住友商事/米国西海岸で硫酸タンクターミナル建設事業を開始 SCM・製造拠点 2023.06.17 米国西海岸における硫酸タンクターミナル事業について 住友商事株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員 CEO:中村邦晴、以下「住友商事」)は、住友商事100パーセント子会社であるINTERACID TRADING S.A.(本社:スイス ローザンヌ市、以下「ITSA」)の米国事業会社SULPHURIC ACID TRADING COMPANY, INC(所在地:米国フロリダ州タンパ、以下「SATCO」)を通じて、米国西海岸カリフォリニア州ストックトン港と土地リース契約について合意し、同港に新たに硫酸タンクターミナル(以下「本ターミナル」)を建設することを決定しました。 本ターミナルは硫酸タンク30千トンのほか希釈設備や貨車・トラックの出荷設備も備え、総建設費は約20億円となる予定です。2017年内に建設に着手し、2019年初からの操業開始を計画しています。建設予定地であるストックトン港は、サンフランシスコ湾より東方100キロメートルに位置し、主に肥料、穀物、セメント、鋼材、石炭などの輸出入港として年間取扱数量4百万トンを誇る、米国西海岸における主要港です。米国西海岸では今後、農業、鉱業および工業用途を中心に硫酸需要の増加が見込まれており、ストックトン港はそれらの需要家への良好なアクセスを実現する立地です。 本ターミナルは米国西海岸一帯において唯一の硫酸受入れ拠点となり、住友商事は本ターミナルの運営を担うSATCOを通じて、米国西海岸の需要家に対して年間200千トンを超える硫酸の販売を目指していきます。 米国最大の農業地帯であるカリフォルニア州では、農地の土壌改良を目的に硫酸が広く使用されています。昨今、慢性的な水不足に悩む同地域では、水分配効率の高い点滴灌漑方式の導入が進んでおり、硫酸は灌漑用水を点滴灌漑に適した水質に調整するためにも使用されています。住友商事は本ターミナルを活用して、農家の効率的な水使用を助ける硫酸を安定的に供給することで、地域と産業の発展への貢献を目指します。また、鉱業向けや水処理剤、肥料製造用途への販売も拡大していきます。 ITSAは1970年に化学品トレード会社としてスイスにて創業し、住友商事が1993年に株式の100パーセントを取得以降、20年余にわたり国際的に硫酸トレード事業と米国、チリおよび豪州の硫酸タンクターミナルを中核とした事業を幅広く展開してきました。現在、グループの保有タンクは12基220千トンを超え、年間3百万トン近くの硫酸を取り扱う硫酸業界のメジャープレーヤーです。住友商事は、引き続き、硫酸トレード事業とタンクターミナル事業のシナジーを追求し、更なる事業成長を目指していきます。 【参考資料】■硫酸とは化学式H2SO4で示される無色・無臭、酸性の液体。主に硫黄の焙焼や非鉄製錬工程の副産品として産出される。世界の年間生産量は約240百万トンであり、世界で最も大量に生産・流通している基礎化学品。主な用途はリン酸系肥料・水処理剤・酸化チタンの製造や非鉄リーチングなど。 ■会社概要 <ITSA> 所在地 : スイス ローザンヌ市 取締役社長 : Adrien Johr 事業内容 : 硫酸の国際トレード 売上高 : USD67百万(2017年3月期連結) 株主 : 住友商事グループ100パーセント <SATCO> 所在地 : 米国 フロリダ州 取締役社長 : Brent Shonka 事業内容 : 硫酸販売・ターミナル運営事業 売上高 : USD15百万(2017年3月期単体) 株主 : 住友商事グループ100パーセント ■ストックトン港全景 ■住友商事のマテリアリティ(重要課題)住友商事グループは『社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)』を、事業戦略の策定や個々のビジネスの意思決定プロセスにおける重要な要素と位置付け、事業活動を通じて課題を解決することで持続的な成長を図っていきます。本事業は、特に「地域と産業の発展への貢献」に資する事業です。