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日本郵船/売上高は前年比3・6%減、経常利益は前年比384%増(2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

2021年3月期  決算短信〔日本基準〕(連結)
単位・百万円  

       売上高     営業利益   経常利益   当期純利益

2021年3月期 1,608,414 △3.6  71,537 84.9  215,336 384.0  139,228 347.2

2020年3月期 1,668,355 △8.8  38,696 249.1  44,486 -    31,129 -

(注)包括利益 2021年3月期 178,212百万円 (-%) 2020年3月期 △11,216百万円 (-%)

(略)

(1)当期の経営成績の概況(略)

(概況)

当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大が世界経済に影響を及ぼす中、第1四半期におい ては、当社の各事業で前年同期比荷動きが減少しました。第2四半期以降は想定以上に需要が回復し、 特に定期船事業、航空運送事業及び物流事業における旺盛な荷況に支えられ、当社の業績は好調に推移 しました。 コンテナ船部門では、医療関連物資や巣ごもり需要による消費財の需要が増加したことにより旺盛な輸 送需要が継続しました。航空運送事業と物流事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により国 際旅客便の運航数は想定を下回り、需給が逼迫しました。また海上輸送の混乱から航空輸送に切り替え られた貨物も一部見受けられました。ドライバルク輸送部門では、鉄鉱石・穀物の堅調な荷動きに伴 い、第4四半期に市況は高い水準で推移したものの、年初に低迷した市況が尾を引きました。エネルギ ー輸送部門では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりエネルギー需要が後退し、需給バランス が崩れたことから市況は不安定な動きとなりました。燃料油価格は前期比較下落しました。 このような環境下、定期船事業では、OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD. (“ONE社”)は積高・消席率 が高い水準で推移する中、港湾・内陸部での混雑に伴うスケジュール遅延やコンテナ不足等の課題解 消・安定化に努めました。不定期専用船事業では、中期経営計画の施策であるドライバルク輸送部門の 構造改革を更に進め、自動車輸送部門では配船の工夫等による効率運航に取り組みました。エネルギー 輸送部門では、第4四半期にドリルシップの契約更改に伴い損失を計上しましたが、LNG船を中心に中 長期の安定契約に支えられ、堅調に推移しました。 これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高1兆6,084億円、営業利益715億円、経常 利益2,153億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,392億円となり、大幅な増益となりました。なお、 当社持分法適用会社ONE社の損益改善等により、営業外収益で持分法による投資利益として1,559億円を 計上しました。うち、同社からの持分法による投資利益計上額は当連結会計年度において1,400億円、 第4四半期連結会計期間では744億円となります。

<セグメント別概況>(略)

<定期船事業>

コンテナ船部門では、ONE社は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、第1四半期は前年同期比 で積高が大きく減少しました。その後、第2四半期にかけて北米航路を中心にロックダウン解除以降急 速に需要が回復し、積高は前年並みまで回復した後、例年のピークシーズンを迎え運賃及び消席率は上 昇しました。また第3四半期には需要はさらに増加し、昨年を上回る水準まで回復しました。加えて、 新型コロナウイルス感染症再拡大による活動制限により労働力不足が生じ、荷役効率の低下や港湾混雑 が発生しました。これらによるスケジュール遅延も影響し輸送スペースが不足、さらにはコンテナバン の滞留による不足も需給逼迫に拍車を掛けました。第4四半期も中国旧正月による貨物量減少の影響は 限定的で、北米の港湾混雑も継続したことから、運賃及び消席率は前年を上回る水準となりました。こ のような状況下でONE社は臨時便の運航やコンテナの追加調達等を実施し、スケジュール遅延を最小限 とし、輸送スペースを最大限提供できるよう課題の解消に努めました。 国内ターミナルは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により取扱量が減少しましたが、第3四半期 より取扱量は回復しました。海外ターミナルではアジア域内は前期比取扱量が減少した一方、北米地域 は当連結事業会計年度後半から取扱量が反転して増加しました。 以上の結果、定期船事業全体では前期比減収となりましたが、業績は大幅に改善し増益となりました。

<航空運送事業>

航空運送事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国際旅客便の減便・運休が継続し、 航空貨物輸送スペースの供給が大きく減少しました。この状況下、第3四半期からは自動車部品及び半 導体・電子機器を中心に荷動きが回復、需給が急速に引き締まり、貨物搭載率・運賃ともに高い水準で 推移しました。またコンテナ船の輸送スペース不足による影響で、海上貨物の一部が航空輸送に切り替 わったことも追い風となりました。 以上の結果、前期比で業績は大きく改善し、利益を計上しました。

