浜松ホトニクス/化合物光半導体素子の生産能力強化で都田製作所の第3棟の建設を着工 SCM・製造拠点 2023.06.17 化合物光半導体素子の生産能力強化のため都田製作所、第3棟の建設に着工地鎮祭は10月12日 都田製作所 第3棟 外観 当社は、今後拡大が期待される赤外光応用市場に向けて化合物光半導体素子の生産能力を強化するため、都田製作所第3棟の建設に着工します。新棟建設の地鎮祭は10月12日に執り行い、2017年10月に竣工の予定です。 *化合物光半導体素子:光半導体素子は一般的にシリコン(Si)を材料とするが、化合物光半導体素子は複数の材料を組み合わせて製造する。組み合わせる材料や比率を変えることで、シリコンが得意とする可視領域とは異なる光の領域、特に波長が長い赤外光領域に対応した光検出器(受光素子)や光源(発光素子)を実現できる。 当社は、主力製品である光電子増倍管やSiフォトダイオードなどの主に可視領域で使用される受光素子の他、赤外光も含めたさまざまな光の領域に対応した製品を販売しています。今後、赤外光の応用市場の拡大が見込まれるため、化合物光半導体の受発光素子の生産能力を強化します。 赤外光は食品や大気、水質などの分析用途の他、レーザー加工などの産業用途でも利用が進んでおり、今後も医療やセキュリティなど多様な分野で応用市場が拡大すると期待されています。また、先進運転支援システムおよび自動運転システム向けの赤外光を用いたLIDAR(Light Detection And Ranging)は、急激に市場が拡大すると予想されています。これらの応用市場では、用途に応じて受発光素子の性能を最適化する必要があります。当社は受光、発光の両素子を生産している世界でも数少ない企業であり、用途に応じて最適な素子を開発、製造してセットで提案できるという強みがあります。今後も強みを活かして、赤外光応用市場に製品を供給していきます。 *LIDAR:物体にレーザーを照射して反射光を検出し、物体までの距離や形状などの情報を得る原理および装置。大気観測システムなどに使用されており、今後は車載向けの他、セキュリティ、ロボット向けの市場も拡大すると予想されている。 当社は、現在複数の拠点で化合物光半導体素子を製造していますが、新棟に素子の性能を大きく左右する前工程(エピタキシャル成長、加工プロセス)を集約し、蓄積してきた独自の製造ノウハウを融合します。また、自動化の推進および最新の生産管理システム導入で生産性を高めて、全社の生産能力を2インチウエハ換算で月産1,000枚から月産2,000枚に増強します。上記により、高性能、高品質な化合物光半導体素子を高い生産性で市場に供給することが可能となります。 *エピタキシャル成長:下地となる結晶基板上に薄膜結晶を堆積する方法。結晶基板上にさまざまな種類の薄膜を積層して、用途に最適な半導体を作製することができる。 地鎮祭などの詳細につきましては以下の通りです。 <地鎮祭> 式典名称 浜松ホトニクス株式会社都田製作所第3棟地鎮祭 日時 2016年10月12日(水) 午前10時00分~ 場所 静岡県浜松市北区新都田1-8-3 都田製作所第1棟西側第3棟建設予定地 <新棟概要> 建物名称:都田製作所第3棟 建築場所:静岡県浜松市北区新都田1-8-3 都田製作所第1棟西側 建築工期:2016年10月着工、2017年10月竣工予定 稼働予定:2018年4月 建築構造:鉄骨3階建(免震構造) 建物面積:建築面積3,775m2、延床面積9,925m2(内クリーンルーム約4,400m2) 施設構成:工場棟 1階玄関、資材受入、出荷、生産室(クリーンルーム クラス10,000) 2階製造事務所、休憩室、生産室(クリーンルーム クラス10,000) 3階検査・測定室、会議室、生産室(クリーンルーム クラス10,000) 付属棟 1階機械室 総工費:約40億円 収容人員:約100名 生産品目:化合物光半導体素子 生産能力:2インチウエハ換算 月産2,000枚 以上