NTTデータ/ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤をシンガポールの貿易プラットフォーム(NTP)へ接続する実証実験を開始 物流システム 2023.06.17 ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤をシンガポールの貿易プラットフォーム(NTP)へ接続する実証実験を開始 ~クロスボーダーの貿易金融と貿易文書交換の電子化基盤の構築に寄与~ 2017年12月5日 株式会社NTTデータ株式会社三菱東京UFJ銀行 株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)と株式会社三菱東京UFJ銀行(以下:三菱東京UFJ銀行)は、NTTデータの「ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤」注1とシンガポールの貿易プラットフォームであるNTP (National Trade Platform)注2との接続に向けた実証実験(PoC)を開始します。 今回のPoCでは、クロスボーダー取引における安全性、効率性、透明性を高めるための課題を特定し、解決策を検討します。 国や地域の経済連携協定など、各所で自由貿易実現への取り組みが推進される現在、クロスボーダーの貿易取引においては、貿易事業者や金融機関等の関係者間で数十もの文書が主に紙やメールでやり取りされています。しかし、貨物の到着に書類が間に合わない等の事象を起こす可能性があるため、貿易取引の関係者間で、さらなる貿易文書の効率化、スピード化が課題となっています。 こうした中、シンガポールはSmart Nationというデジタルエコノミーを推進する計画を掲げており、特に貿易金融の領域についてはシンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore:MAS)が中心となって進めています。シンガポールは、香港をはじめとする他の国々と接続していくことを目指して、貿易プラットフォーム(NTP)を再構築しています。 一方、NTTデータは、日本における貿易文書のブロックチェーンによる電子化推進のリーディングカンパニーとして、貿易関係者である銀行・保険・総合物流・船会社・輸出入者等の各業界を代表する国内13社とともに、「ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤実現に向けたコンソーシアム(以下、コンソーシアム)」を発足し、活動を進めています。 三菱東京UFJ銀行は、シンガポールのNTPワーキンググループおよびNTTデータが主導するコンソーシアムの両プラットフォームに参加する金融機関として、顧客利便性の向上および金融業界全体の発展に資する両プラットフォームの橋渡しを行い、あわせて本PoCへの参加を決定しました。 日本とシンガポールの間でクロスボーダーの貿易文書の電子的交換を検証する今回のPoCは、日本の貿易業界全体にとっても大変価値があるものと考えています。今後、両社は、貿易文書の共有に伴い発生する技術的課題の解決に取り組むことにより、アジア地域をはじめ、国内外の貿易の円滑化に貢献していきます。 実証実験の概要 内容 本PoCで、NTTデータと三菱東京UFJ銀行は、NTPプロジェクトオフィス注3の協力の下、NTTデータの進めるブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤のプロトタイプとNTPのAPI注4による接続を試み、クロスボーダー取引における安全性、効率性、透明性を高めるために必要な課題を特定し、解決策を検討します。これにより、クロスボーダー取引の効率化と透明性を向上させることに加え、より大きな範囲で貿易やサプライチェーンを接続する電子化基盤の構築に向け寄与していきます。 拡大表示 実施期間 2018年3月末まで(予定) 3者の役割 NTTデータ 日本側の貿易プラットフォームのPoC用環境の構築、インターフェースの提供 三菱東京UFJ銀行 貿易金融などの実貿易取引におけるユースケース情報の提供と試験への参加 NTPプロジェクトオフィス NTPの環境、インターフェースの提供 注釈 注12017年8月15日ニュースリリース ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤の実現に向け、13社でコンソーシアムを発足http://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2017/2017081501.html 注2シンガポールの貿易プラットフォーム(NTP)は、企業とシンガポール政府の間の貿易トランザクションについて、デジタルデータの共有と再利用を可能とするワンストップの貿易情報エコシステムです。紙文書や貿易・サプライチェーンデータをデジタル化することで生産性が改善されるとともに、紙ベースのシステムに内在していた不正行為のリスクを最小化します。 注3NTPプロジェクトオフィスとはNTPを推進する組織です。 注4APIとはApplication Programming Interfaceの略です。アプリケーション同士を連携させるための接続仕様・ルールを指し、API連携によりさまざまなサービスが生まれ、利便性向上が期待されています。 本文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。