ヤマト運輸/熊本県で路線バスが宅急便を輸送する「客貨混載」を開始 物流全般 2023.06.17 熊本県で路線バスが宅急便を輸送する「客貨きゃくか混載こんさい 」の開始 ~人吉市-五木村を結ぶ路線バスで「客貨混載」を開始し、地域住民の生活サービス向上を実現~ 九州産業交通ホールディングス傘下の産交バス株式会社(代表取締役社長:岩﨑 司晃、以下「産交バス」)とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(代表取締役社長:長尾 裕、以下「ヤマト運輸」)は、本年10月3日より、過疎化や高齢化が進む中山間地域におけるバス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的として、熊本県の県南に位置する人吉市-五木村を結ぶ路線バスで「客貨混載」を開始します。 記 1.背景 近年、全国の中山間地域等で過疎化や高齢化が進む中、熊本県の南部に位置し、山林に囲まれる五木村と相良村は、年々人口が減少し、高齢化率も約40%になるなど、県内でも特に過疎化や高齢化が進んでいます。両地域では、高齢者の移動手段となるバス路線網の維持と物流の効率化による地域住民への生活サービス向上が課題となっていました。 産交バスは、熊本県のほぼ全域をカバーするバス路線網を保持し、年間約1,650万人を運ぶ県内最大手のバス会社として、県や自治体と緊密に連携を図りながら、効率的で持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けて取り組んでいます。 ヤマト運輸は、全国の自治体や企業と連携し、地域の活性化や課題解決に向けてさまざまな取り組みを行う「プロジェクトG(Government)」を推進しています。路線バスによる「客貨混載」は3都道府県※1で開始しています。 このたび、産交バスとヤマト運輸は相互連携を図り、バス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的に路線バスで宅急便を輸送する「客貨混載」を開始します。 ※1:岩手県(2015年6月) 宮崎県(2015年10月) 北海道(2016年9月) 2.取り組みの内容 (1) 座席の一部を荷台スペースにした路線バスを2台導入 宅急便を積載するため、中央部に荷台スペースを確保した路線バスを計2台導入します。また、客貨混載専用のバスと分るように「くらし ハコぶ バス」と銘打ったラッピングを施しました。 【バス全体の写真】 【荷台スペースの写真】サイズ:縦230cm×横75cm×高さ110cm (2) 人吉市-五木村を結ぶ路線バスで宅急便を輸送(別紙:運用フロー図参照)【1.集荷】:五木村発・人吉市行き路線バス ※客貨混載1日2便運行 ヤマト運輸のセールスドライバー(以下SD)が五木村と相良村で集荷した宅急便を相良村のバス停(林業総合センター前)で人吉市行きの路線バスに積み込みます。産交バスの人吉営業所で産交バスのドライバーからSDに宅急便を引き渡します。 【2.配達】:人吉市発・五木村行き路線バス ※客貨混載1日1便運行 ヤマト運輸のSDが五木村と相良村のお客さまに配達する宅急便を産交バスの人吉営業所で五木村行きの路線バスに積み込みます。相良村のバス停(相良村運動公園)でそれぞれの地域を担当するSDに引き渡します。 3.「客貨混載」によるメリット (1) 地域のお客さま 地域のバス路線網が維持され、安定的に路線バスを利用できることで、病院やスーパーなど多様な施設へアクセスでき、生活基盤の維持・向上につながります。 また、ヤマト運輸のセールスドライバーが五木村と相良村に滞在できる時間が増えるため、当日発送の集荷締め切り時間が15時から17時まで2時間延長されるなど、宅急便のサービスをより便利にご利用いただけるようになります。 (2) 産交バス 路線バスの空きスペースで宅急便を輸送することで、バス路線網の維持につながる新たな収入源を確保することができます。 (3) ヤマト運輸 五木村と人吉市間のトラック走行距離が60km削減(3往復180kmから2往復120km)になり、CO2排出量の削減にもつながります。また、五木村と相良村を担当するSDが地域に滞在する時間が増えるため、お客さまからのご要望に対して柔軟にお応えできるようになります。 4.出発式の様子 本日、「客貨混載」の開始に伴い、産交バスの人吉営業所で出発式を行いました。 【人吉市(産交バス 人吉営業所)】右から 産交バス 代表取締役社長 岩﨑 司晃、五木村 村長 和田 拓也、山江村 村長 内山 慶治、 人吉市 市長 松岡 隼人、熊本県運輸支局 支局長 本田 和久、球磨地域振興局 局長 福山 武彦、 熊本県バス協会 専務理事 冨田 廣志、熊本県トラック協会 専務理事 吉住 潔、 ヤマト運輸 熊本主管支店長 熊澤 宏 ※添付資料:【別紙】客貨混載の運用フロー図 (PDF.364KB)