富士通/ダイキン工業がIoTで現場を見守る安全管理支援ソリューションを導入 物流システム 2023.06.17 ダイキン工業様、IoTを活用した労働災害対策を開始 富士通のIoTソリューションで作業者の状態を管理し、安心・安全な職場を実現 当社は、このたび、ダイキン工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 兼 CEO:十河 政則、以下 ダイキン工業)様の安心・安全な職場づくりに向け、当社のデジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc(メタアーク)」(注1)上で展開している、IoTで現場を見守る安全管理支援ソリューション(注2)を導入します。ダイキン工業様は、2017年6月から淀川製作所(大阪府摂津市)において、本ソリューションを活用した作業現場の安全管理を開始します。 従来から工場の安全操業に努めるダイキン工業様は、労働災害対策の高度化に向け、様々な取り組みを行っており、その一環として、2016年7月から4ヶ月にわたり、同製作所の化学事業の製造工程において、当社の安全管理支援ソリューションを活用したトライアルを実施しました。当社とダイキン工業様は、本トライアルにて、作業者に「バイタルセンシングバンド」(注3)を装着し、温湿度が高い環境下で、熱ストレスレベル(注4)の検知精度を向上させるアルゴリズムの検証・評価を繰り返し、特殊な環境においても適切な検知を実現できるアルゴリズムのカスタマイズを行いました。また、現場を巡回する管理者が、作業者の体調の推移を常時把握し、急な体調異常にもいち早く対応することができる専用のスマートフォンアプリを当社で開発し、ダイキン工業様とともに試行を重ねました。 これらのトライアルを経て、同製作所の化学プラントの運転管理者を対象に、本ソリューションを活用して、作業者の体調確認や休憩指示を行うなど、作業現場の安全管理を本格的に実施します。 当社とダイキン工業様は、今後もIoTを活用した作業者の安全管理を行い、ソリューションの機能強化などを継続的に行いながら、労働災害の防止策を推進していきます。 背景 日本国内の労働災害は、長期的には減少傾向にありますが、2015年に転倒・転落、そのほか事由による死亡者数が約1千人、死傷者数が約12万人に上り、また、熱中症は、2015年の死傷者数、死亡者数のいずれも前年より増加傾向にあるなど、現在においても早急な対策強化が求められています。 ダイキン工業様では、こうした労働災害の防止に向けた取り組みを、従来よりもさらにきめ細かく実行するため、このたび、当社の安全管理支援ソリューションを採用されました。 システム概要 作業者が装着した「バイタルセンシングバンド」が周囲の温湿度やパルス数(注5)をセンシングし、当社のセンサーアルゴリズムにて熱ストレスレベルや身体負荷レベル(注6)を推定します。事前に設定した通知条件に該当した場合、管理者へアラームを通知します。管理者はアラームが通知された場合、現場作業者に電話連絡を取り、体調の確認や休憩指示を行うことで、遠距離からでも複数の作業者を同時に見守ることができます。 図1.システムのイメージ図 今後の展望 当社は、今後、本ソリューションをダイキン工業様の他の事業部門や事業所へも展開することを目指し、ソリューションの機能強化を継続的に行っていきます。また、ダイキン工業様の淀川製作所において、現場コミュニケーションの活性化を支援する「FUJITSU IoT Solution Smart Communication(スマートコミュニケーション)」を活用したトライアルも並行して実施しており、確実な情報伝達や製品の出来栄え管理の強化など、ヒューマンエラーの軽減や生産性の向上への取り組みも支援します。当社は、ダイキン工業様が取り組む中長期的なオペレーション改革の実現に向けてAIなどの先端技術を通じて支援していきます。 商標について 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。 以上 注釈 注1 MetaArc: クラウド、モバイル、アナリティクス、IoT、AIなどの最先端技術と、当社SEの知見・ノウハウを融合したデジタルビジネス・プラットフォーム。 注2 安全管理支援ソリューション: 熱中症の発生や作業者の状態を把握することが難しい建設業や製造業などの現場において、作業者の状態、位置情報を遠隔で把握することで見守り、安心して働ける職場づくりを支援するもの。 注3 バイタルセンシングバンド: 本製品は医療機器ではなく、状態の測定・推定結果が事前に設定した通知条件に該当した場合、アラームで知らせるもので、診断するものではない。 注4 熱ストレスレベル: 日本生気象学会の「WBGTと気温、湿度との関係」を基に、温湿度にパルス、活動量の推移から算出した熱ストレス状態を「安全」「熱ストレスレベル(低)」「熱ストレスレベル(中)」「熱ストレスレベル(高)」の4段階に分けて推定。 注5 パルス数: 拍数/分を推定。 注6 身体負荷レベル: カルボーネン法などの指標を基に、パルス数から算出した、活動による身体負荷を「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」の5段階に分けて推定。 関連リンク 安全管理支援ソリューション 紹介サイト 「FUJITSU IoT Solution Smart Communication」 紹介サイト 「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」 紹介サイト 製品情報サイト「ユビキタスウェア」 本件に関するお問い合わせ