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凸版印刷/世界初、ワインのコルク栓引き抜きや不正な穴開けを検知するICタグを開発

物流システム 2023.06.17

世界初、ワインのコルク栓引き抜きや不正な穴開けを検知するICタグ「CorkTag(TM)」を開発、

ブルゴーニュの高級ワインメーカー「ドメーヌ・エマニュエル・ルジェ」で採用

 

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、ワインのコルク栓引き抜きや不正な穴開けを検知できるICタグ「CorkTag(TM)(コルクタグ)」を開発しました。偽造ワインや不正な詰め替えからのブランドプロテクション用途として、国内外の高級ワイン醸造メーカーに向け、2017年1月中旬より本格的な販売を開始します。

 本製品は、ワインのコルク栓を外側から覆うラベル形状のNFC対応ICタグです。アンテナ回路とは別に上面・側面にそれぞれ断線を検知する回路を持っているため、コルクの引き抜きはもちろん、上部に針で小さな穴を開けただけでも開栓を検知し、その履歴をICチップ内に記録します。通常、ICタグはアンテナ回路が断線すると破損して通信ができなくなりますが、検知回路が断線した後もICタグとして機能する特殊ICチップを採用。またNFCに対応しているため、スマートフォンでも製品の開栓/未開栓の確認が可能です。また、消費者が開栓した後にも、スマートフォンでICタグを読み取ることで、産地情報の提供やキャンペーンWebサイトへの誘導が可能なため、マーケティング活用も可能です。

 なお本製品は本格販売に先立ち、認証セキュリティ事業を手がけるSelinko SA (本社:ベルギー、CEO:Patrick Eischen)と共同で開発したブランドプロテクションシステムとして、フランス・ブルゴーニュ地方の高級ワインメーカー「ドメーヌ・エマニュエル・ルジェ」で採用。2016年12月より順次出荷されています。

■ 開発の背景

 近年、模倣品や海賊版の流通は世界的に拡大しており、その年間被害額は約177兆円にのぼると推計、その内容も多様化しています。ワインや蒸留酒も偽造被害の対象となっており、模倣品や偽造品が流通し続けることで、真正品の売上減少やブランド価値の低下を招く恐れがあります。

 ワインの場合、一度コルク栓を抜いて中身を入れ替えるだけでなく、コルク栓を抜かずに専用針で天面に小さな穴を開けて中身を入れ替えるといった悪質な手法による被害も増えており、その対処方法が課題になっていました。

 凸版印刷は今回、この課題を解決するワイン向け開栓検知機能付きICタグラベルを開発。コルク栓の引き抜きはもちろん、コルク天面への穴開けも感知できるため、偽造品・模倣品の抑止に効果的です。またスマートフォンでの読み取りが可能なNFCに対応しているため、スマートフォンで手軽に開栓/未開栓の判定が可能な他、消費者向けの情報提供ツールとしても活用できます。

■ CorkTagの特長

・断線を検知可能な特殊なICチップを採用

 通常のICタグは回路の一部が断線すると読取不能となってしまいますが、本製品には特殊なICチップを採用し、通信用アンテナと断線検知用回路の2つの回路を備えています。そのため、検知回路の断線で開栓を検知する仕組みながら、断線してもICタグとしての機能を保持できます。開栓記録はもちろん、トレーサビリティ情報からマーケティング情報までの情報を、消費者が開栓した後まで提供できます。

・不正な穴あけの検知も可能

 断線検知回路を持つICチップの採用と、凸版印刷が独自に開発したアンテナ構造により、コルクの引き抜きはもちろん、天面への穴開けも検知できるため、偽造品や不正詰替えの抑止に効果的です。

・スマートフォンで読み取り可能

 本製品はNFCに対応しているため、スマートフォンでの読み取りが可能です。そのため特別な読み取り機器を導入しなくても、誰でも簡単に情報を読み取ることができます。

■ 価格

 約90円/枚 (※30万ロットの場合)

■ 今後の目標

 凸版印刷は本製品を、高級ワインを取り扱うワインメーカーに向け拡販、2018年度に約50社での採用を目指します。

 *本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。

以上

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