インドネシアでは昨今の経済成長に伴い、都市部ではショッピングモールなどの近代的な小売店が拡大する一方で、1万以上の島々を含めた地方では物品を購入できる場所が限られており、伝統的なパパママショップは日常生活に欠かせない存在です。現在、約250万店舗あるパパママショップは、小売店舗の8割を占めているといわれています。
近年、中間所得層の購買力が高まりつつあり、加えてインドネシア国内のスマートフォン普及率は60％（注）まで成長していることから、eコマース市場の成長が期待されています。しかしながら、銀行口座やクレジットカードの保有率は非常に低く、現地状況に即した決済手段が必要となることが大きな課題です。また日系を含む外資系メーカーにとっては、パパママショップへのアプローチも難しく参入障壁が高いのが現状です。

Indivaraグループでは、2017年3月からパパママショップに対し、eコマース「Mentimun」とスマートフォン用POSアプリケーションの導入を開始しており、すでに2018年3月末時点で2,400店舗にて試行開始しており、2020年をめどに20万店舗への拡大を目指しております。

Indivaraグループのeコマース「Mentimun」は、現地状況に即した決済手段としてATMでの振込みや電子マネー「Mentimun Pay（メンティムン ペイ）」に加え、提携金融機関による無担保小額ローン機能を利用した分割払いやCOD（Cash on Delivery：代引き）など、多彩な機能を有しています。今回、この「Mentimun」とスマートフォン用POSアプリケーションに、日本ユニシスのERPソリューション「Hybrish」の卸売り機能を組み合わせた流通小売ビジネスプラットフォームを展開します。
本プラットフォームを導入することにより、パパママショップは仕入れから在庫管理、販売までを一元管理することが可能となります。また「Mentimun Pay」のチャージ代行や、CODのエージェント機能を果たすことができるため、地域の利便性向上につながります。
また、本プラットフォームを経由して注文を集約してサプライヤに発注するため、流通の効率化が期待できます。日系を含む外資系メーカーなどのサプライヤは、消費者に対する直販が可能になるとともに、店頭陳列品としての販路拡大や、顧客へオーダー販売の機会を獲得することができ、複数の小売店からのオーダーを取りまとめた大きな数量での注文を受け取ることが可能となります。

今後もキャナルグローブは、Indivaraグループとともに、さらなる経済成長が見込まれる東南アジアにおいて、社会のニーズに即したプラットフォーム事業を推進し、国境、業界、業種を越えて様々な企業が連携するビジネスエコシステムの中核を担い、新たなビジネスをつなぐ運河（キャナル）の役割を果たすことにより、地域社会の発展に貢献していきます。