シーネット/物流企業における働き方改革への意識と改革手段としてのAI-OCR関心度の調査結果を公開 物流システム 2023.06.17 シーネット、物流企業における働き方改革への意識と、改革手段としてのAI-OCR関心度の調査結果を公開 働き方改革の必要性を感じている企業は、90%以上 倉庫管理システム(以下WMS)とAI-OCR搭載サービスを手掛ける株式会社シーネット(以下シーネット、本社:千葉県船橋市、代表取締役社長:内野 靖)は、物流企業における働き方改革への意識と改革手段としてのAI-OCR関心度を明らかにするため、当社セミナー参加企業を対象に、2020年11月19日から12月3日までアンケートによる調査を実施しました。 【本調査の背景】AI-OCRは、光学的文字認識機能に機械学習技術を応用し、読み取り精度を継続的に向上させることが可能なシステムです。シーネットでは、これまで困難とされていた物流バックオフィスのオンライン化を目指し、働き方改革のきっかけとすべく、物流業務に特化したAI-OCR搭載ウェブスキャナのサブスクリプション型サービスの提供を行っています。今秋より、AI-OCRの具体的な活用法と導入イメージを伝えるセミナーを自社開催し、参加企業を対象に「物流企業の働き方改革への意識と改革手段としてのAI-OCR関心度」の調査を行いました。 今回のレポートは、各社の課題や注目していることを共有し、働き方改革への取り組みの参考にしていただきたいと考え公開いたします。 【調査結果 目次】(1)働き方改革の必要性を感じている企業は、90%以上(2)どのような働き方改革が必要?コロナ禍で迫られたリモートワークの必要性(3)業務効率化手段として、AI-OCR導入決めてとなるポイントは、読み取り精度と費用が最多。(4)AI-OCRへの期待値は、非常に高く、現状より50%以上効率化できると考える企業は76%(5)興味のあるソリューションは、AI-OCRに限らず事務効率化ソリューションが1位(6)全体考察と事例紹介 調査レポート全文:https://www.cross-docking.com/investigation-result-aiocr/ ■調査対象者の概要はじめに、当社AI-OCRセミナーの参加目的を尋ねたところ、「業務効率化」のためが最も多く32%。次いで、情報収集が続きました。 業務効率化したい 32% 情報収集 30% 客先提案 11% 導入検討 11% 興味がある 8% 精度を知りたい 4% 活用法を検討 4% 業務効率化と回答した企業は、現状具体的な課題に直面しており、以下のような詳細コメントがありました。 手入力の削減をする方法を探している。 物流センターでの納品個数票や欠品リストのデータ化し、荷受効率の改善やセンター作業効率の改善を目指したい。 業務で読み込みに人力に頼ってる部分あり、解消したい また、客先導入など提案する方など様々な立場の方も見られ、これらの人を対象に、働き方改革への意識調査と手段の1つとしてのAI-OCRの関心度調査を行いました。 ■新型コロナウイルスにより 90%以上の人が働き方改革を感じている結果に! 新型コロナウイルスにより働き方改革が必要だと感じたか?の答えには 新型コロナにより働き方改革を感じている 91% コロナが原因ではないが必要 2% コロナ以前より必要だと思っている 2% いいえ 4% 働き方改革を必要だと感じている企業は、全体の95%にもなります。 物流業界において、働き方改革という意識が浸透していることが明確にわかる結果となりました。 ■どのような働き方改革が必要?コロナ禍で迫られたリモートワークの必要性 具体的にどのような働き方改革が必要かという質問には、「リモートワーク」が最多となり、次いで「単純業務の削減」「長時間労働からの脱却」と続きました。 在宅管理を可能にするなど、リモート化が必要 単純業務の削減を実現し、メイン業務に時間をかけるべき スタッフの事務を軽減し、長時間労働からの脱却が必要 業務の一部アウトソーシングや一時的な非正規雇用により社員の負荷を下げたい 業種や職種により課題は違う 今回のコロナ禍においてリモートワークの必要性を迫られながらも、リモート化がしにくい物流業界の課題が顕著に表れた結果となりました。 物流企業としては、今後、いつでもどこでも仕事ができる環境の構築と、スタッフの負担を下げるソリューションの導入などが求められてくるでしょう。 ■AI-OCRの導入ポイントは?読み取り精度と費用 物流向けAI-OCRは、物流現場で大量に発生する請求書・納品書・個口配送票・インボイスなどの各種帳票類を、ドキュメントスキャナーで読み込みデータ化することができます。 手入力時間が大幅に削減されるため、働き方改革の手掛かりの1つとして検討されていますが、導入にあたり重視するポイントは、各社回答にばらつきがでました。 最も多い回答は、「読み取り精度」と「費用」で同票。 回答者の中には、これまでAI-OCRを導入したもののうまく活用できなかった企業もあり、「業務効率化のためには読み取り精度の高さが最重要である」と実体験からの貴重な声も見られました。 続いて多い回答は、「後続システムへのスムーズな連携」や「データ化までの全体オペレーション」でした。物流向けAI-OCRは、後続システム連携用のレイアウト変更や項目編集などの業務利用を前提とした前後機能を備えておりますが、従来型のAI-OCRと大きく異なる点であるため、期待している企業が多いことが伺えます。 その他の回答では、「フォーム定義の簡易さ」「大量データの一括変換と変換時間」「無償評価の有無」などがあがりました。 