船運航の安全性の向上可否を検証するため、試験搭載することとなりました。同システムでは特に夜間や輻輳海域(ふくそう海域、注2)において、人の目だけでは見落としてしまうような危険な物標や他の船舶を自動で認識する事が可能です。 船舶自動物標認識技術の現状 物標認識技術は、既に映像解析による自動識別の研究が進められており、これまでも映像の取得ができれば自動認識は可能でしたが、船舶の場合、動揺・振動し、風雨にさらされる特殊な環境の中、昼夜問わず撮影可能なカメラや、撮影した画像から物標までの距離計測を一定の精度で行えるシステムはありませんでした。 新システムの概要 同システムは昼夜を問わず撮影が可能なカメラユニットを利用して船舶や物標を自動で認識、物標までの距離を計測し、レーダーやAIS等の航海計器から取得した船名や他の船舶と最も近づく際の距離や時間等の情報を重ねて、付属のタブレット又はタッチパネル式のモニターディスプレイ上で統合表示する事が可能です。加えて、レーダーでは捕捉されず、AISも搭載していない小型漁船や小物標についても、同システムで独自に認識、距離計測して衝突の危険性を当直者に知らせる機能を持つ、画期的なシステムです。さらに、同システムでは船上で撮影された映像に対して、ORCA AI社のサーバー上で人工知能(AI)を用いて画像を解析、機械学習を実施後、遠隔で船上ソフトウェアを更新することで、利用しながら認識率等の性能が向上する仕組みになっています。また撮影した映像だけではなく、航海計器の情報もORCA AI社のサーバー上に送られ、映像データと併せて表示させることで、例えば本船の動静監視や状況確認のための陸上オフィスでの二次利用も可能となっています。 搭載するカメラユニット及びタブレット上のデモ画面 日中:可視カメラを用いた映像 夜間:赤外線カメラを用いた映像 夜間においても日中と同様に船舶及び物標の自動識別が可能になり、24時間を通して映像解析が可能になりました。 カメラユニットの概要 ・サイズ:高さ18cm、幅44cm、長さ35㎝・重量:12kg・画角:120度・可視光カメラ3個と赤外線カメラ3個を装備・夜間の撮影が可能・表示部にタブレットもしくはタッチパネル式ディスプレイの選択可能 今回の検証について 今回の検証では、NYKグループ運航船に同システムを搭載し、試験使用する事で、検知能力の確認、見張り業務への寄与度、データ収集及び機械学習による物標検知アルゴリズムの改善、認識率の向上を検証します。また、日本郵船およびMTIがORCA AI社と先行して実施している共同研究では、内航の船舶に同システムを搭載し、日本近海の情報収集、日本特有の形状をした漁船や漁具・ブイの認識率向上を図り、将来的な自律運航技術への活用についても研究を進めています。 日本郵船及びMTIは、「NYKグループ ESGストーリー」(注3)に基づき、事業を通じてSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献や社会課題の解決を図り、新たな価値を創造する取り組みを進めています。今回の船舶自動物標認識システムの検証のように最新のデジタル技術の導入し安全運航の成就を目指す活動もその一環となります。ESG経営を力強く推し進めるべく「Sustainable Solution Provider」として新たな価値創造を推進してまいります。 各社概要 【日本郵船株式会社】本社:東京都千代田区丸の内二丁目3番2号設立年:1885年9月代表者:代表取締役社長 長澤仁志HP:http://www.nyk.com 【株式会社MTI】本社:東京都千代田区丸の内二丁目3番2号設立年:2004年4月代表者:代表取締役社長 石塚一夫HP:https://www.monohakobi.com/ja/ (注1)ORCA AI LTD.本社:イスラエル テルアビブ設立年:2018年代表者:CHIEF EXECUTIVE OFFICER, Yarden Gross (最高経営責任者,ヤーデン グロス)HP:https://www.orca-ai.io/ (注2)輻輳海域(ふくそう海域)東京湾、伊勢湾、瀬戸内海のような船舶交通が非常に多い海域 (注3) NYKグループ ESGストーリー当社グループにおいて、ESGを経営戦略に統合するための考え方と具体的な取り組みを明示する指針。詳細は以下プレスリリースよりご覧いただけます。 「NYKグループ ESGストーリー」を発表 関連リリース 2020年12月10日発表:AIを活用した避航操船研究の実船試験を実施 2020年12月4日発表:タグボートを使用した2度目の遠隔操船実船試験を実施 2020年5月20日発表:タグボートを使用した遠隔操船実船試験に成功 2020年5月14日発表:国内初、自律船フレームワークの船級認証を取得 2019年9月30日発表:世界初、有人自律運航船に向けた自動運航の実証実験に成功 2019年6月6日発表:自律運航船コンソーシアム「One Sea」に参画 2019年3月12日発表:着岸事故リスクを見える化