川崎重工の航空機用部品製造のIoT活用にRFID「Mojix」を採用

広範囲な空間において位置情報のデータを収集

日本IBMは、川崎重工業株式会社（本社：神戸市中央区、取締役社長：金花 芳則）航空宇宙カンパニー（プレジデント：並木 祐之 常務執行役員）の岐阜工場における航空機用部品製造ラインに、広範囲な空間をカバーできるRFIDシステム「Mojix STAR System」が採用され、本年１１月１日より稼働を開始したことを発表しました。

川崎重工業株式会社航空宇宙カンパニーは、IoTを活用した生産革新活動の一環として、最適な生産計画や生産管理、進捗管理の向上を目指し、生産情報活用基盤を試行開発しております。その中で、部品等の所在に関するデータ収集においては、位置情報の測定が確実にできること、システム拡張や変更にも柔軟かつ安価に対応できること、電波干渉が発生しないことなどが求められていました。

Mojix STAR Systemは、最大2万5,000平方メートルという広範囲な空間をカバーでき、タグを付けた商品や人などを200メートル以上離れた遠距離でも感知できるRFIDシステムです。タグに電力を供給する機能（送信機）とタグからのデータを読み取る機能（受信機）を独立した装置に分けているため、システム単位で拡張する必要がある一般的なRFIDと比べて、柔軟かつ安価に対応できます。また、空間でデータを検知し、データ収集を行えることも特長です。

今回稼働を開始したMojix STAR Systemは、航空機の胴体パネルの製造ラインにおいてデータ収集を行います。工場内に多数のアンテナを設置し、部品に取り付けたタグからデータを収集し、生産進捗管理、所在管理等を支援します。Mojix STAR Systemでは、送信機の座標、受電電波強度、入射角からタグの位置を測定し、位置情報を収集します。また、Mojix STAR Systemは送信機と受信機が分離しているため、送信機の追加で簡単に拡張でき、電源や配線の拡張コストも低減できます。

川崎重工業株式会社航空宇宙カンパニーでは、生産情報活用基盤の試行開発を進め、「スマートファクトリー化」の実現を目指します。