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クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド/2021年前期 日本物流施設「マーケットビート」レポート発行

物流不動産・施設 2023.06.17

2021年前期 日本物流施設「マーケットビート」レポート発行

Yuko Okayasu • 3/08/2021
グローバル不動産総合サービスのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町)は、2021年前期 日本物流施設「マーケットビート」レポートを発行しました。このレポートは、半期ごとに市場のパターンを分析しながら、来期の市場パフォーマンスを予測しています。主な調査結果は次の通りです。

ワクチン普及による主要国の貿易回復が顕著に
2021年第1四半期の輸出額は19兆1960億円となり、前年同期比6%増となった。中国向けの半導体やプラスチックが好調だった他、アメリカおよびEU向けの自動車や自動車部品も3月以降増加に転じている。1月・4月に発令された2度の緊急事態宣言で入国制限措置が継続しており、国際移動は今だ厳しい状況にある。海上輸送は需要は堅調ではあるものの、引き続き世界的コンテナ不足に起因する遅延および運賃高騰が起きている。航空輸送は船からの貨物流入もあり堅調で、国際航空の貨物輸送量は3月の速報値で前年同期比21.2%増、4か月連続の2桁成長となった。主要国において新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことによって貿易回復が顕著な結果となった。

3大都市圏の外に広がる新規供給
Eコマースは生活インフラとしての浸透が更に進み、それに付随した物流施設需要も堅調に推移している。経済産業省の発表では2019年時点で既にスマートフォン経由の市場規模が全体の42.4%と半数に迫っており、コロナ禍でSNSのライブ配信を通じたライブコマースの拡大も追い風となる中、オンライン上の消費行動の間口が大きく広がっている。より消費地に近い国道16号線沿線のプライム賃料は、新規供給の影響により前年同期比2.2%成長の4,600円となった。また、今期は栃木県宇都宮市、富山県射水市、静岡県掛川市など、大都市圏外縁部や地方都市での竣工が目立った。スピーディな小口配送需要に起因する物流の広域化・複雑化などへの対応が期待されている。関東および大阪内陸エリアでは引き続き需要が旺盛で供給が後追いとなっている。

まちづくりを担う大型物流施設
東京湾岸の千葉県船橋市では、6月に三井不動産のMFLP船橋Ⅲが竣工し、3棟の物流施設から成る総延床面積約70万㎡の「MFLP船橋」が8年越しに完成した。「街づくり型ロジスティクスパーク」と位置付けられた同プロジェクトは、総面積約18万4,000㎡の敷地内にアイススケートリンクや約2万㎡の緑地空間が設けられ、隣接する「IKEA Tokyo-Bay」や同社運営の商業施設「ららぽーとTOKYO-BAY」と一体化した地域の賑わいを形成している。プロロジスの愛知県東海市の開発や日本GLPの大阪市東住吉区の開発等でも、敷地内に緑地を設ける等、区域内の公園やスポーツ施設、商業施設と一体感のある計画となっている。最新鋭の設備が充実した大型物流施設は、拡大する配送需要の中で安定した雇用をもたらすだけでなく、災害時の一時防災拠点としての役割も担う等、自治体にとっても地域の新興と安全に大きく貢献する重要施設としての位置づけとなりつつある。大阪市中心部では、等価交換方式によってSOSiLA大阪の物流施設開発が行われるなど、物流投資家による市街地の新陳代謝を促す動きもみられる。

鶴岡一志(シニア・マネージャー、ロジスティクス・アンド・インダストリアルサービス、ジャパン)は次のように述べています。
「コロナの影響は若干あるものの、これまで同様、比較的堅調に推移しており、首都圏の空室状況が非常にタイトである点も変化がありません。引き続き、市況をウォッチする必要があると考えています。」

-以上-

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