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川崎汽船/ノキアと協業し海運DX分野での実証実験を開始

物流システム 2023.06.17

ノキアと協業し海運DX分野での実証実験を開始

~高速通信ネットワークを活用した安全、品質の向上を加速~

川崎汽船株式会社(本社東京千代田区、代表取締役社長 明珍幸一、以下 川崎汽船)は、ノ キアソリューションズ&ネットワークス合同会社(本社東京都港区、代表執行役員 ジョン・ラ ンカスターレノックス社長、以下 ノキア)が提案する海運DXソリューションの一環として、本 日、今治造船グループの多度津造船株式会社で竣工したLNG燃料自動車船”CENTURY HIGHWAY GREEN”に、通常の衛星通信システムに加え、LTE回線を用いたIP/MPLSソリュー ションを導入することを決定しました。十分な通信速度と高度な暗号化通信を両立させたFAN (Field Area Network)環境を船陸間で実現させることにより、国内外の寄港地において様々な デジタル技術を活用し、船内業務を高度化してまいります。

1.川崎汽船の狙い

通常、一般商船の通信は衛星を介して行われますが、衛星通信の通信速度は陸上通信に比べ て10年遅れていると言われ、船へのデジタル技術導入のボトルネックの一つとなっています。 4G/LTE通信インフラを導入することにより、着岸中は従来よりも大容量の通信利用が可能と なり、陸上と同じレベルで先進的なデジタル技術を活用した現場作業、安全管理の向上や技 能・技術の共有が可能となります。今後、船内作業・荷役状況を陸上オフィスから視認し、遠 隔で支援する等の取り組みを通じ、荷役や船内作業の安全、効率のさらなる向上を目指してま いります。

2.ノキアのソリューション

ノキアが今回提供する産業用通信ソリューションは、Nokia 7705 SAR-Hm(産業用 LTE ルー ター、船舶に設置)、及び Nokia 7705 SAR-8(同ヘッドエンド装置、陸側オフィスに設置)に より構成されます。すべてのデータは NGE (Network Group Encryption)と呼ばれる暗号技術 によって保護されます。この特殊な暗号技術は、MPLS 層でより少ないオーバーヘッドで実装 され、マルチサービスに対応し、LTE リンク性能を劣化させることなく高いレベルのセキュリ ティとサービス品質を保証します。このソリューションは、海外の鉱山採掘現場、電力網、港 湾等での実績がありますが、日本では今回が初導入となります。

川崎汽船は昨年8月に発表した経営計画において、戦略的成長分野への取り組みとして、業界 トップクラスの安全かつ環境負荷低減に資する高品質な輸送サービスの提供することを掲げて おります。DXはそのための重要手段と認識し、今回はそのための基盤整備として船陸間の通信 インフラ高度化を決定しました。今回の設備を導入することで、先進的なデジタル技術の開 発・活用を加速させ、より安全で高品質な輸送サービスを追求します。

<参考リンク>

2021年3月12日付発表: 次世代型環境対応LNG燃料自動車専用船

“CENTURY HIGHWAY GREEN”が竣工

https://www.kline.co.jp/ja/news/car/car-413586458126020327/main/0/link/210312JA1.pdf

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