三井ホーム/林野庁補助事業選定のCLT使用事務所棟が完成、同時にコネックトラス利用の大規模倉庫棟も完成 物流不動産・施設 2023.06.17 林野庁補助事業選定のCLT使用事務所棟が完成同時にコネックトラス利用の大規模倉庫棟も完成 平成 28年 6月 15日 三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:市川俊英)は、グループ会社の三井ホームコンポーネント株式会社(本社:東京都中央区、社長:渡部一廣)が、林野庁の補助事業(CLT※1建築等新たな製品・技術を活用した建築物の実証事業)として取り 組んでいましたCLTを用いた事務所棟が完成したこと、あわせて隣接敷地においてコネックトラス※2を用いた、大空間木造建築物である大規模木造倉庫棟が完成したことをお知らせ致します。事務所棟は、ツーバイフォー工法(枠組壁工法)に国産材のCLTを組み合わせた初の試みで、近年構造材・外装材・内装材など様々な用途での活用が注目されているCLTの性能を実証することにより、今後のCLTの幅広い利用に向けて可能性を追求する取り組みです。今回、床・外壁・天井部分にCLTを利用することで、床は衝撃音対策として、外壁と天井は断熱兼仕上・下地用途として活用をするとともに、各性能の測定実証・施工合理化の可能性などの検証を行っています。当社は今回の建築実証により、ツーバイフォー工法(枠組壁工法)における幅広い用途でのCLTの活用に向けて研究を続けてまいります。 CLTを外装材に利用し木の素材感を生かした事務所棟外観 コネックトラスにより木造で大空間を実現した倉庫棟内観 ※1 CLTについて CLT(Cross Laminated Timber クロス・ラミネイティッド・ティンバー)はひき板 ※3 の層を各層で互いに直交するように積層接着 ※4したパネル及び、それを用いた構法を示す用語で、1990年代にヨーロッパで開発され、8~10階建てのマンションや、中・大規模の商業施設や公共施設、一般住宅までさまざまな建築物が建てられています。コンクリートに代わる構造材として、中高層建築物への活用が期待されています。 ※3 ひき板:天然木を鋸でひいて製作する木の板のこと。1センチ厚以上(10㎜~20㎜)のものが中心で、突板(0.2㎜~0.6㎜)よりも厚めの木材です。集成材や積層材などにも使われ、反りやひび、狂いを防ぐことができます。 ※4 積層接着:幾層にも重ね接着剤で圧着したもの CLT断面 出自:日本CLT協会「CLTの紹介」 ※2 コネックトラスについて コネックトラスは、当社独自開発したステンレス製接合金物「コネック」をトラスと呼ばれる堅固な構造方式に使用した木質トラス。今まで木造で不可能とされていたロングスパン(大空間)の建築を可能としました。鉄骨トラスと比較しても強度には遜色なく、熱による変形が少ない点は鉄骨より優れており「コネック」もステンレスSUS-430を採用し錆びにくく、さらに重量も軽いため建物全体の荷重を軽くでき、耐震性能の高い建物となります。またトラスの特性でもある隙間を利用して設備配管を計画することで、断面の欠損や下がり天井なども無く、効率的な空間利用が可能となります。 <当該プロジェクト概要> 建築地 埼玉県加須市新利根1-6-1 主要用途 三井ホームコンポーネント(株)加須工場内事務所 /倉庫 構造 木造(枠組壁工法) 階数 地上2階建 /平屋建 延床面積 251.88㎡(76.1坪) /995.79㎡(301.2坪) 着工 2015年12月 /2016年 2月 完成 2016年 2月 /2016年 6月 建築主・施工 三井ホームコンポーネント株式会社 設計 株式会社三井ホームデザイン研究所 <CLTを用いた海外での建築実例> CLTは1990年代に開発された新しい木質材料であり、厚さや大きさなど様々な種類が存在し、構造材・外壁材・内装材など様々な用途に用いられています。ヨーロッパでは、すでに8~10階建のマンションや、中・大規模の商業施設や公共施設、一般住宅まで様々な建築物が建てられるなど、近年では急速な伸びを見せています。 オーストリアでBMWが経営するホテル、構造と全室の内装に使用 ミラノの9階建て公営住宅構造に使用 ウィーンのショッピングモール構造に使用 <コネックトラスを用いた2×4工法による建築実例> 神奈川県 デイサービス 湾曲多角形トラス延床面積 249.49㎡(75.47 坪) 千葉県 幼稚園 トラススパン6.4 /10m延床面積 1,332㎡(402.93 坪) 宮城県 飼料倉庫 トラススパン 22.75m延床面積 989㎡(299.17 坪) 栃木県 木材加工工場 トラススパン22m延床面積 914.22㎡(276.55 坪) 「」ロゴについて 三井不動産グループでは、グループのロゴである「(アンド)マーク」に象徴される「共生・共存」、「多様な価値観の連繋」の理念のもと、グループビジョンに「(アンド・アース)」を掲げ、当社グループのまちづくりが常に地球とともにあることを認識し、人と地球がともに豊かになる社会をめざしています。