日立製作所/日立アジア(タイランド)社がタイ郵便と、タイ国内の郵便サービスの 電子化支援に関する基本合意書を締結 物流全般 2023.06.17 日立と日立アジア(タイランド)社がタイ郵便と、タイ国内の郵便サービスの電子化支援に関する基本合意書を締結 郵便ネットワークを活用した情報提供サービスに関する実証を共同で実施 締結式の様子 株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)およびタイ王国(以下、タイ)における現地法人であるHitachi Asia (Thailand) Co., Ltd.(代表者: Managing Director 水谷 保夫/以下、日立アジア(タイランド)社)は、このたび、タイの国営会社でデジタル経済社会省のもと郵便サービスを提供しているThailand Post(以下、タイ郵便)と、タイ国民への行政情報などの情報提供サービスをはじめとした新サービスの実現に向け、タイ国内の郵便サービスの電子化支援に関する基本合意書を締結しました。 本合意書に基づき、日立と日立アジア(タイランド)社は、タイ郵便と共同で、行政情報に関する地方部の住民へのより確実な連絡手段として、タイ全国の郵便ネットワークを活用した新しい情報提供サービスの実証を行います。具体的には、タイの公共機関からの通知を、電子私書箱*1を試験導入してPCやスマートフォンで受取可能にするほか、住民の要望に応じて紙媒体での送達にも対応するなど、情報提供のためのサービス基盤の確立に向けて、課題抽出や効果検証を行います。また、その他の行政情報、ダイレクトメールや請求書といった民間企業からの各種通知に関してもニーズを調査し、タイ郵便のサービスとして実現可能性を検討します。 さらに、3社共同で、郵便のデジタル化や行政代行機能の拡充など、郵便サービス向上に関する将来計画の検討を進める予定です。 *1 電子私書箱:差出人から電子書類を受け取るための電子的な郵便受けの仕組み。利用者は本人認証を行った後、システム上で電子書類を閲覧・保管することが可能。 現在、タイは高度な経済基盤の確立とさらなる経済発展をめざした政策を推進しています。日本の総務省とタイのデジタル経済社会省は、郵便分野での協力を推進しており、2016年度に行われた総務省調査事業においては、地方部のデジタルデバイド(情報格差)*2解消に対して、行政サービスへの郵便ネットワーク活用の有効性が報告されました。 *2 デジタルデバイド:PCやインターネットなどの情報通信技術を利用できるものと利用できないものとの間に生じる格差のこと。 こうした背景のもと、2017年6月には、タイのデジタル経済社会大臣と日本の総務大臣との間で、郵便を含む「情報通信デジタル技術分野における協力に関する覚書」が締結されました。その一環として総務省が実施する「タイ王国における郵便ネットワークを活用した国民への行政情報提供に関する調査研究の請負」を日立が受託し、今回の実証を行います。 日立は日本国内における郵便サービスをはじめとしたさまざまな公共サービスのシステム開発・提供の実績・ノウハウを有しています。これらの実績・ノウハウとタイの郵便ネットワークを活用して、電子私書箱の導入による情報提供や通知内容の印刷代行といった、都市部・地方部に係わらずタイ国民に利用しやすい情報提供サービスの実現に貢献します。 タイ政府は、長期的にめざすべき経済社会のビジョンとして「Thailand 4.0 (タイランド4.0)」を掲げており、その重要施策としてEEC(Eastern Economic Corridor:東部経済回廊)地域の開発計画を進めています。日立はEEC政策委員会と、EEC開発計画におけるIoT技術の活用に向けた協力合意書を締結*3し、IoTプラットフォーム「Lumada」の展開を担う拠点設立の検討を開始するなど、タイやASEAN地域におけるデジタルソリューションの提供に向けた取り組みを強化しています。 *3 タイ・EEC開発計画におけるIoT技術の活用に向け、日立とタイ・EEC政策委員会が協力合意書を締結(2017年9月12日発表)。 今後、日立と日立アジア(タイランド)社は、タイ郵便の郵便ネットワークと日立のデジタル技術を組み合わせ、住民との相互コミュニケーションを実現する新サービスの創出をめざすなど、郵便サービスのさらなる向上に向けたタイ郵便との協創を加速します。 実証の概要 関連情報 IoTプラットフォーム「Lumada」について