国土交通省/液化水素タンカーの安全基準について日豪海事当局間で確認 物流全般 2023.06.17 水素サプライチェーン構築へ向けた新たな一歩~ 液化水素タンカーの安全基準について日豪海事当局間で確認 ~ 平成29年1月12月 来たるべく水素社会を見据え、グローバルなCO2フリー水素サプライチェーン構築・商用化に向けて、豪州で採掘される褐炭*を原料として水素を製造し、専用タンカーにより日本に輸送するプロジェクトが進められています。国土交通省は、このためのタンカー(実証船:2020年就航予定)の建造に先立ち、所要の安全基準について豪州側と協議を行ってきましたが、1月11日にキャンベラにおいて当該協議を終了し、建造着手の準備を整えました。これにより、水素サプライチェーン構築に向けたプロジェクトが本格的に動き出します。 * 褐炭:水分が多いこと、自然発火の危険性があること等から輸送に適しておらず、未利用資源の一つとされている石炭。 水素を日本に大量輸送することのできる液化水素タンカーの建造・就航に先立って、輸送用タンクの構造等を定めた安全基準が必要になります。このため、日豪で協力して液化水素タンカーの安全基準を検討し、国際海事機関(IMO)に共同提案しました。同基準は、昨年11月にIMOにおいて暫定的な安全基準として採択されましたが、この基準は、実際の運送に先立ち、関係当局間でその適用を確認することが必要とされています。 今般、1月11日、国土交通省海事局と豪州海事安全局は、本プロジェクトで実証を行う船舶の建造に先立ち、安全基準の確認を行いました。これにより、実証船の建造に向けた準備が整い、オリンピック・パラリンピックイヤーである2020年の実証船の就航に向けて最初のハードルを越え、プロジェクトは本格的に動き始めました。 2020年就航実証船の航路とイメージ 日豪海事当局間協議の詳細: 日時:2017年1月11日(水)午前10時30分~12時(豪州キャンベラ現地時間) 場所:豪州海事安全局(AMSA:Australian Maritime Safety Authority):キャンベラ 確認事項: 運送する貨物は、豪州ビクトリア州の褐炭から生成される液化水素であること IMOが勧告した液化水素運搬船の暫定基準に則り船舶を建造及び運航することにより、両国間での液化水素運送の安全が確保されること 出席者: (豪州)Mr. Alex Schultz-Altmann: Manager, Ship Inspection & Registration, Operations, AMSA (日本)伊藤 真澄:国土交通省 海事局 検査測度課 危険物輸送対策室長 (オブザーバ)太田 進:海上技術安全研究所 国際連携センター長 川崎重工業(株)、(一財)日本海事協会 他 日豪海事当局間協議の模様(於:キャンベラ)