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川崎重工業/商船建造の軸足を中国へ

SCM・製造拠点 2023.06.17

船舶海洋事業の構造改革について

(商船建造の軸足を中国へ)

 

 川崎重工は、船舶海洋事業において、ここ数年の不振に加えこの 2 年間で多額の損失を計上しました。

 このため、船舶海洋部門の事業構造を抜本的に見直すことを目的に、2016 年 10 月より社長をトップとした構造改革会議を設置し、事業の継続性を含め今後の運営方針を検討してきました。その結果、本日開催の取締役会において、次のとおり構造改革を実施することを決定しました。

 船舶海洋事業を取り巻く経営環境は、過剰な建造能力の解消時期が見通せないものの、LNG・LPG 需要の増加や環境規制の強化は当社にとって好機であると判断しています。その認識のもと、あらゆる選択肢を検討した結果、現時点においては商船建造の軸足を国内から中国にシフトすることが、最も企業価値向上に資する合理的かつ実現性のある施策と判断しました。

<基本方針>

 ・国内商船建造を坂出工場に集約するとともに、事業規模を約3割縮小し、棚卸資産・固定資産の削減により投下資本を圧縮。

 ・坂出工場は、ガス関連技術、環境負荷軽減技術を活かし、数量を絞りこみながらガス関連船(*1)を主体に受注。且つ、人財育成・技術開発等の拠点機能を強化。

 ・NACKS・DACKS(*2)との共同購買・分担建造など一体運営の更なる深化に加え、DACKS の拡張工事完了(2ドック体制)による持分法利益の増大や、固定費削減と生産性向上等による国内工場の収益性の改善によりEBIT(税引前利益+支払利息)を最大化。

 ・海洋分野は、履行中のオフショア作業船の建造を最後に撤退。

 (*1) LNG・LPG 運搬船、二元燃料船、LNG 燃料船等

 (*2)NACKS:南通中遠川崎船舶工程有限公司、DACKS:大連中遠川崎船舶工程有限公司

 上記の基本方針に基づき、2020年度を目標に、税前ROIC(投下資本利益率)8%以上(100円/ドル前提)の達成を目指します。なお、既受注船は全社の総力を挙げて完遂します。

 また、企業価値向上のため、全社を対象とするプロジェクトリスク管理委員会を設置し、継続的にプロジェクトをフォローアップするとともに、受注前のチェック機能を強化します。最大限にリスクを排除しつつ積極的にプロジェクトに挑戦するとともに、損失発生の未然防止や状況変化の早期把握、迅速な対応を柱にリスクマネジメントの強化を図ります。

 船舶海洋事業の再建を推進するため、4月以降 社長をトップとした構造改革実行会議を立ち上げ、2018年度末まで進捗状況の定期的な評価を行うとともに、生産性向上活動 KPS(*3)の 導入や資材費の削減など経営改善策の推進を統括します。

 (*3) Kawasaki Production System

以上

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