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三菱レイヨン/大竹事業所における炭素繊維工場の能力を増強

SCM・製造拠点 2023.06.17

大竹事業所における炭素繊維工場の能力増強について

 三菱レイヨン株式会社(本社:東京都千代田区、社長:越智 仁、以下「当社」)は、大竹事業所(広島県大竹市)において追加設備投資を実施し、ラージトウ炭素繊維の年間生産能力を現在の2,700トンから3,900トンに増強することを決定しました。2017年度第2四半期(7~9月期)に稼働開始する予定です。
 これにより、2016年内に稼働する米国サクラメントのレギュラートウ炭素繊維工場の能力増強と合わせ、2017年には、現在の炭素繊維年間生産能力10,100トンが13,300トンまで、約3割増加します。

■産業用途でラージトウ炭素繊維の採用事例が増加
 当社は、航空機や圧縮ガスタンク用に使用されるレギュラートウ並みの物性と品質を持ちながら、大型部品成形時に高い生産性を実現する「高機能ラージトウ」という独自の炭素繊維を開発し、2011年7月の大竹事業所炭素繊維工場の稼働以来、用途開拓を進めてきました。ラージトウとしては世界で初めて旅客機(エアバス社A320neo)の床材に採用されるなど、製品の市場認知が進み、採用事例が急増しています。

 その中でも、昨今、風力発電機のブレード(翼)向けにラージトウの需要が伸長しています。洋上風力発電、低風速地域向け発電翼の大型化に伴い、軽量化、剛性確保のためガラス繊維代替として高機能ラージトウは最適の素材とみなされています。

 風力発電機向けの需要が旺盛なことから当社の生産設備は高稼働状態が続いており、また足元では自動車の軽量化材料としても高機能ラージトウを用いた各種中間材料の引き合いが増えていることから、今般の能力増強を決定しました。能力増強後の大竹事業所の炭素繊維工場は、単独製造ラインとして世界最大規模となります。

■中期経営計画における目標と成長への方策
 当社は、三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画APTSIS 20において、2020年に炭素繊維・複合材料事業で1,000億円の売上目標を掲げています。欧州、北米、アジアおよび日本に展開する中間材料や成形部材(CFRP)の開発・製造拠点との協業を通じ、高機能ラージトウの特長を最大限に活かして、自動車用途をはじめとする産業分野の成長を取り込む計画です。2017年4月には当社、三菱化学株式会社及び三菱樹脂株式会社が統合しますが、これにより欧州自動車市場に事業基盤を持つQuadrant社等とのシナジーを強化し、同市場における炭素繊維・複合材料サプライヤーとしてのプレゼンスを確立します。

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