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日本通運/売上高は前年比0・1%減、経常利益は前年比41・5%増(2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
単位・百万円  

        売上高    営業利益   経常利益    当期純利益

2021年3月期 2,079,195 △0.1  78,100 31.9   81,276 41.5   56,102 222.3

2020年3月期 2,080,352 △2.7  59,224 △25.6  57,434 △33.1  17,409 △64.7

(注) 包括利益 2021年3月期 69,369百万円( 208.3 %) 2020年3月期 22,501百万円( △43.0%)

(略)

(1)当期の経営成績の概況

当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症とその抑制のための制限措置により歴 史的な落ち込みとなりましたが、段階的な経済活動の再開と、各国政府の景気刺激策等の効果もあ り、第2四半期より持ち直しの動きを見せ、「第2波」「第3波」の感染再拡大の中でも、米国、中 国等の主要国経済が牽引する形で緩やかな回復基調に転じました。一方で、新たな生活様式や巣籠 もり需要が生まれながらも、先行き不透明な状況の中、個人消費や企業の生産活動や投資は落ち込 み、総じて厳しい経営環境となりました。 このような経済情勢の中、物流業界におきましても、サプライチェーンの寸断等で大きく落ち込 んだ荷動きは、日本を含む世界各国における生産・販売活動の段階的な再開により持ち直しの動き に転じ、5Gへの移行等による半導体需要の急速な回復等、一部商材においては特に堅調な荷動き となり、米国、中国が牽引する形で国際貿易も回復に転じました。また、新たな生活様式に伴うE Cやデジタル関連商材等の需要が年度を通じて堅調に推移いたしました。しかし、依然として新型 コロナウイルス感染症の影響は色濃く、日用品や生産用機械等の設備関連貨物の荷動きは鈍く、自 動車産業等の回復に向かう一部業種においてもコロナ以前の水準には至らず、総じて低調な荷動き に推移いたしました。 一方で、コロナ禍においても日本国内ではサプライチェーンの見直しやEC需要を背景に倉庫需 要は旺盛であり、トラックドライバー不足も慢性化しております。また、国際輸送においては、夏 場にかけて減便していたコンテナ船が、世界的な荷動きの急回復により復便したものの、本船スペ ース、空コンテナ不足により需給が逼迫いたしました。航空貨物輸送においても、国際旅客便の運 休が継続したことで慢性的なスペース不足となりました。 日本通運グループは、このような経営環境のもと、2019年4月にスタートいたしました5年間の経 営計画「日通グループ経営計画2023~ 非連続な成長”Dynamic Growth”~」における2年目と なり、長期ビジョン実現に向けた変革の第一歩として位置付け、「事業の成長戦略」「長期ビジョ ン実現のための取組み」に掲げる施策に取り組んでまいりました。

[事業の成長戦略]

 「コア事業の成長戦略」における「顧客(産業)軸」につきましては、医薬品事業の立ち上 げや半導体産業へ提案強化等の重点5産業への取組みを加速するとともに、非日系企業への取 組みを強化いたしました。  

「事業軸」につきましては、航空チャーター輸送の拡大によりコロナ禍においてもお客様の サプライチェーン維持の貢献に努めるとともに、グローバルNVOCCセンターの設立による 購買等の海運事業の基盤高度化に加え、倉庫を起点としたロジスティクス等への取組みを強化 いたしました。コロナ禍におけるサプライチェーンの見直しやEC需要を背景に各産業、業種 向け倉庫、配送を中心としたロジスティクスは好調に推移いたしましたが、コロナ禍における 生産や国際貿易の影響により低迷した貨物輸送需要は年度の後半に向け徐々に回復に向かう も、取扱数量は総じて低調に推移いたしました。

「エリア軸」につきましては、米国において医薬品物流ネットワークに強みを持つMD Logistics,Inc.及びMD Express,Inc.をグループ会社化するとともに、各国の物流拠点におい てGDP認証取得を進めるなど、グローバルな医薬品物流ネットワーク構築に取り組みまし た。また、中国において新たな拠点開設を進めることで国内物流を強化するとともに、中欧鉄 道のサービス拡大によるお客様のグローバルサプライチェーンの維持、貢献に努めてまいりま した。 「日本事業の強靭化戦略」につきましては、当社グループ事業の核となる日本国内物流事業 の収益性の更なる改善とコロナ禍における経営基盤の強化に向け、オフィス業務や倉庫事業の 効率化やグループ戦力活用による外注費の削減に加え、間接部門人員の更なる再配置を進めて まいりました。また、フェリー事業の譲渡、旅行事業や自動車学校事業からの撤退など事業の 選択と集中も進めてまいりました。

