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日本通運/荷役作業の省力化に向け、搬送支援AGVを導入

物流システム 2023.06.17

日通、荷役作業の省力化に向け、搬送支援AGVを導入

 当社は、労働力不足をはじめとする物流現場の課題解消に向けた取り組みとして、当社が開発を支援した搬送支援AGV(トピー工業株式会社製、リモート積収(せきしゅう)クローラー)を導入します。

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(人が触れることなくロールボックスを安全に運搬)

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(導入する搬送支援AGV:リモート積収クローラー)

【背景】
 物流の現場では、人力で重量物・大容量の貨物を移動できるなどその利便性の高さから、ロールボックスパレット※1(以下ロールボックス)が活用されており、当社も全国の各拠点で使用しています。一方で、機器の性質上、重心が高くなることもあり、移動の際に転倒の恐れがあるため、重量がある場合は2名以上での荷役を推奨するなどし、災害防止等の安全対策に努めています。
 また、昨今労働力不足が深刻化し、働き方改革が推進される中、大部分が人力作業に頼った荷役の現場を、機械化等により省人化・省力化することは喫緊の課題となっていますが、物流ターミナル等においては、時間帯・曜日・季節によってハンドリングする荷量が著しく変動し、頻繁に動線が変わることから、無人搬送機の導入は困難な状況にあります。

【経緯】
 当社は、積収クローラーの持つロールボックス積載機能、不整地踏破能力、登坂能力に注目し、物流現場の課題解決に向けて研究を進めてきました。積収クローラーは、プログラムによる自動走行、リモートコントロールによる操作のいずれも可能ですが、変動要素の多い当社の現場実態を考慮し、作業環境に対して柔軟な対応が可能なリモコン操作による運用を主体として、トピー工業株式会社及び当社グループの日通商事株式会社協力のもと、実証を重ねてきました。

【導入するリモート積収クローラーの基本情報】

  • 最大積載重量:500kg
  • 本体重量:130kg
  • 段差昇降:15mm

【リモート積収クローラーの特長と物流現場への導入効果】

  • 床面の凹凸や段差、傾斜など、大重量を積載している状態でも問題なく踏破可能。
  • 横移動やその場での方向転換など、小回りが利くため、狭いスペースでもロールボックスの整列が可能。
  • リモコン操作者1名により、腕力のない方でもロールボックスのトラックへの積み込み・取り卸ろし・ホーム上の搬送作業が可能。
  • ロールボックスに近接する必要がなく、作業スタッフの安全を確保したうえでの作業が可能。
  • 経路上に人や荷物等の障害物があった場合、センサーで検知して自動で停止。

【今後の展開】
 これまで、当社の実際の現場での実証実験を重ねた結果、ロールボックス搬送作業時の安全確保及び労働負荷軽減、機械化による高齢者や女性の職域拡大、人手不足の解消等、物流現場の課題解決が期待できる成果が確認できました。また、過重労働が問題とされているドライバーの負荷を軽減し、ターミナル作業スタッフとの役割分担の見直しも可能となります。
 当社は、今年度内に開発試験機を複数台導入し、現場活用のさらなる研究に取り組むとともに、積収クローラーの物流現場対応機能向上に向けた開発への協力を進めていきます。さらに、定型的な作業を行う現場等においては自動制御による無人化も可能と考えられることから、今後の研究対象として取り組んでいく予定です。
 なお、2019年12月18日(水)~21日(土)に開催される「2019国際ロボット展」(東京ビッグサイト)において、トピー工業株式会社ブースで、リモート積収クローラーのデモンストレーションを行う予定です。

 当社では、物流の分野での新しい技術に対応したサービスの構築に取り組んでいます。
 今後ますます社会に大きな変革をもたらすと考えられる最先端技術を取り込み、物流システムや現場改善などにも活かしていきます。

  • 1:ロールボックスパレット:カゴ車とも呼ばれるキャスタ付きのボックスパレット。一般にボックス部(上部構造)は三方を囲み、一方を出口としている。量販店や配送センターなどで多く用いられる。
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