読み取り精度 費用 後続システムへのスムーズな連携 読込みからデータ化までの全体オペレーション フォーム定義の簡易さ 無償評価の有無 費用+大量データの一括変換と変換時間 今のOCRより効率的になること ■AI-OCRは働き方改革のきっかけとなれるか?導入効果への期待値は高く、50%以上効率化できると考える企業が7割越え。本セミナーでは、サンプルフォームで読み込みから確認、確定までのデモンストレーションを行い、参加者に実際の活用イメージをしていただきました。 また、検証実験で行った効果を事例で紹介したうえで、『自社に導入した場合、どのくらいの効果が見込めるか調査を行いました。 その結果、『50%の削減効果が見込める』と答えた企業が最も多く、39%。次いで、『70%の削減』が、27%。 総合で、「現状より50%以上の効果が見込める」と考える企業は76%になり、AI-OCRの期待値が高いことが伺えました。 その他の回答に寄せられたコメントは 取引先との調整も必要、事前準備で削減割合も上がると思われる 取り扱い規模次第で効果の分岐点が変わってくると思う 手書きが多いので読み取り精度が絡む 効果が感じられないと考える企業からは 今のOCRから考えるとそれほど業務改善効果は得られないと思う まだビジョンを持てない といった回答がありました。 ■他に、興味のあるソリューションは?シーネットではグループ会社も含め、物流企業を支援するソリューションを総合的に提供しております。AI-OCRの他に興味のあるソリューションは何か?の質問には、「事務効率化ソリューション」が1位。次いで、「WMS(倉庫管理システム)」「音声システム」と、倉庫内作業の効率化ソリューションが続きました。 AI-OCR他、事務効率化 25% WMS 19% 音声認識システム 14% 梱包・検品動画ソリューション 12% 物流IoT カゴ車locaTor 10% AMR(自律移動ロボット) 8% クラウド監視カメラ 7% 物流IoT データロガー 4% 配車システムあれば 1% AI-OCRは、働き方改革や業務効率化の1つの手段で、他のシステムと組み合わせて使うことでさらに効率化できると考えている企業が多いと推測されます。 ■全体考察と事例紹介今回の調査結果から、企業は働き方改革へ意識や理解度は高く、以前から必要と感じていながらも、取り組みに向けて大きく動き始めたのはコロナ禍がきっかけであったと思われます。 長時間労働が課題の物流業界では、以前より「働き方改革」が唱えられていましたが、働き方改革をしようにも、人手不足や人的作業の多さもありなど、取り組みにくい状況にありました。 しかし今回のコロナ禍で、リモートワークへの切り替えをスムーズに行い、改革に着手できている企業もあり、その手掛かりとして、最新システムの導入やAI-OCRをはじめとする効率化ソリューションには多くの企業が注目しています。 働き方改革の一環として、やるべきことが少しずつ明確になってきたと考えられます。 【手入力からAI-OCRに切り替えたことで、効果が出た事例】某フォワーダーでは、海外よりメールで送られてくるINVOICEを見て、手作業でデータを作成していましたが、AI-OCRを導入することで、作業時間を90分から10分まで短縮することができました。この際、不要ページをスキップしたり後続システムと連携したり、高度な設定も行いました。 AI-OCRに関しては、現状手入力をしている企業にとっては、導入により大幅に改善が見込め、働き方改革への大きな一歩となると予測されます。ニューノーマルの時代に突入し物流バックオフィスのオンライン化を目指すためにも、今後AI-OCRの導入は急速に進むと推測できます。 一方、すでに導入している企業では、大幅な効率化を見込むために精度の高さや学習能力を追求していくことが効果的と思われます。 働き方改革を進めるにあたり、企業はまず、自社の現状を分析し、課題の原因となっている要素を抽出していくことが必要です。次に、効率化につながる取組みやソリューションの導入。最後に、さらなる効率化や、削減できた時間で何を行っていくか取り組みを検討していくことで、働き方改革を一歩ずつ進めることができるでしょう。 システムの開発提供を行う側としては、ただサービスを提供するだけではなく、何が問題をなっているのか見極める分析力と提案力がより必要になってくると考えます。 【調査概要】タイトル : 物流企業における働き方改革への意識と、改革手段としてのAI-OCR関心度対 象 : 株式会社シーネット開催セミナー 「AI-OCRソリューションウェビナー」参加企業期 間 : 2020年11月19日(木)~2020年12月3日(木)方 法 : アンケートによるオンライン調査有効回答数 : 61件 ※複数回答項目あり実施機関: 株式会社シーネット 調査概要全文: https://www.cross-docking.com/investigation-result-aiocr/サービス詳細: https://www.cross-docking.com/service/ai-ocr/ 【株式会社シーネットについて】1992年の創業以来、物流一筋にシステム化による業務効率化と品質向上に取り組んできた、倉庫管理システムのパイオニアです。自社開発、自社マーケティングの効率的な体制により、多様な業界・業種・業態の物流現場が抱える課題に常に最適解を提示、2011年から9年連続でWMSパッケージ出荷金額No. 1*を達成しています。現在は、物流システムサービスインテグレーションを通じ、多様な企業の物流戦略をサポートしています。※株式会社ミック経済研究所『リモート対応&リソース拡充で差別化はかる基幹業務パッケージソ フトの市場展望2020年度版』 【企業HP】https://www.cross-docking.com/