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ヤマトホールディングス/経常利益は前年比94・6%増(2021年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結))

決算短信 2023.06.17

2021年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
単位・百万円  

            営業収益  営業利益    経常利益   当期純利益

2021年3月期第3四半期 1,295,676 3.0  89,747 79.2   91,130 94.6   56,870 81.1

2020年3月期第3四半期 1,257,724 0.0  50,077 △32.6  46,830 △36.4  31,406 △27.3

(注)包括利益 2021年3月期第3四半期  62,108百万円 (91.7%) 2020年3月期第3四半期  32,405百万円 (△21.5%)

(略)

(1)経営成績に関する説明

当第3四半期における経済環境は、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響で停滞していた経済活動が再開した ことに伴い、製造業を中心に景況感の改善がみられたものの、今後の感染状況や収束時期が不透明な中、国内外にお いて感染が拡大傾向にあるなど、依然として内外経済環境の回復が見通せない状況にあります。また、新型コロナウ イルス感染症の影響により、テレワークの推進、診療や教育分野におけるサービスのオンライン化など、ライフスタ イルやビジネス環境が変化し、全産業のEC化が加速しています。 このような状況下、ヤマトグループはお客様、社会のニーズに応える「新たな物流のエコシステム」を創出するこ とで、豊かな社会の創造に持続的な貢献を果たしていくため、中長期の経営のグランドデザインである経営構造改革 プラン「YAMATO NEXT100」に基づき、2021年4月からの新たな経営体制に先んじてグループ経営資源を結集しなが ら、宅急便のデジタルトランスフォーメーション、ECエコシステムの確立、法人向け物流事業の強化の3つの事業 構造改革と、グループ経営体制の刷新、データ・ドリブン経営への転換、サステナビリティの取組みの3つの基盤構 造改革を推進しています。当第3四半期においては、新型コロナウイルスの今後の感染状況や収束時期が不透明な 中、引き続き、お客様、社員の安全を最優先に、宅急便をはじめとする物流サービスの継続に取り組みました。その 中で、ライフスタイルやビジネス環境の変化によりお客様に生じる課題の把握に努め、加速する全産業のEC化に対 応し、新配送サービスの拡販と更なる利便性の向上を推進しました。そして、グループ全体でアカウントマネジメン トを強化し、遠隔医療分野における遠隔処方領域やGIGAスクール構想を進める教育分野における新たなニーズへ の対応や、EC領域の強化に取り組む事業者様のサプライチェーン変革を支援するソリューションの提供などに取り 組みました。また、データ・ドリブン経営への転換を推進し、データ分析に基づく需要予測により経営資源を最適配 置し、集配および幹線輸送の効率化を図るとともに、配送パートナーとの連携のもと新たな配送ネットワークを構築 することで、集配キャパシティの拡大とコストの適正化を推進しました。当第3四半期の連結業績は以下のとおりとなりました。(略)

当第3四半期の営業収益は1兆2,956億76百万円となり、前年同期に比べ379億51百万円の増収となりました。これ は主に、成長が加速するEC領域に対応した結果、荷物の取扱数量が増加したことによるものです。 当第3四半期の営業費用は1兆2,059億28百万円となり、前年同期に比べ17億18百万円減少しました。これは主 に、荷物の取扱数量が増加する中、データ分析に基づく経営資源の最適配置による集配効率の向上や幹線輸送の効率 化推進により費用を適正化したことなどによるものです。 この結果、当第3四半期の営業利益は897億47百万円となり、前年同期に比べ396億70百万円の増益となりました。

<ヤマトグループ全体としての取組み>

① 新型コロナウイルス感染症に対応し、お客様に安心して宅急便をご利用いただくため、社員の衛生管理に最大 限留意するとともに、非対面での荷物のお届けや接客時の感染防止対策の実施、ホームページなどを活用した 情報発信などに取り組み、宅急便をはじめとする物流サービスの継続に取り組みました。

② 持続的に成長していくためのグループ経営構造改革を推進し、今後のヤマトグループにおける中長期の経営の グランドデザインとして策定した経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」に基づき、2021年4月からの新たな 経営体制に先んじてグループ経営資源を結集しながら、3つの事業構造改革と3つの基盤構造改革に向けた取 組みを推進しました。

