商船三井/売上高は前年比25・3%減、経常利益は前年比22・6%増(2019年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)) 決算短信 2023.06.17 2019年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)単位・百万円 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 2019年3月期 1,234,077 △25.3 37,718 66.3 38,574 22.6 26,875 - 2018年3月期 1,652,393 9.8 22,684 786.7 31,473 23.8 △47,380 - (注)包括利益 2019年3月期 25,166百万円 (-%) 2018年3月期 △52,268百万円 (-%) (略) (1)当期の経営成績の概況 ①当期の経営成績(略) 当期の対ドル平均為替レートは、前期比 .45/US$円高の110.63/US$となりました。また、当期の船舶燃料油価格 平均は、前期比US$102/MT上昇しUS$456/MTとなりました。 以上の結果、当期の業績につきましては、売上高1兆2,340億円、営業損益377億円、経常損益385億円、親会社株主 に帰属する当期純損益は268億円となりました。 (略) (A) ドライバルク船事業 ケープサイズ市況は、上半期は西豪州出し・ブラジル出しの鉄鉱石の出荷好調により堅調に推移しましたが、下半期は2018年11月の豪州における鉄鉱石輸送列車の脱線事故や2019年1月末に発生したブラジルにおける鉱山ダムの決壊事故による出荷減少及び船舶需給悪化懸念により、大きく下落しました。パナマックス市況は、上半期は石炭や南米出し穀物等の主要貨物の堅調な荷動きに支えられて概ね底堅く推移しましたが、下半期に入ると米中貿易摩擦問題による穀物貨の不調や中国の石炭輸入制限、ケープサイズ市況の悪化につられて一旦下落し、その後中国向けの一般炭や米穀物貨の荷動きが増加したことにより回復しました。ドライバルク船事業全体では、足元の市況は軟化しているものの、全体的には前年度より高い水準で推移し、前期比で増益を達成しました。(B) エネルギー輸送事業<油送船> 原油船市況は、季節的要因による輸送需要の減少により低調に推移した上半期から一転して、下半期は冬場の需要期を迎えたことや、イラン産原油の代替ソースとして西アフリカ及び北米からの原油輸出量が増加したこと等により改善し、通期全体としては前年度の水準を上回りました。石油製品船市況も、上半期は原油価格の先行き不透明感による裁定取引の減少や船腹供給過剰等を受けて低調に推移しましたが、下半期は冬場の石油需要期を迎えたことや、一部の大型石油製品船が原油・重油等の輸送に配船転換され船腹需給が引き締まったことで回復基調に推移し、通期全体では前年度を上回る水準となりました。このような事業環境下において、プール運航による運航効率の向上や不採算船の減船等のコスト削減を継続して進めた結果、油送船部門全体としては前期比で増益を達成しました。<LNG船・海洋事業> LNG船部門においては、新規に竣工した7隻を含め長期貸船契約を主体に安定的な利益を確保し、前期比で増益となりました。海洋事業部門においても、FPSOが1隻新規に稼働を開始し、安定的に利益を計上しました。また、FPSO・サブシー支援船等のプロジェクトにおいて稼働率が想定を上回り、前期比で増益となりました。(C) 製品輸送事業<コンテナ船> 当社持分法適用会社OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(以下「ONE社」)において、上半期に低迷した消席率については、下半期にかけて改善しました。下半期では、北米航路では、第3四半期の米中貿易摩擦問題による駆け込み需要の反動もあり、旧正月後の荷動きの戻りは弱かったものの、想定を上回って推移しました。また、欧州航路についても、減便実施によりほぼ満船での出航が続いたことで、想定を上回る水準で推移しました。これに加え、北米往航運賃が堅調に推移したこと、コンテナ延滞料の回収促進等により、下半期においても損失を計上しましたが、想定よりも赤字幅を縮小しました。<自動車船> 完成車の荷動きは、米中貿易摩擦問題、及び欧州での新排ガス・燃費テスト基準の影響により、前期比で減少しました。当社としては、船隊規模の縮小、及び更なる運航効率の改善に努めましたが、第1四半期に発生した一部航路での検疫問題による追加コストの影響、日本出しでも西日本豪雨の影響による荷動き減少といった特殊要因もあり、前期比で損益は悪化しました。<フェリー・内航RORO船> フェリー・内航RORO船については、トラックドライバーの不足や高齢化、陸運業界における働き方改革を背景としたモーダルシフトの流れの加速により、荷動きは堅調に推移しました。旅客についても、新造船投入やカジュアルクルーズをコンセプトとしたプロモーション活動が奏功し、北海道航路・瀬戸内海航路・南九州航路全般で堅調に推移しましたが、大型台風や本船トラブルによる長期欠航等が影響し、また燃料費の増加もあり、フェリー・内航RORO船部門全体では前期比で減益となりました。(D) 関連事業 不動産事業は、首都圏を中心に賃貸オフィスマーケットが堅調に推移し、当社グループ不動産事業の中核であるダイビル株式会社の大口テナントの入れ替わり等の影響はありましたが、前期比で若干の増益となりました。客船事業は、2018年12月に発生したにっぽん丸衝突事故の影響により、前期比で減益となりましたが、その他の曳船や商社等の業績は総じて堅調に推移し、関連事業セグメント全体では前期比で増益となりました。(E) その他 主にコストセンターであるその他の事業には、船舶運航業、船舶管理業、貸船業、金融業等がありますが、前期比では減益となりました。 ②今後の見通し(略) ドライバルク船のケープサイズ市況はブラジル鉱山ダム決壊事故の影響が引き続き懸念されるものの下半期には回 復することを見込んでおり、パナマックス以下の船型についても石炭/穀物需要は一定量見込まれることから、前年 程度で底堅く推移すると予想しております。 原油船市況は、OPECによる原油減産延長に伴い中東からの原油出荷量は微減が見込まれるものの、北米産シェール オイル等の大西洋産原油の輸出増が原油需要の伸びを賄うと見込まれることから、海上原油荷動き全体では小幅なが ら増加することが予想されます。また、船腹供給サイドでは、昨年度に引き続き高い水準の新造船竣工数を見込むも のの、2020年以降のSOx規制開始やバラスト水処理装置搭載期限を控え、老齢船の解撤も高水準となることが予想さ れることから、市況は比較的堅調に推移すると見込んでおります。 石油製品船市況は、インドや中国等における石油製品の輸出増加傾向が続き、新興国における石油製品の需要増加 によるトレードの活発化が期待できることに加え、2020年からのSOx規制開始に伴いガスオイル需要の増加が予想さ れることから、当期を上回る水準で推移すると見込んでおります。 コンテナ船については、ONE社においては、積高・消席率について、邦船三社合計水準並みの回復を見込んでおり ます。また、貨物構成の最適化や、北米西岸-北欧州航路を振り子配船とする新航路をはじめとしたプロダクト最適 化、燃料油消費量・一般管理費の削減等により、黒字化を目指し取り組んでまいります。 かかる見通しのもと、通期の連結業績見通しにつきましては、売上高1兆1,940億円、営業損益260億円、経常損益 500億円、親会社株主に帰属する当期純損益400億円を予想しております。 (略)