カネカ/カネカ生分解性ポリマーPHBH年産5,000トンのプラントが竣工 SCM・製造拠点 2023.06.17 カネカ生分解性ポリマーPHBH(R)年産5,000トンのプラントが竣工 株式会社カネカ(本社:東京都港区、社長:角倉 護)は高砂工業所(兵庫県)において、「カネカ生分解性ポリマーPHBH(R)」(以下、PHBH(R))の能力増強工事を予定通り終え、12月17日に竣工式を行いました。投資額は約25億円(*1)で、生産能力は従来の5倍にあたる約5,000トン/年となりました。 近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が生態系へ影響を与えるとして世界的な社会問題となっていますが、当社が開発した100%植物由来のバイオポリマーであるPHBH(R)は、海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE(*2)」を取得しており、海洋汚染低減に貢献すると期待されています。また米国食品医薬品局(*3)(FDA)、ポリオレフィン等衛生協議会(*4)、欧州委員会(*5)のポジティブリストに掲載され、食品接触用途で使用可能となる国や地域が拡大しています。 欧州では、使い捨てプラスチック削減に向けて各種規制が強化されており、特にフランスでは2020年1月から規制が厳格化され、PHBH(R)の販売が急拡大する見込みです。国内では、セブン‐イレブン・ジャパン様全国約10,000店舗において、11月からセブンカフェ用PHBH(R)製ストローの採用が始まっており、また、資生堂様とは化粧品容器の共同開発を行っています。さらに、グローバル展開している多数のブランドホルダーともストロー、レジ袋、カトラリー、食品容器包装材など幅広い用途で検討が進んでおり、5,000トン/年プラントは早期にフル稼動になる見通しです。 今回の生産能力増強にとどまらず、今後もグローバル規模で拡大する需要にタイムリーに応えるため早期に本格的量産プラントの建設を決定する見通しです。 当社は「カネカは世界を健康にする」という考えのもと、今後もソリューションプロバイダーとしてグローバルに価値を提供してまいります。 以上 *1 当社は、PHBH(R)の製造設備および研究開発の資金調達を目的とするグリーンボンド(環境債)を本9月に発行しました。募集金額は50億円で、事業債として日本の化学会社では初めての発行となります。 *2.海水中(30℃)で、生分解度が6ヵ月以内に90%以上になること。ベルギーに本部を置く、国際的な認証機関Vincotteより、2017年9月認証取得。Vincotteは2017年12月TÜV AUSTRIA Belgium NVに認証業務を引き継いだ。 *3.食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当り接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカ合衆国の政府機関。 *4.日本における安全で衛生的なプラスチック製食品用器具・容器包装の供給を実現することを目的とした業界団体。 *5 欧州連合の政策執行機関で、法案の提出や決定事項の実施など、欧州連合の運営を担う。