③ 社員がお客様にしっかりと向き合う「全員経営」を推進するため、デジタルトランスフォーメーションによる 物流オペレーションの効率化、標準化を推進するとともに、データ分析に基づく需要や業務量予測、経営資源 の最適配置など、客観的かつ科学的な意思決定を実現するデータ・ドリブン経営への転換に取り組みました。

④ 社会のニーズに応え、ECの高い成長力を取り込むため、産業のEC化に特化した物流サービスの創出および ECエコシステムの確立に向けた取組みを推進しました。当第3四半期においては、大手EC事業者様との協 業により、EC利用者様、EC事業者様、配送事業者の全てをデジタル情報でリアルタイムにつなぐことで、 購入、配送、受け取りの利便性と安全性、効率性を向上させる新配送サービス「EAZY(イージー)」の拡 販を推進するとともに、オンラインショッピングモールに出店するEC事業者様の物流最適化に向けて、受注 から出荷・配送までの運営にかかる業務の全体または一部機能を代行するサービスの拡販を推進しました。そ して、デジタルテクノロジーを有するパートナーとの提携のもと、ECで購入した商品をスーパーやドラッグ ストアなどお客様の生活導線上の店舗で受け取ることができるサービスの提供を開始しました。また、新たな 運創モデルの構築に向けて、ライブ動画配信事業者様と連携し、ライブコマース機能を活用した生産者向け販 売支援の取組みを開始しました。

⑤ 法人向け物流事業の強化に向けて、グループ各社に点在する専門人材、流通機能や物流機能、物流拠点を結ぶ 幹線ネットワークなど法人向けの経営資源を結集し、お客様の課題解決に向けた取組みを推進するとともに、 精度の高いリアルタイムの情報を軸としたソリューションを提供するためのデータ基盤の構築などに取り組み ました。また、引き続き、海外事業のマネジメント強化を推進しました。当第3四半期においては、ライフス タイルやビジネス環境の変化によりお客様に生じる課題の把握に努め、遠隔医療分野における遠隔処方領域や GIGAスクール構想を進める教育分野における新たなニーズへの対応や、EC領域の強化に取り組む事業者 様のサプライチェーン変革を支援するソリューションの提供などに取り組みました。

⑥ 持続的な成長と持続可能な社会の発展を両立するため、サステナビリティの取組みを推進し、環境と社会を組 み込んだ経営を実践すべく、「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、「共創による、フェアで、”誰一人 取り残さない”社会の実現への貢献」という2つのビジョンの下、人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をよ り効率化させることで、環境や生活、経済によりよい物流の実現を目指し、特定した重要課題に対する取組み を推進しました。

⑦ お客様、社会のニーズに正面から向き合う経営をさらに強化するため、引き続き、グループ経営体制の刷新に 向けた取組みを推進しました。顧客セグメント単位の全体最適な組織に変革し、経営のスピードをより速める ため、2021年4月より、連結子会社のヤマト運輸株式会社とグループ7社を統合し、純粋持株会社の当社のも と、リテール事業本部を統括するリテール部門、法人事業本部・グローバルSCM事業本部・EC事業本部を 統括する法人部門、機能本部およびコーポレート本部からなるグループ経営体制へ移行します。

⑧ 経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」に基づく取組みの進捗や成果を土台とし、生活様式や流通構造の急速 な変化により加速する全産業のEC化を踏まえ、今般、2024年3月期を最終年度とするヤマトグループ中期経 営計画「Oneヤマト2023」を策定しました。本計画のもと当社グループは、名実ともに「Oneヤマト」に結集さ せた経営資源を最大限に活用し、サプライヤー・メーカーから生活者までのサプライチェーン全体の変革を支 援することで、個人、法人のお客様そして社会全体に対する価値提供を目指していきます。

<事業フォーメーション別の概況>

○デリバリー事業(略)

