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NEC/日本気象協会と食品ロス・廃棄の解決に向け、バリューチェーン全体で需給を最適化するビジネスで協業

物流システム 2023.06.17

NECと日本気象協会、食品ロス・廃棄の解決に向け、バリューチェーン全体で需給を最適化するビジネスで協業

2018年2月28日
日本電気株式会社
一般財団法人 日本気象協会

日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼CEO:新野 隆、以下 NEC)と一般財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:石川 裕己、以下 JWA)は、多様な業種・業界における製造、卸・物流、販売のバリューチェーン全体で需給を最適化するビジネスにおいて、ビジネスパートナーとして協業します。
なお、本ビジネスで活用するデータ流通基盤「需給最適化プラットフォーム」は、NECが「NEC the WISE IoT Platform」(注1)上に構築し、2018年7月から提供開始します。

今回、第一弾として、本基盤を食のバリューチェーンに適用します。NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」(注2)を活用した需要予測結果や在庫情報、販売実績をユーザ企業と共有することで、個々の企業だけでなくバリューチェーン全体の需給を最適化し、社会課題である”食品ロス・廃棄”の解決に貢献します。

本基盤は、さまざまなデータ事業者から提供される情報(気象情報、オープンデータ、等)や、バリューチェーンを構成する企業のデータを相互活用し、これまで企業ごとに行っていた需要予測精度の向上を実現します。これにより、「製造」企業の在庫・生産の適正化や、「卸・物流」企業の在庫の最適化、リソースの効率化、「販売」企業の発注の適正化等、食のバリューチェーン全体の最適化を図ります。

JWAは、商品需要予測に関するコンサルティング実績を背景に、「需給最適化プラットフォーム」におけるデータ解析の基礎となる気象データの提供や、それらを活用した商品需要予測サービスの提供を共に推進していきます。

なお、本基盤の更なる精度向上に向け、両者は本年1月から飲料の需給最適化を行う実証実験を実施しています。
このような実証実験を通じて、将来的には、JWAが持つ気象データやデータ解析技術とNECのAI技術を用いて、需要予測から需給計画、生産計画、発注計画、在庫配置などの業務システムとの連携を見据えたシステムの構築も検討しています。
今後両者は、企業の持続的成長や地球との共生に対しAI・IoTの先進ICTを活用し、人・モノ・プロセスをつなぎ合わせる「バリューチェーン・イノベーション」により、新たな社会価値を創造していきます。

なお、NECは本システムを「リテールテックJAPAN 2018」(会期:3/6(火)~9(金)、会場:東京ビッグサイト(東京都江東区))に出展します。

背景

現在、企業や社会は、地球規模で発生している食料ロス・廃棄問題や、国内においては労働人口減少といった労働力不足問題に直面しています。
製品・サービスがつくられて消費者のもとへ届くまでの一連の流れの中には、バリューチェーンを形成する各企業がそれぞれの価値を積み重ねて連鎖しています。そのため、これらの社会問題に対して、単独の企業だけでバリューチェーン全体の効率化や最適化を行うことは難しく、企業間の密接な連携と情報環境やさまざまな業界をつなぎ、企業間での共創活動を加速させ、バリューチェーン・イノベーションを実現させていくことが必要とされています。
今回新たに提供開始する「需給最適化プラットフォーム」はバリューチェーンを構成する企業のデータを相互活用して、AIによる予測精度を向上することで、バリューチェーン全体の需給バランスの最適化を行い、食品ロスの解決を目指します。

需給最適化プラットフォームの特長

需給最適化の概要

  1. NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の活用
    業務の遂行や意思決定に必要な予測分析の根拠を示すことが可能な異種混合学習(注3)などのAIの活用や、NECのドメインノウハウをテンプレート化した「分析モデル」を活用することで、必要なデータの割り出しや分析をスムーズに行います。
  2. 分析精度を高めるコーザルデータの提供
    予測分析に必要なコーザルデータ(商品の販売に影響与える外部要因:気象情報、人口統計、交通量、等)をあらかじめプラットフォームのデータレイクに用意しておくことで、予測分析の精度を高めると共に、さまざまなパターンでの分析が可能です。
  3. セキュアなデータ連携が可能な環境を提供
    企業間でのデータ連携をセキュアに実現するため、金融機関でも採用されている高度なセキュリティ技術(匿名化加工技術、秘匿化技術などのプライバシ保護データマイニング手法)を採用。安全・安心なAPIエコノミー環境を実現します。

サービスメニュー

サービス名称 対象 サービス概要
コーディネーターサービス 食品製造
食品卸
小売
  • 実証実験における技術者支援
  • 本運用に向けた立上技術支援、等
短期出荷商品サービス 食品製造 直近の食品製造企業の出荷量を予測
来店客数予測サービス
(日別)
小売 店舗の日別の来店客数を予測
カテゴリ別販売サービス 小売 店舗の日別の商品分類毎の販売量を予測
単品別販売サービス 小売 店舗の日別の単品別の販売量を予測
推奨発注量提案サービス 小売 需要予測を元に、簡易的に発注数を算出

以上

  • (注1)NEC the WISE IoT Platform:
    NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」を活用したIoTプラットフォームであり、システム構築における実証から本番フェーズまで、シームレスな移行を実現します。
  • (注2)
    「NEC the WISE」(エヌイーシーザワイズ)は、NECの最先端AI技術群の名称です。”The WISE”には「賢者たち」という意味があり、複雑化・高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めています。
  • (注3)異種混合学習:
    参考URL:http://jpn.nec.com/press/201206/20120622_02.html
    ビッグデータに混在するデータ同士の関連性から、多数の規則性を自動で発見し、分析するデータに応じて参照する規則を自動で切り替える技術。これにより、単一の規則性のみを発見し参照する従来の機械学習では分析が困難な、状況に応じて規則性が変化するデータでも、高精度な予測や異常検出が可能。

需給最適化プラットフォームについて

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