エプソン/広丘事業所インクジェットプリントヘッド新工場を建設へ SCM・製造拠点 2023.06.17 広丘事業所インクジェットプリントヘッド新工場の地鎮祭を実施 広丘事業所新工場の完成予想図 セイコーエプソン株式会社(本社:長野県諏訪市 社長:碓井 稔、以下エプソン)は、このたび、1月に建設計画を発表した、広丘事業所(所在地:長野県塩尻市)内新工場の地鎮祭を行いました。式には、地区、行政、工事関係者の方々に参列いただき、工事の安全を祈願しました。 2018年度上期の竣工・稼働を計画している新工場は、長期ビジョンEpson 25に基づくプリンティングソリューションズ事業の中長期的な成長実現に向けたもので、インクジェットプリンターのコアデバイスとなる最先端「PrecisionCore(プレシジョンコア)」プリントヘッドを生産します。これにより、将来的にはエプソンにおけるプリントヘッドの生産能力を現在の約3倍に向上させる予定です。また研究開発機能も備えているため、工場内でも生産技術などの開発を推進し、プリントヘッドの品質・生産性を向上します。 広丘事業所はインクジェットプリンターの企画設計拠点、コアデバイスの研究開発拠点、生産拠点として、国内および海外の生産拠点と密接に連携しています。またコアデバイスの開発・生産を通じて得られる先端の生産技術・ノウハウをエプソンの海外生産拠点へも展開することで、グループの総合的なものづくり力の向上に貢献しています。今後エプソンは本投資をはじめとし、2020年度にかけて研究開発・生産基盤のさらなる強化を推進していきます。 エプソンのプリンティングソリューションズ事業では、独自のインクジェット技術「マイクロピエゾ技術」を活用し、ホーム、オフィス、商業、産業の幅広い分野のお客さまに製品・サービスをご提供しています。 このたび建設する新工場では、ビジネスインクジェットプリンターや大容量インクタンク搭載プリンター、商業・産業分野向け印刷機のコアデバイスとなるPrecisionCoreプリントヘッドの生産(前工程)を行います。 エプソンの高画質・高速のビジネスインクジェットプリンターは、レーザープリンターと比べて印刷コストや消費電力に優れている特長を持ち、オフィス市場の需要は年々高まりを見せています。 また大容量インクタンク搭載プリンターは、低印刷コストのご要望に対してメーカー純正の印刷品質でお応えした新コンセプトの製品です。2010年10月に発売し、2016年6月には世界累積販売台数1500万台を達成するなど、順調に販売台数を伸ばしています。 そしてサイネージなどの商業分野、捺染やラベル印刷などの産業分野では、従来のアナログ印刷からデジタル印刷へとテクノロジーシフトが加速しており、大きな需要が見込まれます。 今後もエプソンは、独自の技術を磨き続け、独創のコアデバイスを基にした製品・サービスにより、お客さまの期待を超え感動をお届けしてまいります。 ■広丘事業所 インクジェットプリントヘッド新工場の概要(予定) 所在地 セイコーエプソン広丘事業所内(〒399-0785 長野県塩尻市広丘原新田80) 機能 PrecisionCoreプリントヘッドの生産(前工程)および研究開発 竣工・稼働時期 2018年度上期 建築面積 10,451m² 延床面積 46,036m² 建築構造 鉄骨造5階建 制振・耐震構造 ■最先端PrecisionCoreプリントヘッドについて マイクロピエゾ技術を活用したプリントヘッドは、電圧を加えることで収縮するピエゾ素子の機械的な動きによってインク滴を吐出します。熱を使わないこと、インクの量を正確にコントロールできることに大きな特徴があります。 PrecisionCoreプリントヘッドは、ノズルのひとつひとつが異なる制御で1秒間に最大50,000回もの微振動を繰り返し、正確なコントロールのもとにインクを吐出する、インクジェットプリンター商品を支える超精密なコアデバイスです。そのため、生産においても非常に高度な技術が必要で、エプソンは20年以上にわたり培ってきたインクジェット技術と1/1000mm単位での超微細加工が可能なMEMS技術を融合させ、さらに自社の持つ産業用ロボットも駆使することで、高い品質と生産性を両立する完全自動生産ラインを実現しています。 エプソンは日本国内でPrecisionCoreマイクロTFPプリントヘッドの開発から生産※までを一貫して行うことで、次世代プリントヘッドに関する技術的ノウハウの蓄積を図るとともに、生産技術を盤石なものとし、コアデバイス生産の役割を担う国内生産拠点の競争優位性を向上させています。 PrecisionCoreをコアデバイスとしてさまざまな分野のプリンター製品に展開 ※2016年10月現在、生産の前工程はセイコーエプソン株式会社 諏訪南事業所、後工程は東北エプソン株式会社、秋田エプソン株式会社で行っています。 PrecisionCoreの詳細は、エプソンの技術ウェブサイトをご参照ください。http://www.epson.jp/technology/core_technology/micro_piezo.htm