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川崎汽船/212億8600万円の営業損失も894億9800万円の経常利益を計上(2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
単位・百万円  

       売上高     営業利益   経常利益 当期純利益

2021年3月期 625,486 △14.9  △21,286 -  89,498 -  108,695 -

2020年3月期 735,284 △12.1  6,840 -    7,407 -  5,269 -

(注)包括利益 2021年3月期 119,956百万円(-%) 2020年3月期 △12,865百万円 (-%)

(略)

イ.当期の経営成績(略)

当期の連結売上高は6,254億86百万円(前期比1,097億98百万円の減少)、営業損失は212億86百 万円(前期は68億40百万円の営業利益)、経常利益は894億98百万円(前期比820億90百万円の増 加)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,086億95百万円(前期比1,034億26百万円の増加)と なりました。 なお、当社の持分法適用会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(以下、「ONE社」とい う。)の業績好調などにより、持分法による投資利益として1,181億65百万円を計上しました。う ち、ONE社からの持分法による投資利益計上額は累計期間1,192億71百万円、当第4四半期連結会 計期間においては673億25百万円となります。  

セグメントごとの業績概況は次のとおりです。(略)

① ドライバルクセグメント

[ドライバルク事業]

大型船市況は、期初には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、「新型コロナウイル ス感染症」という。)拡大による経済活動の停滞と、産地の天候不順による出荷の減少が重なり 市況が著しく低迷しましたが、期央には中国向け貨物の輸送需要回復に伴い上昇する場面も見ら れました。下半期には主要国の経済活動の回復、中国の活発な粗鋼生産により振れ幅を伴いなが らも市況は概ね堅調に推移しました。 中・小型船市況は、期初には新型コロナウイルス感染症拡大により世界的に荷動きが停滞しま したが、中国の経済活動再開、ブラジル出し中国向け穀物の堅調な輸送需要等により、期央にか けて回復しました。下半期には米国出し中国向けの活発な穀物輸送に加え、中国の寒波による石 炭輸入需要の高まりなどにより、中・小型船の船腹供給が引き締まり、市況は堅調に推移しまし た。 以上の結果、ドライバルクセグメント全体では、運航コストの削減や船隊規模適正化の実施、 運賃先物取引(FFA)を利用した市況変動リスクのヘッジなどに努めましたが、特に上半期での市 況低迷による影響により、前期比で減収となり、損失を計上しました。

② エネルギー資源セグメント

[油槽船事業・電力炭船事業]

大型原油船、LPG船及び電力炭船は中長期の傭船契約のもとで順調に稼働し、安定的に収益に貢 献しました。 [液化天然ガス輸送船事業・海洋資源開発事業] LNG船及びFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)は中長期の傭船契約のもとで順調に稼働 し、安定的に収益に貢献しました。 ドリルシップ(海洋掘削船)については、期中は中長期の傭船契約のもと順調に稼働し収益に 貢献したものの、2022年の現行傭船契約満了後の市況予想を踏まえた結果、最終的に損失となり ました。 オフショア支援船においては、上半期は油価下落の影響により海洋資源開発が停滞し市況が悪 化、下半期の油価回復後も、市況低迷が継続しました。 以上の結果、エネルギー資源セグメント全体では、前期比で減収減益となりました。

(略)

③ 製品物流セグメント

[自動車船事業]

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、世界的な販売の低迷、各国工場での生産停止などに より、上半期は海上輸送需要が減少しました。下半期の輸送需要は回復しました。また、停船や サービスの一時的な見直し、船隊規模適正化によるコスト削減などの対応を実施したものの、前 期比で減収となり、損失を計上しました。 [物流事業] 国内物流事業は、世界的なコンテナ海上輸送の需要増加によりコンテナターミナルの取扱量は 回復しました。曳船事業では引き続き鋼材や製紙原料の需要減退により作業が減少しました。倉 庫事業は継続して堅調に推移しました。 国際物流事業は、海上輸送の混雑による海上貨物から航空貨物へのシフトにより、航空フォワ ーディング事業の荷動きが改善しました。eコマース関連貨物の荷動きについては、新型コロナウ イルス感染症拡大の影響による巣ごもり需要を受け引き続き堅調に推移しました。

[近海・内航事業]

近海事業は、鋼材輸送では、上半期は鉄鋼メーカーの減産の影響もあり、鉄鋼製品の出荷量が 減少しましたが、下半期は需要が大幅に回復し、当期輸送量は前期並みとなりました。木材輸送 では、輸入合板の輸送量は需要低迷により、前期を下回ったものの、再生可能エネルギーとして 需要が増加しているバイオマス発電用燃料の輸送量は前期を大幅に上回りました。バルク輸送で は、主要貨物であるロシア炭の国内需要が減少したことなどにより輸送量は前期を大幅に下回り ました。 内航事業は、定期船輸送では、製紙関連や自動車関連の主要貨物が減少するなか、食品貨物な どの取り込みを図りましたが、輸送量は前期を下回りました。フェリー事業では、新型コロナウ イルス感染症拡大の影響から旅客と乗用車の輸送量が前期を大幅に下回りました。不定期船輸送 では、貨物輸送需要の減退により、石灰石・石炭の各専用船や一般貨物船ともに稼働は前期を下 回りました。 以上の結果、近海・内航事業では、前期を下回る輸送量になりました。

