信越化学工業/シリコーン事業で国内に工場を新設 SCM・製造拠点 2023.06.17 信越化学、シリコーン事業を拡大~直近2年間の累計投資額は約500億円に~ 信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦)は、主力事業の一つであるシリコーン事業で国内に工場を新設するとともに、シリコーンゴムの成形および加工のテクニカルサービスを行うテクニカルセンターを拡張し、事業の拡大を図る。 シリコーンは、電気、電子、自動車、建築、化粧品やトイレタリー製品など、幅広い用途で使われている高い機能を持つ樹脂。信越化学は、顧客の多岐にわたる要望に応える製品を開発し供給することでシリコーン事業を拡大させてきた。その結果、国内では50%を超えるシェアを有する事業に成長を遂げた。また、海外でもアジア、アメリカ、欧州に生産拠点を設け、事業の拡大に取り組んでいる。 今回信越化学が新たに建設するのは、少量多品種生産に対応した機能性シランの工場。投資金額は23億円で、2018年3月までに直江津工場(新潟県)の敷地内に建設する。信越化学は、自動車、電気・電子材料などに使用される樹脂改質用シランや、接着力の更なる強化を実現するシランカップリング剤など、高特性および高機能を有する製品群を多数有しており、新工場はこれらの製品の需要増に対応する。 また、信越化学は2001年に開設したシリコーンゴムの成形および加工のテクニカルセンター(埼玉県東松山市)を拡張し、テクニカルサービスを充実させる。シリコーンゴムを材料とする成形は、LIMS(Liquid Injection Molding System=液状シリコーンゴム射出成形システム)が用いられる機会が増えており、今後も普及が見込まれている。また、その用途も電気・電子、自動車、事務機、ヘルスケアなど多岐にわたり、更に広がりを見せている。これを受け、テクニカルセンターでは成形機を増やすなど、顧客への説明や実演を充実させ、拡販に結びつけていく。新たなテクニカルセンターは、2017年7月までに完成する予定。 信越化学は、シリコーン事業で昨年よりタイと日本国内に合わせて400億円を投じ生産能力を増強しており、タイでは50億円で新たに事業用地を取得した。今回の投資によりシリコーン事業全体でのこの2年間の累計投資額は500億円近くにも達する。 また、群馬県にあるシリコーン電子材料技術研究所の新研究棟が今春より稼働を開始し、アメリカではニュージャージー州にテクニカルセンターを開設するなど、信越化学は国内と海外、製造と研究の両面で事業の拡大に向けた取り組みを進めている。 現在、シリコーン市場では、欧米企業が世界シェアの首位から3位までを占める。信越化学は研究、製造、営業が一体となり、これらの取り組みを進めることでシリコーン事業を更に拡大し、売り上げ規模で先行する欧米企業との差を一挙に縮めていく。 以上