日本通運/売上高は前年比0・8%減、経常利益は前年比4・8%増(平成28年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)) 決算短信 2023.06.17 平成28年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 単位・百万円 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 28年3月期 1,909,105 △0.8 54,778 7.8 62,394 4.8 35,659 35.2 27年3月期 1,924,929 9.8 50,811 24.3 59,563 18.8 26,382 0.1 (注) 包括利益 28年3月期 2,251百万円( △96.4%) 27年3月期 62,639百万円( 23.6%) (略) (当期の経営成績) 当連結会計年度のわが国経済は、良好な企業収益にけん引され、賃金や雇用環境の改善が期待さ れたものの、中国をはじめとした海外経済の減速や地政学リスクの高まりに加え、年明け以降に は、円高・株安など景気の下押し要因が顕在化するなか、依然として不透明な状況で推移いたしま した。 このような経済情勢のなか、物流業界におきまして、国内貨物は、経済の潮目の変化により企業 の生産に弱さが見られ、出荷が伸び悩むなど、緩慢な荷動きとなりました。また、国際貨物は、輸 出・輸入ともにマイナス基調が続き、アジア向けを中心に貨物が減少するなど、総じて低調に推移 いたしました。 当社グループは、このような経営環境のなか、最終年度を迎えた3年間の中期経営計画「日通グ ループ経営計画2015-改革と躍進-」の達成に向け、「グローバルロジスティクス事業の更な る拡大」「国内事業の経営体質強化」「グループ各社の多様性を活かした事業拡大」「CSR経営 に基づく、事業を通じた社会への貢献」の4つの基本戦略に、グループ一丸となって取り組んでま いりました。 具体的には、大規模な組織改正の実施により、ワンストップでサービスを提供できる組織を構築 し、営業からオペレーションまで一貫して対応するお客様起点のアカウント営業体制の確立を進め てまいりました。 グローバルロジスティクス事業では、東南アジアにおいて輸送ネットワークの拡充を進め、ハラ ールロジスティクスやコールドチェーン一貫輸送など、多くの新しい輸送サービスを提供するとと もに、各地域での域内物流や倉庫業務の拡販に努めてまいりました。 国内事業では、大都市圏における営業力を徹底的に強化するとともに、変動費管理を強力に推し 進めることで、高品質かつローコストな作業体制を構築し、利益の最大化に努めてまいりました。 また、CSR経営では、持続可能な社会の実現に向け、温室効果ガスの漏洩を防止し適正かつ簡 易に管理するフロン管理システムの運用を開始するなど、地球環境保全に取り組んでまいりまし た。 さらに、新たな産業プラットフォームの構築に向け、情報資産管理業界のリーディングカンパニ ーである株式会社ワンビシアーカイブズの株式を取得したことに加え、効率的なオペレーションの 確立を目指し、名鉄運輸株式会社との業務提携を行うなど、シナジーの創出による事業拡大を進め てまいりました。 この結果、売上高は1兆9,091億円と前連結会計年度に比べ158億円、0.8%の減収となりました が、営業利益は、547億円と前連結会計年度に比べ39億円、7.8%の増益、経常利益は623億円と前 連結会計年度に比べ28億円、4.8%の増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益 につきましては356億円と前連結会計年度に比べ92億円、35.2%の増益となりました。 セグメント別の業績概況は以下のとおりとなっております。 ①複合事業(運送、国内会社) 自動車の取扱いが減少したこと等により、売上高は7,365億円と前連結会計年度に比べ57億円、 0.8%の減収となりましたが、燃料費の減少および料金改定の効果により、営業利益は224億円と 前連結会計年度に比べ42億円、23.6%の増益となりました。 ②警備輸送(運送、国内会社) 輸送業務の取扱いが減少したこと等により、売上高は538億円と前連結会計年度に比べ15億円、 2.9%の減収となりましたが、営業利益は15億円と前連結会計年度に比べ6億円、76.5%の増益と なりました。 ③重量品建設(運送、国内会社) 海外における各種プロジェクト案件が増加したこと等により、売上高は513億円と前連結会計年 度に比べ45億円、9.6%の増収となり、営業利益は36億円と前連結会計年度に比べ15億円、70.9% の増益となりました。 ④航空(運送、国内会社) 前年の米国西海岸の港湾混雑の影響による輸出貨物増加の反動減等により、売上高は1,825億円 と前連結会計年度に比べ282億円、13.4%の減収となり、営業利益は73億円と前連結会計年度に比 べ27億円、27.4%の減益となりました。 ⑤海運(運送、国内会社) 国内貨物及び輸入貨物の取扱いが減少したこと等により、売上高は1,182億円と前連結会計年度 に比べ6億円、0.5%の減収となりましたが、営業利益は61億円と前連結会計年度に比べ12億円、 24.6%の増益となりました。 ⑥米州(運送、海外会社) 航空輸入貨物の取扱いが好調に推移したこと等により、売上高は946億円と前連結会計年度に比 べ155億円、19.6%の増収となり、営業利益は50億円と前連結会計年度に比べ16億円、49.5%の増 益となりました。 ⑦欧州(運送、海外会社) 航空輸出貨物の取扱いが堅調に推移したこと等により、売上高は845億円と前連結会計年度に比 べ9億円、1.2%の増収となりましたが、営業利益は15億円と前連結会計年度に比べ8億円、 34.9%の減益となりました。 ⑧東アジア(運送、海外会社) 航空輸出貨物の取扱いが堅調に推移したこと等により、売上高は1,150億円と前連結会計年度に 比べ137億円、13.6%の増収となりましたが、営業利益は16億円と前連結会計年度に比べ2億円、 11.8%の減益となりました。 ⑨南アジア・オセアニア(運送、海外会社) 航空輸出貨物の取扱いが好調に推移したこと等により、売上高は702億円と前連結会計年度に比 べ56億円、8.7%の増収となり、営業利益は15億円と前連結会計年度に比べ6億円、68.5%の増益 となりました。 ⑩販売 石油販売単価が下落したこと等により、売上高は3,673億円と前連結会計年度に比べ528億円、 12.6%の減収となり、営業利益は60億円と前連結会計年度に比べ3億円、5.3%の減益となりまし た。 ⑪その他 日通NECロジスティクス社の株式取得等により、売上高は1,736億円と前連結会計年度に比べ 300億円、20.9%の増収となり、営業利益は27億円と前連結会計年度に比べ1億円、3.9%の増益 となりました。 (次期の見通し) 次期の見通しにつきましては、原油価格の動向、為替変動リスク等を勘案して作成しておりま す。 「1.経営成績・財政状態に関する分析(1)経営成績に関する分析」にも記載しましたとお り、海外経済の減速や円高・株安の影響等により、不透明感の強い状況で推移すると予測されてお ります。 当社グループにおきましては、国内外における地域特性に適応した事業展開及びワンストップ営 業とアカウントマネジメントのグローバル展開によるお客様起点での営業強化等により、売上高、 営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は増加する見込みであります。 現時点での平成29年3月期の業績見通しは以下のとおりです。 連結業績見通し(年間) 売上高 1兆 9,300億円 (前期比 1.1%増) 営業利益 570億円 (前期比 4.1%増) 経常利益 630億円 (前期比 1.0%増) 親会社株主に帰属する当期純利益 360億円 (前期比 1.0%増) 個別業績見通し(年間) 売上高 1兆 740億円 (前期比 1.3%増) 営業利益 320億円 (前期比 0.3%増) 経常利益 380億円 (前期比 2.0%増) 当期純利益 240億円 (前期比 9.4%増) ※ 上記業績見通しは、当社が現時点で入手可能な情報に基づき当社が合理的と判断したものであり、 実際の業績は見通しと異なる場合があります。 (略)