コマツ/米国鉱山機械メーカーのジョイ・グローバル社を買収 SCM・製造拠点 2023.06.17 米国鉱山機械メーカーのジョイ・グローバル社の買収について コマツ(本社:東京都港区、社長(兼)CEO:大橋徹二)は、米国における完全子会社であるコマツアメリカ株式会社(本社:米国イリノイ州、会長(兼)CEO:Rodney Schrader、以下「コマツアメリカ」)が、露天掘りおよび坑内掘り向け鉱山機械の製造・販売・サービスを行うJoy Global Inc.(本社:米国ウィスコンシン州、社長(兼)CEO:Edward L. Doheny II、以下「ジョイ・グローバル社」、米国ニューヨーク証券取引所上場)をコマツアメリカの完全子会社とすること(以下「本買収」)についてジョイ・グローバル社と合意することを本日の取締役会で決議しましたので、下記の通りお知らせいたします。今後、ジョイ・グローバル社の株主総会における承認、関連する国において必要となる承認取得を経た上で、2017年半ばを目処に本買収を完了する予定です。 1.本買収の目的 コマツは、2021年の創立100周年を見据え、そしてそれ以降も持続的な成長を目指すため3カ年(2016-2018年度)の中期経営計画「Together We Innovate GEMBA Worldwide -Growth Toward Our 100th Anniversary (2021) and Beyond-」を本年4月よりスタートしています。この中期経営計画における成長戦略の実現に向け、コマツの主要事業である鉱山機械事業の体制を大幅に拡充するため、ジョイ・グローバル社の買収を決定しました。 ジョイ・グローバル社は鉱山機械事業で100年以上の長い歴史を有し、コマツがこれまで保有していなかった超大型の露天掘り向け鉱山機械および坑内掘り向け鉱山機械の製造・販売・サービスを行う年間売上高3,172百万米ドル(1米ドル105円換算で約3,330億円)のグローバル企業です。 コマツの鉱山機械事業は、1921年の創立時から始まり、1990年代以降に競争力のある鉱山機械メーカーや代理店などの買収を積極的に行ったことで、現在の事業規模は約4,500億円にまで成長しましたが、これまで事業の対象は、鉱山における2つの採掘手法(露天掘り、坑内掘り)のうち露天掘り向けのみに留まり、その中でも一定の大きさを超える超大型の露天掘り向け積み込み機械はカバーしていませんでした。 現在、新興国の成長鈍化や資源価格低迷の影響を受け、鉱山機械の需要は大きく落ち込んでいますが、世界の人口増および都市化率の上昇を背景に長期では増加し、採掘手法については、経済合理性の点から露天掘りの機械の大型化と、坑内掘りのニーズが更に高まっていく見込みです。 ジョイ・グローバル社の買収により、コマツが保有していない超大型の露天掘り向け鉱山機械および坑内掘り向け鉱山機械などを新たに製品ラインナップに加えると共に、長年お客様と直接向き合い深い経験とノウハウを持つ両社の直接販売・直接サービス(以下「直販・直サ」)体制を統合し強化します。更に、品質と信頼性を重視するコマツとジョイ・グローバル社のモノ作り技術を融合させるだけでなく、両社の強みである「IoT(Internet of Things)」を活かし、露天掘りおよび坑内掘り向け鉱山機械をコマツの鉱山管理システム上でつなげ、機械の稼働最適化、遠隔操作、無人化を進めることで、鉱山現場の安全および生産性の大幅な向上に貢献します。コマツはこれからもダントツ商品、ダントツサービス、ダントツソリューションの提供を通じて、お客様と共に全ての鉱山現場でこれまでに無かった新しい価値を創造する「イノベーション」を起こしていきます。 2.本買収による効果 ジョイ・グローバル社の安全へのこだわり、お客様の現場の生産性向上($/Tonの低減)への取り組み、イノベーションの追求といった企業文化は、コマツの企業文化と高い共通性があります。また、直販直サ体制でお客様に価値を提供し、お客様と共に現場の課題を解決していくジョイ・グローバル社の取り組み方もコマツと共通しています。コマツと多くの点で共通する文化、価値観、戦略を持ったジョイ・グローバル社の買収により、コマツが得る最も大きな効果として以下2点を見込んでいます。 (1)製品ラインナップの補完 ジョイ・グローバル社はロープショベル、超大型ホイールローダー、ドラッグライン、ドリルなどコマツにない露天掘り向け製品を保有しています。また、積み込み機械であるロープショベル、超大型ホイールローダーはコマツが製造販売する超大型の電気駆動式ダンプトラックと積み込み時の適合性が非常に高いため、販売、サービスでの相乗効果が期待できます。更に、ジョイ・グローバル社はこれまでコマツが手がけてこなかった坑内掘り向け製品を保有することから、ジョイ・グローバル社の買収によってコマツは坑内掘り向けにも事業の対象を拡大します。ジョイ・グローバル社の買収によって、コマツは露天掘りだけでなく坑内掘りを含めた全ての鉱山のお客様に対してダントツ商品を提供できる体制を整えることができます。 (2)ダントツソリューションの強化 ジョイ・グローバル社はお客様の現場の安全および生産性の向上を最優先としつつ、ハードの開発と共に、現場で稼働する機械をIoTでつなぐスマート・サービスなどの開発・導入に取り組んでいます。コマツも同様に、無人ダンプトラック運行システム(AHS)の展開、鉱山管理システムやKOMTRAX Plusなどを通じて機械および施工の見える化を進め、お客様の現場の安全および生産性の向上に取り組んでいます。