① デリバリー事業は、お客様にとって一番身近なインフラとなり、豊かな社会の実現に貢献するために、宅急便 を中心とした事業の展開に取り組んでいます。

② 当第3四半期においては、新型コロナウイルスの今後の感染状況や収束時期が不透明な中、引き続き、お客 様、社員の安全を最優先に、宅急便ネットワークの安定稼働に取り組みました。また、物流全体におけるデジ タル化の推進による集配、作業、事務の効率化や、輸送効率を高めネットワーク全体を最適化するための幹線 ネットワークの構造改革を推進しました。

③ 成長が加速するEC領域に対し、大手EC事業者様との協業により、EC利用者様、EC事業者様、配送事業 者の全てをデジタル情報でリアルタイムにつなぐことで、購入、配送、受け取りの利便性と安全性、効率性を 向上させる新配送サービス「EAZY(イージー)」の拡販を推進しました。そして、デジタルテクノロジー を有するパートナーとの提携のもと、ECで購入した商品をスーパーやドラッグストアなどお客様の生活導線 上の店舗で受け取ることができるサービスの提供を開始しました。また、新たな運創モデルの構築に向けて、 ライブ動画配信事業者様と連携し、ライブコマース機能を活用した生産者向け販売支援の取組みを開始しまし た。

④ 個人のお客様については、宅急便の発送手続きをスマートフォンで完結でき、オンライン決済や匿名配送など を利用できるサービスの提供により利便性の向上を図るとともに、法人のお客様については、ビジネス環境の 変化によりお客様に生じる課題の把握に努め、グループ連携のもとアカウントマネジメントを強化し、遠隔処 方領域において調剤薬局様に向けたソリューションを提供するなど、お客様の課題解決に当たる取組みを推進 しました。

⑤ 地域の課題解決に向けて、複数の自治体や企業と連携し、買い物困難者の支援、高齢者の見守り支援など、住 民へのサービス向上に取り組みました。また、観光支援や地域産品の販路拡大支援など、地元産業の活性化に つながる取組みを推進しました。

⑥ 営業収益は、成長が加速するEC領域に対応したことで、荷物の取扱数量が増加したことなどにより1兆913 億18百万円となり、前年同期に比べ7.4%増加しました。営業利益は、荷物の取扱数量が増加する中、データ 分析に基づく経営資源の最適配置により集配効率を向上させたことや幹線輸送の効率化を推進したことなどに より766億39百万円となり、前年同期に比べ418億32百万円の増益となりました。

○BIZ-ロジ事業

① BIZ-ロジ事業は、宅急便ネットワークをはじめとした経営資源に、ロジスティクス機能、メンテナンス・ リコール対応機能、医療機器の洗浄機能、国際輸送機能などを組み合わせることにより、お客様に革新的な物 流システムを提供しています。

② 全産業のEC化が加速する中、ビジネス環境の変化により生じるお客様の課題に対応し、サプライチェーンの 変革を支援するトータル物流ソリューションを提供するため、グループ一体となりアカウントマネジメントを 推進しています。当第3四半期においては、小売店舗を展開しながらEC領域の強化に取り組む事業者様に対 し、店舗供給とECを両立する高効率なサプライチェーンの構築を支援するソリューション提供に取り組みま した。また、大手EC事業者様との連携のもと、オンラインショッピングモールに出店するEC事業者様の物 流最適化に向けて、受注から出荷・配送までの運営にかかる業務の全体または一部機能を代行するサービスの 拡販を推進しました。

③ 営業収益は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う医療・衛生用品の緊急輸送や増加する越境ECの需要を 取り込んだことで貿易物流サービスの拡販が進んだものの、移動の制限や美術展の開催中止により海外生活支 援サービスや美術品輸送の取扱いが減少したことなどにより1,066億30百万円となり、前年同期に比べ1.5%減 少しました。営業利益は33億79百万円となり、前年同期に比べ18.0%減少しました。

○ホームコンビニエンス事業

① ホームコンビニエンス事業は、お客様の便利で快適な生活の実現に向けて、ヤマトグループの全国ネットワー クを活用し、生活支援事業に取り組んでいます。当第3四半期においては、単身者向け引越サービス「わたし の引越」の拡販を推進しました。

