商船三井/「LNG燃料タグボート」の建造契約を締結 物流全般 2023.06.17 「LNG燃料タグボート」の建造契約締結 ~大阪湾で初のLNG燃料船、2019年就航予定~ 株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「商船三井」)はこのたび、LNG燃料タグボート(以下「本船」)(註1)の建造契約を金川造船株式会社(社長:生駒剛人、本社:神戸市兵庫区)と締結しました。2018年2月に起工し、2019年2月に竣工、同年4月に就航を予定します。 商船三井が初めて保有するLNG燃料船となる本船は、ヤンマー株式会社(社長:山岡健人、本社:大阪市北区)製のDual Fuelエンジン(註2)を搭載し、国内で初めてIGFコード(註3)に準拠し建造します。本船は、国内のLNG燃料船としては初めて、LNG燃料タンクを船尾側暴露甲板上に設置し、バンカリング及び整備点検時の利便性を高めました。 本船は、日本栄船株式会社(社長:西尾哲郎、本社:神戸市中央区)が運航し、2019年4月に大阪湾にて就航を予定します。LNG燃料は、大阪ガス株式会社(社長:本荘武宏、本社:大阪市中央区、以下「大阪ガス」)からTruck to Ship方式にて供給します。商船三井は、大阪ガスとともに、大阪湾で初となる船舶向けのLNG燃料供給体制を構築し、大阪府港湾局が堺泉北港で進めるLNG燃料供給のための施策に協力してゆきます。 商船三井は、本船のLNG燃料タンクを着脱可能な構造とすることで、可搬式LNGタンクの着脱によるLNG燃料供給方式の実用化に向けた研究を進めます。 商船三井は、これまでもLNG燃料に関する様々な研究を進めており、LNG燃料ケープサイズバルカーの共同研究(註4)、世界最大級20,000TEU型コンテナ船におけるLNG燃料対応改造設計の基本承認取得(註5)、石炭専用船におけるLNG燃料対応設計の基本承認取得(註6)などの実績があります。今般のLNG燃料タグボートの建造、運航を通して得られる知見も含め、商船三井グループ内に蓄積されているLNG燃料に関する多種多様な知見を活かして、「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」(註7)にて現在計画を進めている環境負荷低減型フェリー(ISHIN-Ⅱ)(註8)をはじめ、一般商船への応用も視野に入れてさまざまな船種でのLNG燃料船の開発や運航に取り組みます。商船三井は、引き続きLNG燃料の普及(註9)に積極的に取り組み、一層の環境負荷低減に努めていきます。 建造契約を締結したLNG燃料タグボート(イメージ図) 建造契約締結の様子右から1人目:商船三井 常務執行役員 川越 美一右から2人目:商船三井 常務執行役員 八嶋 浩一 環境負荷低減型フェリー(ISHIN-Ⅱ)(イメージ図) (註1) 詳細は2017年5月23日付プレスリリース「『LNG燃料タグボート』の建造を決定」をご参照ください。 (註2) A重油とLNGそれぞれを燃料として使用できるエンジン。 (註3) International Code Of Safety For Ships Using Gases Or Other Low-Flash Point Fuelsの略。ガス燃料及び低引火点燃料を使用する船舶に対する安全要件を規定するコードで、2017年1月1日より発効。 (註4) 詳細は2017年1月24日付プレスリリース「LNG燃料ケープサイズバルカーの共同研究開始をDNV GL/Rio Tinto/ BHP Billiton/Woodside/SDARIと合意」をご参照ください。 (註5) 詳細は2017年4月6日付プレスリリース「当社運航超大型コンテナ船向けLNG燃料対応改造設計の基本承認を取得」をご参照ください。 (註6) 詳細は2017年12月6日付プレスリリース「LNGを燃料とする石炭専用船の設計基本承認を東北電力、名村造船所と共同で取得」をご参照ください。 (註7) 商船三井の技術開発プロジェクト。詳細は2016年11月24日付プレスリリース「『船舶維新NEXT ~MOL SMART SHIP PROJECT~』発足」をご参照ください。 (註8) LNG燃料を使用した環境負荷低減型のフェリーのコンセプト船。詳細は2009年12月2日付プレスリリース「次世代船シリーズを構想」をご参照ください。 (註9) 商船三井は2017年4月1日付の組織改編において、LNG等の代替燃料船への取組みの加速、LNG等燃料供給事業への参入を一元的に取り扱う燃料室を新設しました。詳細は2017年2月24日付プレスリリース「組織改編の件[283KB]」をご参照ください。