両社のIoTから得られる鉱山現場における様々なデータをコマツのオープンプラットフォーム上でつなげ活用することが可能になるため、今後もお客様にダントツソリューションを提供するうえで大きな相乗効果が期待できます。 3.本買収の方法 本買収は、コマツアメリカが本買収のために設立する完全子会社(以下「買収子会社」)とジョイ・グローバル社の合併による方法(逆三角合併)で実施します。合併後の存続会社はジョイ・グローバル社となり、合併対価としてジョイ・グローバル社の株主には以下の現金対価が交付される一方、コマツアメリカの保有する買収子会社の株式が存続会社の発行済み株式に転換されることにより、存続会社がコマツアメリカの完全子会社となります。本買収は、ジョイ・グローバル社が招集する株主総会における合併の承認および関係当事国において必要となる承認の取得、その他、合併契約に定める一般的な条件の充足により実施されます。なお、本買収のために当事者間で締結された合併契約において、コマツは、コマツアメリカおよび買収子会社による義務の履行につき保証を提供しています。 本買収においては、ジョイ・グローバル社株式を1株当たり28.3米ドル(総額約2,891百万米ドル(1米ドル105円換算で約3,036億円))で取得する予定です。買収資金については、手元資金および借入金により調達することを想定しており、現時点で増資は想定していません。 4.買収後の経営方針 ジョイ・グローバル社の強みである、ジョイ・グローバル社ブランドおよび直販・直サ体制は維持した上で、お客様へのサービス向上のためにコマツとジョイ・グローバル社が協力して組織と業務の改善を行います。また、安全へのこだわりやお客様の現場の生産性向上($/Ton低減)、「顧客視点」といったジョイ・グローバル社の企業方針、文化、価値観はコマツと共通するものがあります。鉱山機械専業メーカーとして長年培ったジョイ・グローバル社の強みを尊重し、シナジーの実現を目指します。 5.ジョイ・グローバル社の概要 6.取得株式数,取得価額および取得前後の所有株式の状況 7.日程 8.今後の見通し 本買収が成立した場合、ジョイ・グローバル社はコマツの連結子会社となります。これに伴うコマツの連結業績に与える影響については本買収の進捗状況に応じ、速やかに開示します。 なお、本買収の終了は2017年4月以降となる見込みであるため、本買収がコマツの2017年3月期の連結業績に与える影響はありません。 将来見通しに関する注意事項 本プレスリリースは、米国1933年証券法(Securities Act of 1933)第27A条および米国1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934)第21E条で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの将来に関する記述には、本プレスリリースに記載された取引の完了予定時期、本買収終了後の当社によるジョイ・グローバル社の事業の運営、同事業に関する将来の運営、指揮、成功等の記載が含まれますが、これに限られるものではありません。これらの将来に関する記述は、将来の業績に関する保証ではなく、かつ将来における当社およびジョイ・グローバル社の実際の業績、展開又は財務状況と大きく異なることとなるような知れたるまたは不知のリスク、不確実性その他の要素があります。当社およびジョイ・グローバル社が認識しているところでは、これらの将来に関する記述は、「考えます」、「期待します」、「見込みます」、「計画します」、「意図します」、「はずです」、「するつもりです」、「予測します」、「将来」、その他、これらと同様の表現、又は特に「戦略」、「目標」、「計画」、「意図」等に関する説明という形で示されています。多くの要因によって、本文書に述べられている「将来に関する記述」と大きく異なる実際の結果が、将来発生する可能性があります。かかる要因としては、(i)本取引の完了時期に関わる不確実性、(ii)ジョイ・グローバル社の株主によって本取引が承認されない、(iii)本取引と競合する提案がなされる、(iv)本買収の完了に必要とされる規制上の条件または他の条件が充足されないリスク、(v)本取引の発表によって生じうる従業員、顧客、仕入先、その他取引先との関係維持に困難が生じる可能性、(vi)本取引に関する株主関係訴訟によって、本取引の完了のタイミングに生じ、又は防御のための多額の費用若しくは賠償の支払が生じうるリスク、(vii)当事者に関連する法制度、会計基準等またはその他の経営環境の変化が及ぼす影響、(viii)事業戦略を実行する上での課題 、(ix)金融の不安定性および他の一般的経済状況または業界状況の変化が及ぼす影響、(x)取引費用、(xi)確定又は偶発債務、(xii)その他直近のForm 10-Kの様式によるジョイ・グローバル社アニュアルレポートの「リスクファクター」セクションに記載されているものを含む、ジョイ・グローバル社が米国証券取引委員会(以下「SEC」)に提出した書類に記載されているリスク(SECのウェブサイトhttp://www.sec.govから無料で入手することができます)が含まれますが、これらに限定されるものではありません。当社も、ジョイ・グローバル社も、法律によって明示的に必要とされる場合を除いて、新情報、将来の情勢又はその他の結果として将来の見通しに関する記述を更新する義務は負いません。本発表における将来に関する記述は、この注意事項に従うこととなります。