<物流事業>

航空貨物取扱事業は、国際旅客便の大幅な減便・運休による供給スペースの減少及び海上貨物の航空輸 送への切り替えにより、取扱高が増加しました。海上貨物取扱事業は、仕入価格が高騰したものの、経 済活動の再開に合わせて取扱量は復調しました。ロジスティクス事業は、巣ごもり需要により、eCommerce関連を中心に荷量が増加しました。内航輸送事業は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受 け、取扱量は減少しました。 以上の結果、物流事業全体では前期比増収増益となりました。 <不定期専用船事業> 自動車輸送部門では、前年同期比で上期に大きく減少した完成車の海上輸送台数が徐々に回復する中、 配船の工夫等によるコスト削減に取り組みました。また当面の温暖化ガス抑制策として本邦初のLNG燃 料自動車専用船が10月に稼働を開始し、後続するLNG燃料新造船竣工に向けて安全性と品質向上の知見 蓄積に努めました。自動車物流も、国・地域ごとに需給バランスに差がある中、中国・ロシア・インド をはじめとして各国でコスト削減や事業合理化を進める一方、エジプト・トルコでの完成車ターミナル 建設や開業に向けたトライアル、中国-中央アジア間の鉄道貨物輸送実現に向けた検討等、事業ポート フォリオ再編を進めました。ドライバルク輸送部門では、ケープサイズは、第4四半期は鉄鉱石の荷動 きの回復や中国での寒波に伴う滞船増加により船腹需給が引き締まったものの、市況への影響度が大き いブラジル出しの鉄鉱石の出荷が昨年初めの雨期の長期化で低迷したこと等により、第3四半期までの 市況は前年同期を下回り、収支に大きく影響を与えました。パナマックスは、第3四半期から米国出し 中国向けの大豆・コーンの荷動きが堅調に推移し、中国での感染防止の水際対策による滞船や南米出し 大豆の活発な荷動き等の要因もあり、船腹需給が引き締まりましたが、年前半の市況低迷が収支を押し 下げました。このような環境下、市況変動による収支影響を抑えるために先物取引を用い収入を固定化 するほか、長期契約獲得による収入の安定化と効率的な運航によるコスト削減に努めました。また、第 2四半期と第3四半期に構造改革を実施し、将来発生が見込まれる費用を特別損失として計上しまし た。 エネルギー輸送部門では、新型コロナウイルス感染症拡大による影響でエネルギー需要が後退し、原油 価格が大きく下落、その後貯蔵目的での船腹需要が高まりVLCC(大型タンカー)と石油製品タンカーの 市況は一時高騰したものの、産油国による協調減産や原油価格持ち直しの影響を受け次第に沈静化、第 2四半期以降は需給が緩み低迷しました。また洋上備蓄を取り崩す動きも相まって船腹供給が増加、需 給バランスはさらに悪化し、第4四半期以降の市況は歴史的な低迷となりました。VLGC(大型LPGタンカ ー)については、第1四半期は船腹需要の減少により市況が一時低迷した後、第2四半期以降ドック入 渠や滞船日数の増加等による船腹供給の減少と北米出し荷量増加によるトンマイル延伸、パナマ運河で の滞船により好市況となりましたが、第4四半期では急速に下落しました。LNG船は安定的な収益を生 む長期契約に支えられて順調に推移しました。また海洋事業はFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積 出設備)が順調に稼働した一方、ドリルシップは契約更改に伴う損失を第4四半期に計上しました。 以上の結果、不定期専用船事業全体で前期比減収減益となりました。

<不動産業、その他の事業>

不動産業は堅調に推移し、売上高、経常利益ともにほぼ前年同期並みとなりました。 その他の事業では、燃料油販売や化学製品製造販売事業は前期比で低調に推移しました。また、新型コ ロナウイルス感染症拡大による顧客需要の減退や工期遅延等により、技術サービス業や船用品販売等が 影響を受けました。客船事業は、同感染症拡大の予防措置として上期は中止していたクルーズを昨年11 月から再開しましたが、1月の定期的な入渠等を挟み、3月27日からの運航再開となりました。 以上の結果、その他の事業全体では、前期比減収減益となりました。

(略)

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