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国際協力機構/コートジボワール向け円借款貸付契約の調印、西アフリカの玄関口アビジャン港の穀物バース整備により同地域の物流活性化と食糧安全保障に貢献

物流全般 2023.06.17

コートジボワール向け円借款貸付契約の調印:西アフリカの玄関口アビジャン港の穀物バース整備により同地域の物流活性化と食糧安全保障に貢献

2017年3月30日

国際協力機構(JICA)は、3月30日、アビジャンにて、コートジボワール政府との間で、「アビジャン港穀物バース建設事業」を対象として108億6,900万円を限度とする円借款貸付契約(Loan Agreement: L/A)に調印しました。

本事業は、西アフリカの玄関口として機能するアビジャン港において、新規に穀物バースを整備することにより、当国及びブルキナファソやマリといったサヘル地域内陸国の増大するコメなどの穀物需要に対応し、同域内の物流の活性化に貢献することを目的としています。本件にかかる貸付資金は、穀物バース整備のための岸壁増設や浚渫、関連施設等に係る土木工事、関連機材の調達及びコンサルティングサービス(入札補助、施工監理等)に充当されます。

なお、本事業に対する円借款には本邦技術活用条件(STEP)(注1)が適用され、岸壁整備において、軟弱地盤や大水深への対応に適している日本の鋼管矢板等の技術が活用される予定です。

アビジャン港は、コートジボワールの実質的な首都機能を持つアビジャンに位置し、バルク貨物取扱量がサブサハラ・アフリカで最大であり、コンテナ取扱量でも西アフリカ最大の港です。また、同港が起点となり、国際回廊や鉄道を介してマリやブルキナファソ、ニジェール等のサヘル地域内陸国への玄関口機能も果たしており、同地域の物流のハブ機能を担っています。

他方、1980年以降の経済的・政治的混乱の影響を受け、アビジャン港には新規投資がなされず、当国及びサヘル地域内陸国の人口増加及び経済成長に伴う貨物需要の増大に見合ったインフラ整備が追いついていません。特に、岸壁構造物や航路水深が船舶の大型化に対応しておらず、また既存インフラも老朽化しており、取扱い貨物量は2008年以降、横ばいとなっています。さらに、同港の岸壁占有率(注2)が70%を超えており、2018年には物理的限界とされる80%に達すると予測されているうえ、穀物用にも利用されている既存の3つの埠頭のうちの1つが別のコンテナバースの整備により利用できなくなることから、新たな穀物バースの整備が喫緊の課題となっています。

本事業で新規に穀物バースを整備することにより、入港する穀物貨物の平均積載量が約2倍になり、岸壁占有率が約60%に下がると見込まれており、当国及びサヘル地域内陸国の増大する穀物需要に対応し、加えて、経済活性化や食料安全保障にも寄与することが期待されます。

JICAはこれに加えて、アビジャン市内の幹線道路にある交差点を立体交差化する無償資金協力プロジェクト「日本・コートジボワール友好交差点改善計画」を実施中であり、アビジャン港を基点に、市中心部と郊外の交通の円滑化を図り、同国および周辺地域の物流円滑化に貢献していきます。

(注1)Special Terms for Economic Partnershipの略。わが国の優れた技術やノウハウを活用した途上国への技術移転を通じて、わが国の「顔の見える援助」を促進するために創設された円借款の供与条件。主契約は日本タイド、下請けは一般アンタイド。なお、主契約については借入国との共同企業体(JV)を認めるが、本邦企業が当該JVのリーディング・パートナーとなることが必要。

(注2)船舶が岸壁を使用している時間を100分率で表示するもの。

1.借款金額及び条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
アビジャン港穀物バース建設事業(Abidjan Port Cereal Berth Construction Project) 10,869 0.10 0.01 40 10 日本タイド

※STEP(本邦技術活用条件)を適用

2.事業実施機関
アビジャン自治港(Autonomous Port of Abidjan)
住所: BP V 85, Abidjan, Côte d’Ivoire
TEL:+225-21-23-81-01/02、FAX:+225-21-34-02-62

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期: 2020年9月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービス(施工監理等)にかかる招請状送付予定時期:
2017年11月
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:新穀物バース建設パッケージ
(Cereal Berth Construction Package)
予定時期:2017年12月

4.JICA情報提供窓口
本事業の調達スケジュールに関する情報は、下記窓口にお問い合わせください。
国際協力機構アフリカ部アフリカ第四課
Africa Division 4, Africa Department, JICA
住所:102-8012 東京都千代田区二番町5-25 二番町センタービル
Nibancho Center Building 5-25, Niban-cho, Chiyoda-ku, Tokyo 102-8012, 
JAPAN
TEL:+81-3-5226-8294、FAX:+81-3-5226-6363

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