[長期ビジョン実現のための取組み]  

「取組みを支える機能の強化」における「IT戦略のイノベーション」では、情報セキュリ ティ強化や事務生産性向上に貢献するRPA普及に向けた取組みに加え、コロナ禍におけるニ ューノーマルへ対応するコミュニケーション基盤の見直しを推進いたしました。  

「持続的成長と企業価値向上のためのESG経営の確立」におきましては、CO2排出量削 減にこだわる「E:環境」では、自社施設等における再生可能エネルギー利用等の促進、モー ダルシフトの推進及び鉄道・海上輸送等の複合輸送商品の造成に取組みました。また、社員が 幸せを感じる企業への変革を目指す「S:社会」では、多様な人材が活躍する組織づくりに加 え、人事制度等各種改革や長時間労働の撲滅に取組むとともに、コロナ禍における社員の健康 や安全の確保に注力してまいりました。持続的な企業価値向上を支える「G:ガバナンス」で は、不動産資産の流動化をはじめとする資産の圧縮や事業ポートフォリオの見直し等による資 本効率向上への取組みに加え、グループ経営体制の強化に向けた各種検討を進めてまいりまし た。 この結果、売上高は2兆791億円と前連結会計年度に比べ11億円、0.1%の減収となりましたが、営 業利益は781億円と前連結会計年度に比べ188億円、31.9%の増益、経常利益は812億円と前連結会 計年度に比べ238億円、41.5%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は561億円と前連結会計年 度に比べ386億円、222.3%の増益となりました。 セグメント別の業績概況は、以下のとおりとなっております。

① 日本(ロジスティクス)

航空貨物の取扱数量は増加しましたが、自動車運送の取扱減少等により、売上高は1兆2,128億 円と前連結会計年度に比べ7億円、0.1%の減収となりました。一方、航空貨物の取扱数量の増加 や燃油単価の減少等により、営業利益は519億円と前連結会計年度に比べ91億円、21.3%の増益と なりました。

② 米州(ロジスティクス)

航空貨物の取扱数量減少等により、売上高は781億円と前連結会計年度に比べ129億円、14.2% の減収となり、営業利益は4億円と前連結会計年度に比べ23億円、82.6%の減益となりました。

③ 欧州(ロジスティクス)

倉庫配送及び自動車配送の取扱減少等により、売上高は1,171億円と前連結会計年度に比べ22億 円、1.8%の減収となりましたが、各種コスト削減等の効果により営業利益は34億円と前連結会計 年度に比べ16億円、91.5%の増益となりました。

④ 東アジア(ロジスティクス)

航空貨物のチャーター輸送増加等により、売上高は1,436億円と前連結会計年度に比べ316億円、 28.2%の増収となり、営業利益は84億円と前連結会計年度に比べ54億円、182.2%の増益となりま した。

⑤ 南アジア・オセアニア(ロジスティクス)

航空貨物のチャーター輸送増加等により、売上高は1,147億円と前連結会計年度に比べ246億円、 27.3%の増収となり、営業利益は98億円と前連結会計年度に比べ67億円、213.1%の増益となりま した。

⑥ 警備輸送

設定便、集配金業務の減少等により、売上高は692億円と前連結会計年度に比べ33億円、4.6% の減収となり、営業損失は9億円となりましたが、各種コスト削減等の効果により前連結会計年度 に比べ1億円の増益となりました。

⑦ 重量品建設

国内における風力発電関係輸送の取扱が減少したこと等により、売上高は458億円と前連結会計 年度に比べ64億円、12.4%の減収となり、営業利益は52億円と前連結会計年度に比べ9億円、15.7 %の減益となりました。

⑧ 物流サポート

石油販売単価が低下したこと及び輸出梱包業務の取扱が減少したこと等により、売上高は4,478 億円と前連結会計年度に比べ233億円、5.0%の減収となりましたが、各種コスト削減等の効果に より営業利益は136億円と前連結会計年度に比べ12億円、10.4%の増益となりました。

(略)

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