セイコーエプソン株式会社（社長：碓井 稔、以下エプソン）のグループ会社であるEpson Italia S.p.A.（社長：Massimo Pizzocri、以下EIS）は、このたびデジタル捺染（なっせん）ビジネス強化のため、捺染業界のリーディングカンパニーであるFratelli Robustelli S.r.l.（社長：Giuseppe Robustelli、以下ロブステリ社）を100%子会社化することで合意しました。

今後デジタル捺染市場の成長率は全世界で年間約25%^※1と予想されています。その成長市場に対して、今回の子会社化により、デジタル捺染印刷機をさらに進化させ、さまざまな地域での販売を加速させていきます。

エプソンの強みであるインクジェット技術やインク技術と、ロブステリ社の強みであるデジタル捺染印刷機の開発・製造技術を融合し、デジタル捺染印刷機の開発、ラインアップ拡充を進めます。また今までロブステリ社で行っていたインクジェットデジタル捺染印刷機「Monna Lisa（モナリザ）^※2」の生産を、エプソンの生産リソースを用いることで拡大します。さらにエプソンの有する世界中の販売網、サービスサポート体制を活用することで、増加する需要にお応えします。

なお、ロブステリ社の社長に就任予定のセイコーエプソン業務執行役員 プロフェッショナルプリンティング事業部長である村田すなおは、次のように述べています。

「私たちは、ロブステリ社をエプソングループに迎えることにとても期待しています。これにより、拡大するデジタル捺染市場において、ビジネスを発展させたいと考えているお客様のご要望に、格段にお応えしやすくなります。

エプソングループはロブステリ社の仲間と密に連携し、『Monna Lisa』をさらに進化させるとともに、市場をけん引し続けてまいります。」

ロブステリ社の取締役である Valerio Robustelliは、次のように述べています。

「私たちはエプソングループの一員になれることをとても誇りに思います。ロブステリ社はエプソンと連携することで革新的な産業向けデジタル捺染印刷機『Monna Lisa』を開発、その『Monna Lisa』も、今では高級捺染印刷の代名詞となっています。両社の強みを融合し、世界中のお客様にさらに満足いただけるソリューションを提供していけることをうれしく思います。」

エプソンは、長期ビジョンEpson 25においてデジタル捺染を含むプリンティングの事業領域を、独自のインクジェット技術である｢マイクロピエゾ技術｣を核に、強みを発揮して成長が見込める重要な領域と位置付けています。今後もその取り組みを強化し、アナログ印刷からデジタル印刷へのテクノロジーシフトを起こすことで、高品質な多品種・少量生産や環境負荷低減などの価値をお客様に提供してまいります。

1. ※1 2019年までの成長率（出展：WTin Intelligence）
2. ※2 「Monna Lisa」はロブステリ社の登録商標です。

■ロブステリ社の概要

※ 2015年12月期

ロブステリ社は世界有数の高級捺染業の拠点であるイタリアのコモ地域を中心に、デジタル捺染印刷機の開発・製造・販売を行っています。エプソンとロブステリは2003年にインクジェットデジタル捺染機「Monna Lisa」を共同開発し、ロブステリ社がその製造と販売を担ってきました。「Monna Lisa」は、インクジェットならではの美しいグラデーションや豊かな色調を表現でき、その結果、市場やお客様から高い評価を集め、確固たるブランドを確立してきました。

ロブステリ社の詳細は、以下のページ（英語）をご参照ください：

http://www.monnalisatdp.com/en/

■参考 デジタル捺染の特長について

デジタル捺染は、デジタルデータを印刷機でプリントアウトする方式です。専用の版を布地に押し付けて印刷するアナログ捺染と比べて、次の特長があります

1. 精細なグラデーションや微妙な色調の再現が可能
2. アナログ方式には欠かせない版が不要なため、低コストで多品種少量・短納期の生産に最適
3. 染色材料のロスがほとんど無いため、環境負荷を低減

アナログ捺染とデジタル捺染の工程比較