川崎汽船/369億600万円の経常赤字を計上(平成29年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)) 物流全般 2023.06.17 平成29年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 単位・百万円 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 29年3月期第3四半期 760,932 △22.2 △34,682 - △36,906 - △54,578 - 28年3月期第3四半期 977,783 △3.7 15,192 △62.3 11,729 △74.6 9,275 △71.9 (注)包括利益 29年3月期第3四半期 △41,370百万円 (-%) 28年3月期第3四半期 △6,764百万円 (-%) (略) (1)経営成績に関する説明 (略) 当第3四半期連結累計期間(平成28年4月1日から平成28年12月31日まで)(以下、「当累計 期間」と表示する)において、米国経済は、雇用環境及び個人消費の堅調な推移により景気が緩 やかに拡大しました。英国のEU離脱問題で一時混乱した欧州経済は落ち着きを取り戻し、堅調な 輸出や個人消費に支えられ緩やかな回復を続けました。中国経済は政府による公共投資拡大を下 支えに減速傾向は一服し、概ね横ばいに留まりました。ブラジルなどの新興国の経済は、資源価 格上昇により一部資源国でやや持ち直しつつあるものの、国ごとにばらつきが見られる結果とな り、総じて回復テンポに鈍化が見られました。 国内経済は円安進行を背景とし、輸出を中心に持ち直しの兆しが見られるものの、個人消費を 押し上げるほどの力強さはなく、全体としては緩慢な回復に留まりました。 世界的に経済環境の先行き不透明感が払拭されないなか、海運業を取りまく市況の本格的な回 復には時間を要するものと思われますが、資源価格の上昇や世界経済の緩やかな回復を後押しに 徐々に底値圏を脱しつつあるものと思われます。コンテナ船では、東西航路を中心とした短期運 賃市況が改善傾向となるも、依然として船腹需給ギャップは存在するなかで、収益回復への途上 であり損失を計上しました。また、ドライバルク船においても、年初の歴史的低水準の市況は脱 し回復基調に転じましたが、船腹需給ギャップが未だ改善途上であり、市況は上値の重い展開と なりました。 当社グループでは、配船効率化などの収支改善策への取組みや運航コストの削減に努めました が、前年同期比で業績は悪化しました。 以上の結果、当累計期間の売上高は7,609億32百万円(前年同期比2,168億51百万円の減少)、 営業損失は346億82百万円(前年同期は151億92百万円の営業利益)、経常損失は369億6百万円 (前年同期は117億29百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は545億78百万円 (前年同期は92億75百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。 セグメントごとの業績概況は次のとおりです (略) ①コンテナ船セグメント [コンテナ船事業] 国慶節後の閑散期も含めて荷動きは東西航路を中心に堅調に推移し、北米航路の積高は前年同 期比約9%増、欧州航路でも前年同期並みの積高を確保しました。南北航路でも荷動きは堅調 で、前年同期比約8%増加しました。アジア航路では収益性を重視したサービス改編を実施した 結果、積高は前年同期比約3%減となりました。その結果、総積高は前年同期比約5%の増加と なりました。堅調な荷況を背景に、短期運賃市況は前年同期比で東西航路を中心に反転したもの の、船腹需給ギャップの解消には至っておらず、前年同期比で減収となり損失が拡大しました。 [物流事業] 内陸輸送及び倉庫業をはじめとする物流事業において、国内物流需要は前年同期比で弱含みで 推移しました。国際物流は、日本発の航空貨物で輸送需要の増加が見られ、取扱量が前年同期を 上回るなど堅調に推移しましたが、円高の影響も受け、物流事業全体では前年同期比で減収減益 となりました。 以上の結果、コンテナ船セグメント全体では、前年同期比で減収となり損失が拡大しました。 ②不定期専用船セグメント [ドライバルク事業] 大型船及び中・小型船市況はともに歴史的な低水準を脱し、中国向け鉄鉱石・石炭の海上荷動 き量の増加に支えられ、回復基調を持続しました。大型船市況は、一時的に主要5航路平均レー トが日額2万ドルに迫る場面はあったものの、年初に大幅に増加した解撤は年後半に減速し、需 給ギャップの改善には至らず上値の重い展開となりました。当社グループでは不経済船の処分を実施し、運航コストの節減、効率的配船に努めましたが、市況低迷の影響を受け前年同期比で減 収となり損失が拡大しました。 [自動車船事業] 当累計期間の完成車荷動きは、資源価格下落の影響を受けたアジア出し中近東、中南米、アフ リカなど資源国向け貨物や、中国経済の減速を背景に欧州・北米出しのアジア向け貨物が軟調に 推移し、ロシア経済の低迷により欧州域内の荷動きも減少しました。その結果、大西洋域内貨物 や、日本出し欧州・北米向け貨物などの増量が下支えしたものの、当社グループの総輸送台数は 前年同期比で約3%の減少となりました。当社グループでは、老齢船の解撤等、荷量に応じた船 腹の調整と、配船及び運航効率の改善に継続的に取り組みましたが、前年同期比で減収減益とな りました。 [エネルギー資源輸送事業(液化天然ガス輸送船事業・油槽船事業)] LNG船、大型原油船、LPG船は、中長期の期間傭船契約は順調に稼働しましたが、市況の軟化に 伴い、エネルギー資源輸送事業全体では、前年同期比で減収減益となりました。 [近海・内航事業] 近海・内航事業においては台風などの影響もあり、輸送量は前年同期を下回る結果となり、加 えて近海船での市況低迷継続、内航船での新規航路開設に係る一時的な費用の発生などにより、 前年同期比で減収減益となりました。 以上の結果、不定期専用船セグメント全体では、前年同期比で減収となり損失を計上しました。 (略) ③海洋資源開発及び重量物船セグメント [海洋資源開発事業(エネルギー関連開発事業・オフショア支援船事業)] ドリルシップ(海洋掘削船)は順調に稼働し、長期安定収益の確保に貢献しましたが、オフシ ョア支援船事業においては、原油価格低迷に起因する海洋開発停滞により軟調な市況が継続しま した。海洋資源開発事業全体では、前年同期比で減収となりましたが損失は縮小しました。 [重量物船事業] 重量物船事業においては、前年同期と比べ、市況が弱含みで推移し、また需要に対応した運航 規模縮小により、減収となりました。一方で、収支については、船隊規模の適正化と費用削減に より、損失は縮小しました。 以上の結果、海洋資源開発及び重量物船セグメント全体では、前年同期比で減収となりました が損失は縮小しました。 ④その他 その他には、船舶管理業、旅行代理店業、不動産賃貸・管理業等が含まれており、当累計期間 の業績は前年同期比で減収増益となりました。 (略)