② 営業収益は、新型コロナウイルス感染症の拡大などによる引越需要の減少や、「らくらく家財宅急便」のプラ イシング適正化による一部顧客の取扱い減少などにより190億42百万円となり、前年同期に比べ8.8%減少しま した。利益面においては、営業損失が50億21百万円となりました。

○e-ビジネス事業

① e-ビジネス事業は、お客様の業務プロセスの効率化や潜在的な課題の解決に向けて、情報機能に物流機能、 決済機能を融合させたソリューションプラットフォームビジネスを積極的に展開しています。また、グループ の事業成長を加速させるため、従来のITにとどまらず、AIやIoTなどを用いた新技術の活用を推進して います。

② お客様の業務効率化とエンドユーザーの利便性向上に向けたサービスとして、中古品の買取やECの返品にお ける企業から個人への支払いを、本人が希望する電子マネー等のキャッシュレス決済で支払うことができる 「マルチバリューチャージサービス」を提供しています。当第3四半期においては、同サービスの導入を希望 する事業者様が、事前にシステム開発することなくスピーディーかつ安価にサービスを利用できる機能の提供 を開始しました。

③ 営業収益は、成長が加速するEC領域に対応したことで、商品の受注・出荷業務を支援する「Web出荷コン トロールサービス」の利用が拡大したものの、前期の軽減税率に対応したシステムサポートの反動減などによ り217億57百万円となり、前年同期に比べ4.6%減少しました。営業利益は85億21百万円となり、前年同期に比 べ0.8%減少しました。

○フィナンシャル事業

① フィナンシャル事業は、通販商品の代金回収、企業間の決済など、お客様の様々なニーズにお応えする決済・ 金融サービスを展開しています。

② 決済サービスに関しては、主力商品である「宅急便コレクト」の提供に加えて、ネット総合決済サービス「ク ロネコwebコレクト」や「クロネコ代金後払いサービス」、電子マネー決済機能の利用拡大を推進していま す。当第3四半期においては、ビジネス環境の変化により生じるお客様の課題に対応し、事業者様が新たにE Cを開始するために必要となるショッピングカート機能、決済、配送をワンストップで支援する「らくうるカ ート」の拡販を推進しました。

③ 営業収益は、成長が加速するEC領域に対応したことで、「宅急便コレクト」や「クロネコwebコレクト」、 「クロネコ代金後払いサービス」の利用が増加したものの、リース事業を展開するヤマトリース株式会社株式 の一部譲渡に伴い連結範囲を変更したことなどにより303億83百万円となり、前年同期に比べ47.9%減少しま した。営業利益は48億46百万円となり、前年同期に比べ2.6%減少しました。

○オートワークス事業

① オートワークス事業は、複数拠点を保有する中規模運送事業者様の安全運行と車両稼働時間の拡大に資する、 稼働を止めない車両整備サービスを提供しています。また、「物流施設、設備機器の維持保全・職場環境改 善」やこれらの資産および社員を対象に「お客様のリスクマネジメントに繋がる最適な保険提案」という機能 を付加することで、お客様の資産稼働率を高めるサービスを展開しています。

② 当第3四半期においては、作業効率を追求した整備工場「スーパーワークス」の28拠点目となる愛媛工場の営 業を開始し、さらなるネットワーク強化を行うとともに、お客様との定期的なコミュニケーションによるメン テナンスサービスの拡販に取り組みました。

③ 営業収益は、燃料販売量が減少したことなどにより166億14百万円となり、前年同期に比べ11.8%減少しまし た。営業利益は30億44百万円となり、前年同期に比べ14.6%減少しました。

○その他

① 「JITBOXチャーター便」は、複数の企業グループのネットワークを用いたボックス輸送を通じて、お客 様に「適時納品」や「多頻度適量納品」という付加価値を提供しています。当第3四半期においては、新型コ ロナウイルスの今後の感染状況や収束時期が不透明な中、引き続き、サービスの拡販に取り組みました。

② 営業利益は、ヤマトホールディングス株式会社がグループ各社から受け取る配当金などを除いて11億5百万円 となり、前年同期に比べ34.2%減少しました。

(略)

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