[港湾事業]

国内ターミナルでは、北米航路は荷動きが堅調に推移、下半期はアジア航路でも回復傾向とな ったことで、前期比で取扱量が増加しました。

海外ターミナルでは、北米西岸の自営ターミナルINTERNATIONAL TRANSPORTATION SERVICE, INC. (以下、「ITS社」という。)において、米国の巣ごもり需要によりアジア発北米向け荷動きが夏 場以降急増し、コンテナ取扱量は好調に推移しました。更に2020年9月から新規ユーザーを誘致 したことにより、黒字に転換しました。 なお、ITS社については、2020年12月に、Macquarie Infrastructure and Real Assetsが運営す るインフラ投資ファンドであるMIP V BidCo, LLCへの譲渡が完了しました。

[コンテナ船事業]

ONE社は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるグローバルでの荷動き減少を受け機動的 な配船見直しや運航効率の改善などの施策を実施したことで、上半期の積高は前年同期比で減少 しましたが、業績は改善しました。第3四半期においては、北米航路を中心として運賃及び消席 率が順調に推移すると同時に、医療関連貨物や消費財の需要が例年を上回る規模で回復したこと により、輸送スペースやコンテナの不足、ターミナルや内陸輸送の混雑などサプライチェーンの 混乱が発生し、輸送需要が想定を超えてひっ迫する事態となりました。第4四半期においては、 北米航路に加え、欧州航路を始めとする全航路において需要がひっ迫したことで、ONE社では臨時 船の投入やオペレーションの改善による混乱改善に向けた取組みを継続しながらも、短期市況の 高騰を受けて運賃が高水準で推移したことで、業績は前期比で大幅な改善となりました。 以上の結果、製品物流セグメント全体では、前期比で減収となりましたが、黒字に転換しまし た。

④ その他

その他には、船舶管理業、旅行代理店業、及び不動産賃貸・管理業等が含まれており、当期業 績は前期比で減収減益となりました。

ロ.今後の見通し

次期の業績につきましては、売上高5,700億円、営業利益0億円、経常利益450億円、親会社株 主に帰属する当期純利益350億円を見込んでいます。

(略)

ドライバルクセグメントでは、各国における経済支援政策、新型コロナウイルス感染症拡大の 抑制策により、世界経済の回復基調が続くことが期待されることに加え、新造船竣工量が限定的 であることや環境規制施行に伴う解撤船の増加により、船腹需給は引き締まると予想されます。 ドライバルク市況は堅調に推移していく見通しで、2021年度通期連結業績も改善に向かう見込み です。一方で、新型コロナウイルス感染症の経済活動への影響は依然として懸念が残るため、輸 送需要の総量変化には注視していきます。ドライバルクセグメントでは、引き続き運航効率の改 善とコスト削減等の収支改善策に取り組むとともに、強みである高い輸送品質を生かした営業活 動を積極的に行い、中長期契約の上積みによる安定収益拡充に努めます。 エネルギー資源セグメントでは、大型原油船、LPG船、電力炭船、LNG船、ドリルシップ(海洋 掘削船)及びFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)において、中長期の傭船契約のもとで 安定収益の確保に努めます。オフショア支援船においては、引き続きコスト削減などに取り組み 収支の改善に努めます。 製品物流セグメントでは、自動車船事業においては、世界自動車販売市場は、2020年度の新型 コロナウイルス感染症の影響からの大きな回復を継続する見通しです。一方、足元では半導体不足による生産への影響が懸念されるものの、2020年度来取り組んできた船隊規模適正化、航路網 再編の取組みなどによる運航効率の向上により、2021年度は黒字化を見込みます。物流事業にお いては、国内物流事業では、コンテナ海上輸送の堅調な荷動きがしばらくは継続するとの見通し により、コンテナターミナル取扱量は堅調に推移すると考えています。一方、曳船事業では現時 点で需要減退傾向が見られていますが、下半期に向けて徐々に回復していくと予想されます。国 際物流事業では、自動車産業の荷動きは継続して回復傾向が続く見込みです。航空フォワーディ ング事業では、海上輸送の混雑による海上貨物から航空貨物へのシフトにより、引き続き荷動き は回復基調で推移すると予想されます。コンテナ船事業においては、世界経済の回復基調が期待 される一方で、新型コロナウイルス感染症の収束時期の予想は未だ困難であることから、不透明 な状況が続くものと思われます。2020年度からの旺盛な荷動き、それに伴うサプライチェーンの 混乱及び輸送需要のひっ迫が続いている状況でありますが、ONE社としては引き続き混乱回避を目 的とした臨時船の投入、新造コンテナ機器の投入といった対策を積極的に実施しています。

(略)

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